弁護士コラム

多額な立退料を要した判例(その3)

[投稿日] 2019年03月05日 [最終更新日] 2019年03月05日

平成9年11月7日東京地方裁判所(判例タイムズ981号278頁)

〔判例要旨〕
木造2階建て店舗・居宅兼事務所の賃貸借契約について、
その敷地が都の都市整備事業における買収候補地に選定されていること、
賃借人等の事情としても金銭的な補償で解決がつかないわけでもないこと等から
2048万円の立退料をもって解約申入れの正当事由が具備する。

〔解 説〕
要は、大家さんが貸している賃貸建物の敷地を東京都が道路用地として買収する
ことになったので、大家さんから出て行ってくれと言われた事案。
賃借人は、
賃借建物の1階を倉庫兼車庫、2階を事務所兼居宅(賃借人の従業員が居住)として利用。
大家さんとしては、賃借人が出て行ってくれないと、東京都に用地買収してもらえず、
買収金ももらえなくなってしまうというわけ。

裁判所は、
建物の敷地部分が東京都の買収候補地になったのは、
大家が申し込んだことによるから
大家の事情は自己使用に準ずるものといえるとした。
つまり、他人に貸すためではなくて、大家の自己使用のためだから、
賃借人に出て行ってもらいたいという事情はより切実だと判断した。

賃借人については、金銭的に補償してもらえれば十分解決するでしょうと。

結論として、借家権価格1662円、営業補償額386万円の合計2048万円
立退料を大家が提供すれば立退請求の正当事由があるとした。
2048万円は、現行賃料の約6.8年分だった。

リアルバリュー法律事務所 〒466-0006 愛知県名古屋市昭和区北山町3-10-4 [現在営業中] 平日9:00-21:00  |  土曜9:00-21:00  |  日・祝9:00-21:00
Resized avatar mini magick20180620 2437 1whr8bt

梅村 正和 弁護士

取扱分野
不動産・建築 相続

コラムの内容は更新時のものであり、最新の情報と異なることがあります。

ページ
トップへ