弁護士コラム

建物滅失と借地権(当初の借地権存続中の場合)

[投稿日] 2019年06月21日 [最終更新日] 2019年06月21日

借地上の建物が滅失してしまった場合に、借地権はどうなるのかについて

解説します。

前提として、建物が滅失した時期が、借地契約をした当初の期間中である場合と、

当初の期間が経過して法定更新された後では、法律の規定がやや異なります。

 

そこで、まずは、当初の借地権存続中の滅失の場合について説明します。

 

1.借地権者の解約の申入れ等の可否

  当初の借地権存続中に建物が滅失した場合、借地権者は、借地借家法8条1項に

 規定する解約申入れ等により借地権を消滅させることはできない。

  すなわち、当初の借地権期間中は、地主のみならず、借地人の方からも、

 建物が滅失したので借地を止めますとは言えない。

2.残存期間を超えて存続すべき建物の再築について

(1)地主の承諾を得た場合

   建物が滅失し、借地権者が地主の承諾を得て、残存期間を超えて存続すべき建物を

  築造した場合、借地権は、承諾または建物が築造された日のいずれか早い日から最短

  20年間存続する(7条1項)。

   なお、借地権者が、再築の通知をした後、地主が2か月以内に異議を述べなかった

  ときには、承諾があったものとみなされる(7条2項)。

   ※ 更新後の建物滅失の場合には、このような「みなし承諾」の制度が無い。

(2)地主の承諾を得ずに再築した場合

   当初の借地権存続中に建物が滅失し、借地権者が地主の承諾を得ずに、残存期間を

  超えて存続すべき建物を築造した場合、借地権の存続期間は延長されない。

   地主の承諾無しに再築したときは存続期間はそのままで変わらない。

   この場合、存続期間満了時の更新請求や土地使用継続による更新が成立する可能性は

  ある。

   ただし、地主の承諾無く再築したという事情が、地主側の更新拒絶の正当事由を成立

  させる要素となう可能性がある。

   この場合も、当初の存続期間中に建物が滅失した場合、借地権者が地主の承諾を得ず

  に再築しても、当初の存続期間満了となるまでは、地主は、解約申入れはできない。

   この点については、更新後の建物滅失の場合と異なる。

(3)建物買取請求権

   建物が借地権の存続期間満了前に地主の承諾を得ないで残存期間を超えて存続すべきも

  のとして新たに築造されたが、その後、存続期間が満了し、契約の更新が無い場合には、

  借地権者は、建物等を時価で買い取るべきことを請求することができる(13条1項)。

   この場合、裁判所は、地主の請求により、代金の全部または一部の支払いについて、

  相当の期限を許与することができる。

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梅村 正和 弁護士

取扱分野
不動産・建築 相続

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