弁護士コラム

不動産所有者が行う事業方式(その1:事業受託方式)

[投稿日] 2019年08月18日 [最終更新日] 2019年08月18日

所有する不動産を使用して

節税その他の目的で何らかの事業を行う場合、

事業方式としては、

事業受託方式等価交換権利調整定期借地権・定期借家権

等々が考えられます。

 

まず、事業受託方式ですが、

これは、

マンションやビルなどを自ら建設して賃貸事業を行おうとする

事業主から、

事業の企画・立案から建物完成や運営管理までの

全ての事業遂行に関わる業務を

不動産コンサルタント等が受託し事業を進める方法です。

 

事業主が自らのマンション等の建設費を負担しますが、

事業そのものについては素人のため、

事業の企画・立案から建物完成まで、場合によっては、

完成後の建物の運営管理までの全ての業務を、

一定の報酬を支払って、

コンサルタントなどの専門家に委託する形で事業を進める手法です。

 

事業受託方式のメリット・デメリットは、

○ メリット

 1.節税効果

   建築費が減価償却の対象となり、経費に計上できるので、

  所得税対策になる。

 2.相続税対策

   通常は、建築費の一部を借入金でまかなうため、

  借入金相当額が債務控除の対象となり、相続税対策として有効。

   たとえば、賃貸用物件を建築する場合、

   ① 土地が貸家建付地評価になる

     借地権割合が60%、借家権割合が30%の地域の場合に、

     土地評価額が、「更地評価額×(1-0.6×0.3)」となる。

   ② 建物も貸家評価となるため建物評価額を下げることができる

     借家権割合が30%の地域の場合に、

     建物評価額が、「自用建物の評価額×(1-0.3)」となる。

 3.住宅の場合、固定資産税の小規模宅地の特例が室数分使える。

 4.事業をしている個人や法人の場合、

  賃貸収入による本業の収益の下支え効果を期待できる。

 5.土地を手放さないで事業をできる。

 6.建物建築に伴う煩雑な手続きをコンサルタントなどの専門家に

  任せられる。

○ デメリット

 1.長期の借入金を利用することによる事業リスクがある。

 2.事業をしている個人や法人の場合、本業以外の余計な手間暇がかかる。

 

個人の事業委託者の場合、

依頼目的としては、多くが相続税対策です。

ただ、

相続税軽減効果を求めるあまりに、過大な借入金を見込んで事業を始めると、

将来、事業環境の変化に対応できず、事業収支が悪化して相続税対策どころか

事業そのものが破綻するおそれがあるので注意が必要です。

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梅村 正和 弁護士

取扱分野
不動産・建築 相続

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