弁護士コラム

不動産所有者が行う事業方式(その2:等価交換)

[投稿日] 2019年09月24日 [最終更新日] 2019年09月24日

所有する不動産を使用して

節税その他の目的で何らかの事業を行う場合

事業方式としては

事業受託方式、等価交換、権利調整、定期借地権・定期借家権

等々が考えられます。

 

事業受託方式について先に説明しましたので

次は、等価交換について。

 

等価交換とは、

土地所有者が土地を、

ディベロッパー等の事業主体が建築費等の事業資金を、

それぞれ出資し、

共同事業のパートナーとして

建物完成後に出資比率に応じた土地・建物の一部を取得するものです。

 

土地所有者が出資する土地の一部と

事業主体が提供する建物の一部が等価となるので

等価交換と言います。

 

土地所有者の出資する土地価額は、その時点での時価で評価します。

土地所有者は、それまで所有していた土地を提供して、

引き替えに完成した建物を取得するため、

一切の金銭的負担がありません。

すなわち、自己資金や借入金で事業をする場合に比べると、

事業そのもののリスクが無いと言えます。

複数の土地所有者が共同でビル建設するときに、

土地所有者のうちの誰かが資金面を負担し、

土地所有者間だけで事業を行うような場面で等価交換を使う例もあります。

 

等価交換といっても

実際には、土地の譲渡とその譲渡代金による建物の買い換えですが、

交換と呼ばれるのは、

一定の税制上の要件によって

土地の譲渡税が繰り延べとなるため

固定資産の交換などと同様の税法上の効果があるからです。

 

等価交換は、上に書いたように共同事業ではありますが、

実態は、

土地所有者がディベロッパー等の事業主体にお任せということが多いです。

そのため、良く言えば、

土地所有者は、建物建設に関する色々な業務をしなくて済むという

メリットがあるとなりますが、

事業の全てをお任せということになるため、

信頼できるパートナーを選ぶことが非常に重要だということになります。

 

建設した建物を

土地所有者と事業主体が配分する方法には、

出資比率方式売価還元方式があります。

 

出資比率方式は、

土地所有者、ディベロッパー等の事業主体の

それぞれの出資額の比率で按分する方法です。

言うならば、原価積み上げ法です。

ただし、

事業主体がディベロッパーや投資家の場合、

事業採算が取れなければ、その事業に対して投資することはありません。

すなわち、事業主体は、

取得する床面積で採算を計るため、

必要な専有面積が取得できないのであれば意味がありません。

そのため、

出資比率方式の場合、

単なる原価積み上げではなく、

事業主体の採算を考慮して

事業主体の事業費をどう見込むかが重要になります。

 

売価還元方式は、

ディベロッパー等の事業主体が

マンション分譲等の事業をする場合に使われる方法で、

出資した事業費の総額と適正利益の回収に必要な売上高を算定し、

その売上高を確保できるだけの専有面積をまずディベロッパーが取得し、

残余を土地所有者に配分する方法です。

したがって、事業主体が賃貸マンションや賃貸ビルを建設する場合は、

売価還元方式は使えません。

 

個別の専有面積の価額査定にあたっては、

階層別効用比と位置別効用比という価値配分比を使って、

価値面積を効用席数として算出し、

それぞれに配分します。

 

階層別効用比位置別効用比という概念は、

私の専門である不動産鑑定の分野でも

区分所有権の鑑定評価などの場合に使用します。

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梅村 正和 弁護士

取扱分野
不動産・建築 相続

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