美容院でカット中に耳を少し傷つけたときの賠償は?

Legalus編集部さん 2016年01月19日

 美容師をしています。カット中にお客様の耳をハサミで傷つけてしまい、謝罪を要求されました。話し合いの末、なんとか、誠意を感じていただいたようで、謝罪だけで話がついて帰られました。その後、さらに責任者が、メールで謝罪をしていたらしいのですが、メールの返信が遅かったのが気に入らなかったらしく、訴訟をおこすと脅かしてきたそうです。傷は、1ミリほどの刺し傷程度で、血がにじむくらいのもので、すぐに治ったようですが、精神的苦痛を味わったということだそうで、精神科に行くとおっしゃっています。
 もし、訴訟をおこされたら、全面敗訴なのでしょうか‥?



(30代:女性)

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Legalus編集部

     美容院などでカットを行う場合、美容のサービスを提供する契約が発生します。そして、カット中にお客様に対して怪我をさせてしまった場合、髪を適切にカットする契約が達成できなかったということになり、債務不履行(いわゆる契約違反)となります。この場合、お客様側から損害賠償請求が考えられます(民法415条)。その他、お店側の不注意で相手方に対して怪我をさせた場合、不法行為に基づく損害賠償請求(民法709条)も考えられます。

     これらは2種類とも請求されると言うわけではなく、いずれかを選択して請求できるという関係になります。

     美容院でミスをしてお客様に怪我を負わせた場合、請求しうる内容としては、通院費などの治療代、治療に伴う交通費、入通院慰謝料(通院日数に応じて算定されます)といったものが代表的なところです。ただ、これらはミスと因果関係のある範囲について認められるものです。



     ご相談内容を拝見すると、傷自体はごく小さなものです。とすれば、通院に関する費用というものも考えにくいため、仮に相手方から訴訟を起こされたとしても、賠償金は微々たるものになると思われます。また、精神科にかかったことで生じる費用は、ミスとの因果関係が否定される結果、損害賠償は認められないでしょう。

     したがって、「訴える」と言われても、そこまで気に病む必要はないのではないかと考えられます。(加えて言えば、訴訟に発展させようと思った場合、実際に傷の治療が必要であったことを立証するため病院で診断書を書いてもらう必要があるのですが、1ミリ程度の傷であれば診断書を得るのも難しいのではないかと思われます。)

     とはいえ、実際に訴訟に発展してしまうとご相談者様も代理人(弁護士)を手配したりと費用がかさむと思われます。



     上記を踏まえつつ、再度実際に会って謝罪をして示談を取り付けることが妥当な解決策ではないかと思われます。その際、相手方と「この件は謝罪を受け入れ、一切請求しない」というような内容で一筆もらっておくことが防御策としては良いのではないかと思われます。

2016年01月19日

商品・サービスの購入に強い弁護士

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