取締役会議事録の署名又は記名押印
[投稿日] 2014年07月25日 [最終更新日] 2017年08月01日
取締役会を得意としている弁護士
「取締役会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した取締役及び監査役は、これに署名し、又は記名押印しなければならない」(会社法369条3項)とされています。議事録が電磁的記録によって作成されている場合にも署名又は記名押印に代わる措置をとらなければなりません(会社法369条4項)。
したがって、取締役会議事録の作成に際し、出席した取締役・監査役は必ず署名又は記名押印、もしくは電子署名をしなければならないといえます。
これに対し、会計参与については、取締役会に出席したとしても署名又は記名押印の義務はないので、署名又は記名押印の必要はありません。
会社法上は「押印」と規定されているだけで実際に押印する印鑑の種類についての規定はありません。したがって、取締役会議事録を作成するだけであれば、印鑑は実印ではなく認印でも問題ありません。
しかし、登記手続において取締役会議事録が添付書類となる場合には、実印を押印し、印鑑登録証明書を添付することを要求するものもあるため、注意が必要です。
電磁的記録によって作成されている場合にも署名又は記名押印に代わる措置をとらなければなりません(会社法369条4項)。ここでの「署名又は記名押印に代わる措置」とは電子署名を指します(会社法施行規則225条1項6号)。
では、電子署名とはどのようなものを指すのでしょうか。電子署名は、電磁的記録に記録することができる情報について行われる措置であって、次の(1)と(2)の要件のいずれにも該当するものでなければなりません(会社法施行規則225条2項)。
- 当該情報が当該措置を行った者の作成に係るものであることを示すためのものであること。
- 当該情報について改変が行われていないかどうかを確認することができるものであること。
このような決まりが定められていますので、電磁的記録による取締役会議事録の作成には注意してください。
更新時の情報をもとに執筆しています。適法性については自身で確認のうえ、ご活用ください。
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