突然退職した従業員に対する損害賠償請求は可能?

User image 1 Legalus編集部さん 2016年01月21日

 飲食店を3店舗経営していますが、従業員が次々とメール1通で突然来なくなりました。5人も一気にいなくなったので、当然店は回らず、閉めている状況です。新しく従業員を入れるにしても、すぐには無理で3店舗分の損害は相当な金額です。会社が倒産するかもしれないです。
 この状況で、突然やめた従業員に対して損害賠償はできますでしょうか?



(40代:男性)

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Legalus編集部

     民法627条1項において、当事者(経営者と労働者)が雇用の期間を定めなかったときは、基本的には退職の申し出から2週間を経過することで労働契約が終了すると規定されています(同条2項によって、月給制の場合は、契約期間が月単位となりますので、当月の前半に申し出れば次月に退職となります)。

     ただ、民法628条において、やむを得ない事由があるときは直ちに契約を解除することができるとされています。これは、突然出社しなくなった従業員の雇用を終了させる場合などに用いる規定です。この場合、同条において「やむを得ない事由が一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う」と定められています。

     したがって、突然退職した従業員がいて、それによって契約が破談になった、あるいは企業運営が立ち行かなくなった場合などは、法律上は損害賠償請求が可能であるということになります。

     しかしながら、労働者の退職の自由は基本的には強く保護されている傾向にあり、上記のような損害賠償請求をしても認められないことが大半であるという点に注意が必要です。仮に認められたとしても、賠償金額としては低く、訴訟にまつわる費用と比較すると「費用倒れ」に終わってしまう可能性が高い点も悩みどころです(参考として:東京地判平成4年9月30日ケイズインターナショナル事件)。

     対処方法としては、店舗の運営に対して余裕をもった人材を確保し、時給制とシフト制を敷いて欠員補充をしやすい環境を整え、安定的に店舗運営を行うことで突然の退職者への予防策を講じることが求められているのではないかと思われます。

2016年01月21日

契約書に強い弁護士

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