業務委託契約を解除して返金を求めることは可能でしょうか?

User image 1 Legalus編集部さん 2016年01月22日

 コンサル契約を業務委託で依頼していた会社が、委託したこちら側の信用を傷つける行為を行いました。契約書の内容に基づき、契約解除、全額返金を希望しています。このことが発覚した段階で、契約回数の3分の2が終了しています。先方に契約解除、全額返金を希望したところ、「消化分は役務の提供が完了しているので返金できない。未消化分のみ返金する」との回答がありました。到底、納得がいきません。

 こちらの主張する契約解除、全額返金の主張はおかしいでしょうか?また、法的手段を取る場合、何から始めるのが適切でしょうか?



(30代:女性)

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Legalus編集部

     対個人や対法人といったように私人間で契約を結ぶ際、重要な役割を果たすのは「契約書」です。

     というのも、民法においては契約自由の原則というものがあり、法律上のルールはあっても、ある程度であれば契約書で修正をしてしまい、契約書上のルールが優先することが一般的だからです。



     契約書において曖昧だったり、言及していない部分については、各種の法令を確認して契約当事者にどのような義務や権利があるかを確定させることになります。



     したがって、ご相談者様は、まずは手元にある契約書をしっかりと精査する必要があります。

     通常、いわゆるコンサルタントを依頼する契約の場合、サービスの提供が長期間に及びます。こうした契約においては、コンサル側が「とりっぱぐれないように」サービスを提供した部分について都度代金を請求できるようにしておき、契約が解除された場合、まだサービスを提供していない部分の代金のみを返還する契約内容とされるのが一般的です。



     「未消化分のみ返金する」という相手方のコメントも、前述のような定めを念頭においているからだと思われます。

     そのため、契約書内容の詳細がわからないため想像の域を出ませんが、未消化分のみ返金するというのは妥当性のある内容ではないかと思われます。



     ただ、これもまた詳細な内容がわからないため確定的なことは言えませんが、相手方がなした「信用を傷つける行為」が重大であり、それによってコンサル契約が無意味化するという判断ができうるならば、債務不履行に基づく損害賠償請求として費用の全額返還を求めることが可能ではないかとも思われます(民法415条参照)。



     法律の解釈上は、不完全な履行(コンサルサービスの提供)があったものの、信用を傷つける行為があったため、履行していないことと同視でき、(信用毀損行為によって)委託関係を継続できないため改めての履行も不能である。そうであるならば、契約を解除の上、(コンサルサービスが一切提供されていないと判断できるから)代金の全額返還ならびに、信用毀損行為によって生じた損害賠償を請求する、という構成になろうかと思われます。



     上記のような請求を行う場合、契約書を通じて契約内容を精査し、当事者間でのやり取りを振り返って請求が可能であるかを検討します。

     その際、契約書を離れて、本事例における相手方との契約が法律上の契約類型ではどのような契約に分類され、どんな請求が可能であり、制約があるかも確認します(おそらくコンサル契約の場合、契約類型上は民法643条などで規定される準委任契約、あるいはある種の請負契約(民法632条)に類型化されます。

     これらにおいては契約解除をしうる条件に差があり、対応は複雑化します)。



     これらを踏まえたうえで、費用の全額返還請求が可能であると判断できれば、本件事例では訴訟を通じて返還を迫ることになろうと思われます。



     以上のように、本事例では訴訟を念頭にした対応も考えられるため、一度、弁護士などの専門家に法律相談をされることをおすすめいたします。

     法律相談だけであれば、さほど費用はかかりません。体調が悪い時に病院に行くように、事情の説明と対処方法の見通しを気軽に相談されてはいかがでしょうか?

2016年01月22日

契約書に強い弁護士

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