取締役が競業他社を作り顧客を奪っていた

User image 1 lu_b4122a41さん 2018年08月17日 20時10分

私が代表取締役・大株主(60%株主)である法人Aの取締役X(Aの40%株主)が、法人Aの取締役会や株主総会を通さずに秘密裏に同業別法人Bを作り自らが代表取締役に就任し、少なくとも過去数ヶ月の間競業していたことが数日前に発覚しました。その取締役Aは法人Aの仕事をしながら法人Aの顧客と会い折衝を行い、ビジネスは法人Bの名称で契約を結び、請求書も法人B名義で出していることが明るみに出ました。更には、法人Aの従業員Yを誘い法人Bの社員として法人Aの顧客とビジネス折衝をさせていることも明るみに出ました。従業員Yはもちろん法人Aの被雇用者のままです。

これら取締役Xや従業員Yの行動事実は、法人Aのメールアカウントをチェックしているうちに数日前に判明しました。私としては、まずは法的なことを私自身が認識することが重要と考え、現時点では取締役Xや従業員Yと対峙していません。彼らは私が彼らのメール内容を把握している事実をまだ知りません。

このような状況下、私は取締役Aと従業員Yに対してどのような法的権利を有しますでしょうか。取締役Aと従業員Yは法的にどのような法律違反となっていますでしょうか。今後、どう対処していけば良いのでしょうか。よろしくお願いします。

1.Xは、法的には、競業避止義務違反(会社法365条、356条1項1号)、忠実義務違反(同法355条)、利益相反取引(同法356条1項2号・3号)等に当たる可能性が高く、法人AからXに対する損害賠償請求等ができる可能性があります(同法423条1項)。
 また、理論上は特別背任罪(同法960条)にも当たる可能性がありますが、基本的には民事の問題として、捜査機関は対応に慎重になることが予想されます。
 その他、Xの取締役解任についての正当事由に当たる可能性が高いと思われます。

2.今後の対応としては、①まずXによる競業避止義務違反や利益相反取引の証拠、例えば具体的なB社との取引金額等に関する資料を収集した上で、②Xに証拠を突きつけた上で、法人Aが傷つかない方法での解決を図る方法が考えられます。
 それでもなおXが応じない場合、法的手続を実施するとA社の経営に影響する可能性があるため、どのような対応をとるかはA社の経営政策上の諸々の事情を考慮する必要があります。
 それ以上の詳細に関してここでご回答することは困難であるため、弁護士との面談相談等をご検討頂いた方が良いでしょう。

2018年08月17日 20時52分
補足質問
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lu_b4122a41 - 2018年08月17日 21時49分

早速のアドバイスありがとうございます。

「まずXによる競業避止義務違反や利益相反取引の証拠、例えば具体的なB社との取引金額等に関する資料を収集した上で」:これについては、メールの中に取引金額を示した契約書及び請求書、顧客とのメールやり取りを収集済みです。

「法的手続を実施するとA社の経営に影響する可能性がある」:これについては、幸いにも大きな打撃を被るような顧客では無いため、当社の経営に影響を及ぼすリスクは低いと言えます。この顧客には正直に事実状況を説明したいと考えております。

これ以外にも他の顧客にアプローチをしている可能性があるため、法人にとり非常に危険な状況と感じております。したがって、取締役解任のステップを踏み、法人の資産であるコンピュータ類の返還要求を考えております。損害賠償請求も視野に入れ、更には、今後行われうる競業行為を差止めることが出来るのかどうかも思慮しています。

どちらにしても、株主総会を招集し、早めに取締役Xの解任を考えております。

従業員Yへの対応ですが、Xの下で働いていることが如実に現れているメール証拠が複数あり、「懲戒解雇」という選択肢があるのかどうか思案しております。Yの懲戒解雇については都内の労働基準局に相談をしてからの方がいいのかどうか現在思案中です。

早速のご返事に感謝しております。
補足回答
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小川 智史 弁護士 - 2018年08月17日 22時03分

1.法的には解任自体は可能ですが、登記簿上「解任」と記載されると、第三者に紛争状態の会社との懸念を生じさせ、例えば金融機関からの融資の際に影響を及ぼす可能性があります。Xが辞任に応じない場合は解任せざるを得ませんが、できれば合意による辞任の方が望ましいでしょう。
「A社の経営に影響するリスク」とは、Xないし法人Bが実際に引抜している顧客ではなく、主として、「紛争状態との会社」との印象により、金融機関や他の取引先(潜在的取引先を含む)等に与える影響を意味します。

2.YがXの指揮命令に基づき動いたとなると、懲戒解雇可能か直ちには分かりかねますが、現実に懲戒解雇を実施した場合、解雇無効の審判や訴訟リスクが予想されます。したがって、「懲戒解雇」という形をとるか否かは、少なくとも労働基準局にご相談いただいてからの方が良いと思われます。
お礼メッセージ

短い時間に貴重なアドバイスをいただき感謝しております。

よくわかりました。

Xに関しては、辞任に持っていくよう努力します。

Yに関しては、週明けにでも、都内の労働基準局で証拠を見せながら相談をしてみようかと考えております。

今後ともよろしくお願い申し上げます。

投稿時の情報です。適法性については自身で確認のうえ、ご活用ください。

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