ストーカー規制法の法的解釈とその適用について

User image 1 lu_b8644282さん 2021年07月19日 11時45分

ストーカー規制法の法的解釈およびその適用(事件化を希望)について教えて下さい。

 私と私の家族は、4年以上前から私の元配偶者から不安、不快感、嫌悪感を覚えさせるような様々な嫌がらせ行為を受け続けています。その嫌がらせ行為の一つに、私の子供が通学する中学校に頻繁に電話を掛けて、私と配偶者(再婚した女性)を誹謗中傷し名誉を害する事項を告げる嫌がらせ行為を受け続けています。この1年間は電話の頻度も多くなり(月に5,6回以上)、誹謗中傷の内容(虚偽の犯罪をでっち上げ、私と配偶者をその犯罪者と中傷)も増悪しています。更に最近の電話では中学に通う私の子供まで直接誹謗中傷する電話も頻繁に掛かって来ています。
 警察にも20回以上被害相談しており、中学校側からも誹謗中傷電話の事実を連絡して戴いていますが、警察は事件化(捜査、逮捕等)に向けてなかなか動いてもらえていません。諦めずに被害相談を続けた結果、警察から地方検察庁に相談してもらいましたが、担当した検事さんは事件化は難しいとの見解を示しており、未だに泣き寝入り状態が続いています。警察から教えて戴いた、検事さんの見解、解釈の概要は以下の通りです。
・私と配偶者は電話で誹謗中傷された被害者ではあっても、電話を掛けている人間は中学校での私達の社会的名誉を下げることが目的であり、
 私達に知らせることを目的としていない。
・ストーカー規制法第2条第1項7号で、「その名誉を害する事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと」の行為は禁止されているが、
 電話の相手方(告げた先)は中学校であっても中学校は誹謗中傷されていないので、中学校は「その名誉」を害された被害者ではない。
・ストーカー規制法条文の「・・・怨恨の感情を充足する目的で、当該特定の者又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と
 社会生活において密接な関係を有する者に対し、次の各号のいずれかの行為をすることをいう」において、電話を掛けられた先の中学校は、
 私と私の配偶者を「当該特定の者」とすると、中学校は「当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者」には該当しない。
・私と私の配偶者を誹謗中傷する電話は中学校に掛けられており、中学校は上記の通り、私と配偶者の「密接関係者」ではなく、被害者でもない
 ので、私と私の配偶者を被害者とした場合、ストーカー規制法では中学校への誹謗中傷電話は取り締まりの対象とはならない。

 私には、検事さんの見解、解釈は論点を挿げ替えずらしているだけであり適切ではないと考えられ、全く理解不能であり承服できるものではありません。
 上記を踏まえ、以下を質問させて戴き度、御回答をお願い致します。

 1.ストーカ規制法に対する検事さんの見解、解釈は適切なのでしょうか?
 2.平穏な生活を取り戻すためにも警察、検察に検挙(逮捕、起訴)して欲しいと考えていますが、具体的にはどう対応すべきでしょうか?
 3.告訴状の提出も考えていますが、警察は上級庁の検察から事件化できないとされているため、告訴状は受理できないとしていますが、
   確実に受理してもらうためにはどうすればよろしいでしょうか?

以上

取扱分野
消費者問題 離婚・男女 犯罪・刑事事件
ベストアンサー

1 検察官の見解、解釈は概ね妥当であると考えられます(私見)。電話の相手がご相談者様であればストーカー規制法の射程に入りますが、電話の相手が中学校となると中々同法違反を主張するのは難しいように思います。

2 ストーカー規制法での逮捕は困難かと存じますが、例えば中学校の業務が妨害されておりますので、中学校に相談の上、偽計業務妨害罪被害届、告訴状を出してもらう、という選択肢も検討されるべきかと思います(若しくは告発状を自ら提出する。)。或いは、平穏な生活を取り戻す手立てとしては、民事保全法に基づく仮処分(中学校等に電話をする度に罰金が発生する。)という選択肢も考えられます。

3 告訴状を確実に受理してもらうためには、被害が深刻であること、何より有罪の立証が十分可能であることが大切です。もっとも上述の通り、ストーカー規制法違反という容疑では有罪の立証が(現時点での行為では)難しいようにおもいますので、その点が告訴状を受理してもらう上で一番の障害となりそうです。

2021年07月19日 18時47分
補足質問
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lu_b8644282 - 2021年07月21日 12時30分

回答ありがとうございます。嫌がらせの状況につき説明が不足しておりましたので、補足します。
ストーカー規制法については、平成29年5月26日付け警察庁丙生企第63号「ストーカー行為等の規制等に関する法律等の解釈及び運用上の留意事項について(通達)」が全国警察長宛に発せられている。本通達では、第7号の「その名誉を害する事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと」については、「名誉を害する事項とは、対象者の社会的評価を害し、名誉感情を害する事柄を告げるなどすれば足り、事実を摘示することまでは要しないと考えられる」との解釈が示されています。
「対象者の社会的評価を害すれば足りる」との解釈であり、社会的評価とは刑法230条の名誉棄損罪における保護法益の「客観的な社会的名誉、外部的名誉」と同じと考えられ、「名誉を害する事項」を直接対象者に告げる行為よりも、むしろ対象者以外の第3者に告げる行為により「社会的評価を害する」という目的が達成されるので、中学校に誹謗中傷電話を掛けた時点において、第7号に抵触する行為が成立すると解釈することは合理的と考えます。
また、生徒とその両親を誹謗中傷し名誉を害する電話、特に今回の相手は非常に激高した状態で攻撃的な内容の電話を掛けており、その様な電話が頻繁に中学校に掛かってきた場合において、生徒の安全確保、管理を推進する中学校として、家庭との連携強化のために、その事実を生徒の保護者に連絡することは、通常の範囲内での適切な対応と考えます。中学校としては保護者に連絡する責任を有すると考えられ、それを怠ること事の方が不適切ではないでしょうか。
従って、中学校に名誉を害する電話を掛ければ、保護者である私や妻に連絡が入ることは容易に想定できることであり、むしろ、今回の相手は明らかにそれを意図して電話を掛けていると推測され、第7号の「その知り得る状態に置く」に抵触する行為であると解釈することは合理的と考えます。
更に、第7号では名誉毀損罪のような「公然性(伝搬可能性も含む)」は要件としておらず、名誉を害する事項の告知先、場所、方法・手段等の要件に規定は無く、ましてや、その告知先(本件事案では中学校)が名誉を害される「被害者」でなければならないといった要件もありません。第7号が意図するところは、名誉を害する事項を「対象者に告げる」行為を主体とした禁止ではなく、「対象者の社会的評価を害する」行為自体を禁止しているものであって、第7号条文の「その知り得る状態に置く」についても、場所、方法、手段等の要件に規定は無く、直接/間接問わず「対象者の社会的名誉を害する」ことを禁止していると解することができるのではないでしょうか。

1.上記を踏まえて、最初に質問における検事さんの見解、解釈は適切なのでしょうか?
私見との断りが付されての回答ですが、弁護士が概ね妥当であると考えられた根拠、理由を簡単に教えて下さい。
2.検事さんも中学校は生徒の密接関係者であるとの見解なので、子供を被害者とすれば、その法定代理人親権者である親が告訴権者として、今回の事案に対しストーカー法違反を主張して告訴し、受理してもらうことは可能でしょうか?
3.中学校は、誹謗中傷電話の応対において、頻繁に連続して掛けられた電話に対して「威力業務妨害」であると明確に伝えており、中学校は第5号の「拒まれたにもかかわらず、連続して、電話をかけ」の禁止行為の対象者(被害者)に該当するものとして、
弁護士の回答の様に、私が告発状を提出して、受理してもらうことは可能でしょうか?
補足回答
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吉田 奉裕 弁護士 - 2021年07月21日 12時53分

補足を踏まえた上で回答いたします。

1.中学校に電話をかけたことで、直ちに中学校が保護者に連絡をとるかどうかは確実視できませんので、ご自身の見解はともかくとして、検察官が立証に慎重になることはうなずけます。すなわち、中学校が保護者に連絡する法的義務を負っているのではあれば別として、そうではない以上、検察官が、裁判において、学校側が保護者に連絡をしなければならない社会的な立場にあることを証明しなければ、行為者は無罪となります。この点、学校側が「保護者に連絡することを容易に想像できる」と証明できるかといえば、学校のマニュアルがそのように記載され、広く公示されているなどの事情がなければ必ずしも証明は出来ないと思います。仰りたいことは十分理解出来ますし、考え方としても不自然ではないと思いますが、その社会的な常識を裁判で証明できるかは別問題であるということです。

2.行為者をストーカーで逮捕等するためには、あくまでその行為が恋愛感情又はその感情が満たされなかったことに対する憎悪等の感情を満たす目的でつきまといをしたといえる必要があります。そうすると、おそらく行為者の憎悪等の感情の矛先は、ご相談者または現在の配偶者様であると考えられ、子供は直接の被害者にはあたらない(行為者の視点で感情を満たす対象ではない。)人物かと想定されます。
ですので、被害者を子供とする形でも、告訴状の受理は難しいのではないかと考えます(私見)。

3.業務妨害罪の告発状であれば、行為者が特定できていれば(かつその証明がある程度できるのであれば)、提出することは可能であると考えられます。ただし、告発状を受理すると警察には捜査義務が生じるので、迷惑電話をかけている人物が○○に違いない、と言う程度の申告では、告発状の受理には至らない可能性があります。
補足質問
User image 1

lu_b8644282 - 2021年07月23日 12時23分

早々に丁寧詳細なご回答ありがとうございます。概ね、論点、課題が明確になりました。
追加での補足質問が可能なようなので、最後にもう少し質問させて戴き度、よろしくお願い致します。

1.中学校に通報義務があることを前提とした場合には、中学校に対して対象者を誹謗中傷し名誉を害する電話する行為は、ストーカー規制法の第7号の禁止行為に該当するものと解釈できると考えてよろしいでしょうか?
 また、今回の事案では、中学校への誹謗中傷電話の事実やその内容について、私や警察には既に連絡されているので、既遂のストーカー規制法に抵触する違反行為と解釈することができ、中学校の連絡義務の立証までは必要ないのではないでしょうか
 誹謗中傷電話が掛かった事実については、中学校側からはその都度、私と警察署の生活安全課に連絡戴いており、私は誹謗中傷電話を含めその他の嫌がらせ行為について、何度も警察に被害相談しています。これを受けて、警察も相手側に対して、私と家族への嫌がらせ行為及び中学校への誹謗中傷電話を止めるように警告を2回実施していますが、2回共に相手側はその日のうちに中学校に電話を掛けて、私と私の家族を誹謗中傷し、警察の警告行為は不当であるとまで批判しています。この様に警告を受けた状況においても、更に、中学校に私と家族を誹謗中傷する電話を掛ければ、電話をした事実が警察や私に連絡されることを相手側は十分に認識していたと考えられます。認識というよりも、むしろ、相手側は、中学校に誹謗中傷電話、特に警告後には私を脅すような内容もあり、電話を掛けている事実、その内容を私に知らしめようと意図した行為であると考えても不自然ではないと思います。相手側は、強固な悪意、憎悪等の感情を有していることは誰が見ても明確であり、中学校への誹謗中傷電話は、第7号条文の「その知り得る状態に置く」ことを意図、目的とした行為であり、当該号の禁止行為と解釈することは合理的と考えます。
 以上の様な論理展開でストーカー規制法の違反行為として主張、立証することは難しいことではないと考えますが、いかがでしょうか。

2.ストーカー規制法では、恋愛感情等が満たされなかったことによる怨恨の感情を充足する目的としたつきまとい行為等を禁止しており、弁護士のいう通り、直接的な憎悪等の感情の矛先は私と妻であると理解しました。初期のストーカー行為は好意の感情を満たすことも目的であると考えますが、今回の事案では既にその段階を通り越して、憎悪等の感情が勝り支配された様な状況であると考えられ、子供を対象者とした(腹いせの様な)嫌がらせ行為も規制の対象にならないのでしょうか。条文では「当該特定の者又はその配偶者、直系若しくは同居の親族(中略)に対し、次の各号のいずれかの行為をする」ことを禁止しているので、対象者として直系親族である子供も含まれているので、子供を被害者とした告訴も可能であると解釈することはできないでしょうか?また、電話では子供を著しく妬み、直接的に名誉を害する事実を摘示した誹謗中傷を繰り返しており、悪意の感情を充足することを目的とした違反行為とし解釈することはできないのでしょうか?

3.誹謗中傷電話の行為者の特定については、電話に対応した中学校の教職員から、行為者が本名を名乗ったと聞き及んで確認しています。メモなどが無いか中学校に確認しようと考えますが、どの程度の証拠が必要でしょうか?対応者の記憶では不十分とすると、電話メモや電話の録音音声データ等があれば証拠となり得るのでしょうか?
補足回答
Resized avatar mini magick20210510 1336 1wz54so

吉田 奉裕 弁護士 - 2021年07月26日 10時35分

詳細な補足ありがとうございます。こちらも状況が把握出来てきました。

1 「知り得る状態におくこと」の解釈として、加害者が学校に電話をした時点で、客観的に学校側がご相談者様に連絡をすることが確実視されることが必要になりますので、その意味で学校側に通報義務があれば、ご指摘の解釈は十分に成り立つと考えます。
もっとも、事後的な経過を見て学校側が連絡をしていることはそれを裏付ける一事情に過ぎません、厳しい言い方をしてしまうと、たまたま学校がご相談者様に連絡をしたという可能性も否定できないのです。通報が画工内部のマニュアルで決まっていたなど、確実に通報義務を肯定できる事情が欲しいところです。現にお話を伺うだけでは、加害者が一度位電話をした時点ではただのいたずらと考えて、ご相談者に通報しない可能性は十分にあると考えることが出来ますし、二度の警告が出された後の学校側の対応としても、警察だけではなく、ご相談者様に必ず連絡をするとまでいえるかは断言できません。学校内部で起きた問題であれば学校側には保護者に連絡すべき義務が肯定できますが、学校外部からの問題についてまで逐一報告する法的義務がないためです(全てのいたずら電話が同一人物によってなされているかの証明も出来ませんし。)。事実上連絡するであろう、という理屈は学校側の対応を期待するものであって確実視できません(電話の内容が生徒に対する加害意思を含んだものであれば、通報義務を肯定できる可能性がありますが。)。
そうすると、何度目の電話で通報義務が肯定できるのか、慎重にならざるを得ないと考えられます。
したがって、ご相談者様の理論で主張することはあり得る話ですが、通報義務を肯定する証拠構造としては、少し弱いようにお見受けします。

むしろ、現状では、ストーカー等規制法の逮捕を追及するよりも、二度の警告が出ているということですし、警察に相談し、禁止命令を出してもらうべきかと存じます。こちらが仮に出されれば、その後の違反行為で逮捕勾留、起訴することが一気に容易になります。

2 まず整理すると、ご相談者様の奥様に対する悪感情でお子様に被害を与えた場合でも、ストーカー等規制法上の被害者はあくまで奥様になります。お子さんを被害者(もちろん事実上の被害者はそうなのですが、)として告訴権者にすることは法が想定しておりません。
お子さんを被害者とするならば、むしろ名誉毀損や侮辱罪の類いになります。また、今回直接の行動を受けているのはあくまで学校なので、学校の業務妨害罪が一番素直な法適用になるかと考えられます。

3 教職員の証言は中立的な第三者の証言といえるので、証拠としては信用性がありますが、正確性の観点から録音があった方が良いのは事実です。本名と過去の住所が分かるのであれば、弁護士に相談して電話等を禁止する保全命令を実行するのが一番早い方法で、かつ教職員の証言だけでも命令が出される可能性がありますが、どうしても刑事事件化したいということであれば、録音等を用意していただく必要があると思います。
お礼メッセージ

 ご回答いただきありがとうございました。
 詳細にはお話しできていない事項もありますが、その中でも親切丁寧に教えて戴き参考になりました。また、素人には法律の解釈は非常に難しいことを痛感しました。
 今回の弁護士の御回答を参考に、今後の対応を考えて進めていきます。

投稿時の情報です。適法性については自身で確認のうえ、ご活用ください。

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