幇助犯
[投稿日] 2014年01月08日 [最終更新日] 2017年02月08日
犯罪・刑事事件を得意としている弁護士
山本 友也 弁護士 神奈川県
やまもと総合法律事務所第16回目の今回は、「幇助犯」について説明します。「幇助」とは、「手伝うこと」を意味し、犯罪の実行行為以外の行為によって、正犯に加担することをいいます。例えば、犯行に必要な道具を用意することなどがこれにあたります。
幇助行為は、物的な援助に限りません。すでに殺人の決意を抱いている人に対して「男は、やるときはやらねばならぬ」と激励するといった精神的な援助でも構いませんし(犯罪を犯す意思のない人を犯罪を犯すように励ますのは教唆犯です)、警備員が警備中に侵入してきた窃盗犯を見ぬふりをして通すといった不作為(行為義務のある者が期待された行為をしないこと)でも構いません。
もうひとつ、最近話題となっているのは、飲酒運転の幇助行為です。飲酒運転で事故を起こしたときに、同乗者が危険運転致死傷罪や自動車運転致死傷罪の幇助罪に問われることがあります。また、道路交通法には、飲酒運転幇助罪が規定されています。
2005年5月に仙台で起きた高校生の列に飲酒運転の車が突っ込み、15人が死傷した事件で、仙台地裁は、酒を飲んでいた被告人に自宅までの送迎を頼んだ被告人の先輩(事故時には同乗していなかった)に対して、危険運転致死傷罪の幇助犯の成立は認めなかったものの、飲酒運転幇助罪の成立を認め、罰金25万円の判決を下しています。
次回は、その他の共犯に関する話題をまとめて説明します。
« 第15回 教唆犯 | 目次 | 第17回 その他共犯に関する話題»
更新時の情報をもとに執筆しています。適法性については自身で確認のうえ、ご活用ください。
問題は解決しましたか?
弁護士を検索して問い合わせる
弁護士Q&Aに質問を投稿する
犯罪・刑事事件を得意としている弁護士
山本 友也 弁護士 神奈川県
やまもと総合法律事務所ページ
トップへ
トップへ
詐欺2020年12月08日
報道によると、持続化給付金の不正受給について、福岡県において初の逮捕者が出...
水野 遼 弁護士
水野FUKUOKA法律事務所逮捕・勾留2020年11月20日
最近,有名人がひき逃げで逮捕されるというニュースが続きました。 先月(10...
木野 達夫 弁護士
宝塚花のみち法律事務所犯罪・刑事事件2020年11月06日
コロナ救済策として出された「持続化給付金」 これを騙し取ったとして逮捕され...
福富 裕明 弁護士
東京FAIRWAY法律事務所