落ちてた財布をネコババしたら窃盗罪になる?

User image 1 Legalus編集部さん 2014年08月05日

 お店の入口に財布が落ちているのを見かけ、思わず拾ってしまいました。落とし主が財布のないことに気付き、私に「財布知りませんか?」と聞いてきましたが、「知りません」と答えてしまいました。防犯カメラが付いていたので、私が持ち去ったとわかると思います。私はどうなりますか?



(30代:男性)

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Legalus編集部

     相談者のした行為は遺失物横領罪刑法254条)ではなく窃盗罪同235条)にあたる可能性があります。遺失物横領罪は1年以下の懲役または10万円以下の罰金もしくは科料に処せられる罪ですが、窃盗罪は10年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられる罪です。

    財布の落とし主がわかるのであれば、いますぐ財布を返却し、慰謝料などの被害を弁償されることをお勧めします。また、弁護士に相談のうえ、警察署に自首されてはいかがでしょうか。そうすることによって、裁判において執行猶予が付される可能性が高くなります。また、場合によっては起訴猶予(刑事訴訟法248条)となる可能性もあります。



     遺失物横領罪と窃盗罪の違いは、占有者(持ち主)の意思に反してその占有を奪うか否かです。意に反する占有奪取であれば窃盗罪となります。ここでの占有とは物に対する事実上の支配のことを指します。そして、物と離れた時間が短時間で物に対し現実的支配を及ぼしうる場所的範囲内にあるときには、占有を認めることができます。



     例えば、被害者がバスを待つ行列の移動中に置き忘れたカメラを約5分後に20メートル離れたところで気付いた場合には、被害者のカメラに対する事実上の支配を認めて、窃盗罪が成立するとした例があります(最高裁昭和32年11月8日判決)。

    他方、大規模なスーパーマーケットの6階ベンチに財布を置き忘れたまま地下1階に移動し、約10分後に置き忘れたことに気が付き戻った場合には、占有が否定されています(東京高判平成3年4月1日)。



     今回も相談者が財布を手に入れた時点で、財布の持ち主が一旦店を離れてほどなくして店に戻ったという事情がある場合、落とし主の占有が肯定され相談者に窃盗罪が成立します。

    他方、財布の持ち主が財布を落としてから時間的・場所的に離れた後に店に戻ってきた場合には占有が否定され、窃盗罪は成立しないでしょう。ただし、この場合でも遺失物横領罪は成立します。

2014年08月05日

横領に強い弁護士

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