社有車のカギを騙し取るのは詐欺か?

User image 1 匿名ユーザーさん 2016年01月21日 19時28分

 社長から預かっている社有車のカギを、私に対する嫌がらせ目的で、同じくカギを預かりうる立場の同僚が騙し取り、私の業務に支障が出ました。警察は詐欺ではないと言いますが、詐欺には当たらないのでしょうか。また何らかの違法行為にはならないのでしょうか。それを取り返すべく実力行使をして、制圧しようと髪をつかんで押し倒そうとしたのですが、正当防衛は成立しますか?



(40代:男性)

匿名弁護士

     詐欺罪は「人を欺いて財物を交付させた」時に成立します(刑法246条1項)。具体的に見ると、



    1. 相手方(ここでは相談者の方)を錯誤(事実を誤認させられる事、いわゆる騙された状態)に陥れるような欺罔行為を行い

    2. 相手方が実際に錯誤に陥り、

    3. 相手方が自らの意思で財物を処分し、

    4. 財物の占有(処分し、自由にしうる事)が加害者(同僚の方)に移転する


    という、一連の経過が必要になります。

     同僚の方が「騙し取った」と指摘されていますが、誰に対して(相談者の方に対してか、会社内のカギを管理されている方に対してか)欺罔行為がなされたのかが判然としないため、上記の(1)~(3)の関係がわかりかねます。ただ、今回の件で問題になっているのは「社有車」です。同僚の方がカギを隠し持っていたり、社有車を乗り回していたりしても、会社にきちんと車両が戻ってくる限りにおいては、誰かに占有を移転されたということが言えないため、詐欺罪は成立しないと思われます(補足的に言えば、同僚の方がカギを騙し取って、社有車を売り払ってしまったなどの場合は、会社に対する詐欺罪ということはありえます)。

     むしろ、業務妨害罪(刑法233条参照)の可能性があり得ます。こちらは、簡単に言えば、何らかの手段を用いて、人の業務(仕事に限らず、人の反復的な社会活動一般を指します)を妨害した場合に成立するため、社有車のカギを奪われて仕事に支障が出たならば成立するのではないかと思われます。

     もっとも、相談者の方にも非はあるように思われます。それは、カギを取り返すべく、髪をつかみ、押し倒そうとした点です。この行為は、正当防衛は成立しません。正当防衛は、「急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為」である場合に成立します(刑法36条1項)。ポイントは、まず相手方からの攻撃があって、それに対して必要最小限度の反撃であることです。相談内容から見ると、相手方からの攻撃はありません。また、カギを取り返そうとしてなさった髪をつかみ、押し倒そうとした行為は「やむを得ずにした」という限度を超えるのではないかと思われます。むしろ、暴行罪(刑法208条)などに問われてもおかしくありません。

     このように、相手方から業務妨害罪に当たると思われる嫌がらせがあった面はありますが、反対に相談者の方も暴行罪に問われても仕方がない状況があることをご理解いただきたいと思います。
     どのような事情があったかは定かではありませんが、すぐさま法的問題にするのではなく、同僚の方や、客観的にアドバイスできる社内の方などとじっくり話し合い、業務に支障が出ない職場環境を整えていくことが求められているのではないかと思います。

2016年01月21日 19時28分

投稿時の情報です。適法性については自身で確認のうえ、ご活用ください。

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