法律コラム

懲役・禁錮(刑務所・仮釈放)

Section banner criminal

犯罪・刑事事件

ある弁護士の獄中体験記 第117回 出所【完】 懲役・禁錮(刑務所・仮釈放) 2017年07月20日

出所当日の月曜日、ここでの最後の朝食となる。息子が迎えにくることになっていたので、息子とどこかで、ちゃんとしたうまい物を食べようと思って、味噌汁を飲んだだけで、後はすべて残した。空下げにきた衛生係の人に、残したことについて「すみません」と言うと、「いいえ、大体みんな残しますよ」と言ってくれた。考えることは皆同じである。 朝食後すぐだったから、8時20分...

ある弁護士の獄中体験記 第117回 出所【完】
ある弁護士の獄中体験記 第116回 出所準備(その2) 懲役・禁錮(刑務所・仮釈放) 2017年07月13日

明けて木曜日の朝、7時20分に起床して洗面をし、部屋の掃除をし、ふっと窓の外を見ると、眼下の廊下を工場出役で行進している木工工場の面々がいるのに気付いた。ちょうどその時間なのである。一昨日まではあの中に自分がいたのだと思うと感慨深い気持ちであった。さらに見ると、刑務所の大運動場が見え、大運動場の塀の向こうの川の土手を散歩している一般人も見える。まもなく...

ある弁護士の獄中体験記 第116回 出所準備(その2)
ある弁護士の獄中体験記 第115回 出所準備(その1) 懲役・禁錮(刑務所・仮釈放) 2017年06月29日

出所まで2週間ほどと迫った日、作業中に処遇担当だかの刑務官に呼ばれた。満期日と出所日の確認がなされ、3日間の出所訓練があるので、そのときに工場独居を出て別の居室に移ることを告知された。3日間というのが土日を含むのか分からず、その点を確認すると、土日は含まず、私の出所日は4月21日の月曜日なので、16日の水曜日の朝に別の居室に移ることになるとも言われた。...

ある弁護士の獄中体験記 第115回 出所準備(その1)
ある弁護士の獄中体験記 第114回 私はどこにいる? 懲役・禁錮(刑務所・仮釈放) 2017年06月28日

ここで東京の保護司に話を戻す。 暑い盛りを過ぎたころに、妻から手紙がきた。保護司が私宛に挨拶も兼ねて残暑見舞いの葉書を出したが「本人不在」で戻ってきてしまったらしい。おかしいとの話が保護司からあったとのことで、その問合せであった。妻にも分かるはずはなく、手紙での問合せとなった次第である。妻からの手紙を見て思わず笑ってしまった。 「本人不在」である。つま...

ある弁護士の獄中体験記 第114回 私はどこにいる?
ある弁護士の獄中体験記 第113回 仮釈放(その2) 懲役・禁錮(刑務所・仮釈放) 2017年06月15日

前回に書いたパロールという書面審査の後幾日か経って、仮釈放などの担当をする処遇矯正刑務官がやってきた。書面の記載内容を変更するつもりはないか、仮釈放を考えると変えた方がいいと思うがどうだ、というようなものだった。こんなところから早く出たいのは当然で、ここで屈して仮釈放のために「嘘」を書くこともできるが、どうせ大した刑期ではないし、何よりも私の矜持がそれ...

ある弁護士の獄中体験記 第113回 仮釈放(その2)
ある弁護士の獄中体験記 第112回 仮釈放(その1) 懲役・禁錮(刑務所・仮釈放) 2017年06月08日

受刑者のほぼ全員が考えていることは仮釈放のことである。法律上は、有期懲役の場合は刑期の3分の1を務めることにより、無期懲役の場合は10年以上を務めることにより、仮釈放となる資格を取得するとされている。しかし少なくとも無期懲役の場合、10年どころか30年ほどで仮釈放になるかどうかというのが実態である。どこかの阿呆な女弁護士が、無期懲役の場合20年で仮釈放...

ある弁護士の獄中体験記 第112回 仮釈放(その1)
ある弁護士の獄中体験記 第111回 刑務官(その2) 懲役・禁錮(刑務所・仮釈放) 2017年06月01日

刑務作業中に、制服に金線の入ったお偉いさんやスーツ姿の所長が見回りに来ることがしばしばある。担当刑務官は、その人の前に直立不動で、人員報告など異常のないことを報告する。ところが、当初は、そのようなことは知らず、たまたまその時に刑務官に用事があって、右手を上げて公談許可を得ようとして、怒られてしまった。刑務作業が優先ではないかなと思うが仕方ない。担当刑務...

ある弁護士の獄中体験記 第111回 刑務官(その2)
ある弁護士の獄中体験記 第110回 刑務官(その1) 懲役・禁錮(刑務所・仮釈放) 2017年05月25日

刑務官が大変な仕事であることは、拘置所でもここ大分刑務所でもよく分かった。しかし、誰かが言っていたのだが、刑務官は世襲制も多く、刑務官の子供同士が結婚することも多いらしく、狭い閉鎖的な社会で生きていて常識がない人が多いとも聞いた。常識云々は別として、私の記憶に強く残っている刑務官の言動を書いてみたい。 刑務作業をしていると、週に1回ほど、別の刑務官がや...

ある弁護士の獄中体験記 第110回 刑務官(その1)
ある弁護士の獄中体験記 第109回 懲罰に行く人々(その3) 懲役・禁錮(刑務所・仮釈放) 2017年05月18日

前回に幾度も懲罰に行った者が、懲罰房の暮らしもさほど辛いものではないと豪語していたという話を書いたが、中には、確信犯的に懲罰となる者も、少なからずいるらしい。これは聞いただけの話である。 どこかの工場に配属されて刑務作業をしていたが、その彼にとってみれば、朝から晩まで同じような刑務作業をし、しかも作業報奨金なんかは雀の涙ほどしかもらえない。しかもその作...

ある弁護士の獄中体験記 第109回 懲罰に行く人々(その3)
ある弁護士の獄中体験記 第108回 懲罰に行く人々(その2) 懲役・禁錮(刑務所・仮釈放) 2017年05月11日

大分の夏は暑い。しかも基本的には塀に囲まれているから、風通りも悪く、さらに暑さが増す。坊主頭になっていても、頭に水をかぶりたくなる。その気持ちはよく分かる。夏には拭身(しきしん)といって、何杯かの水を使って体をタオルで拭くことができる時間帯がある。「拭身用意」「拭身始め」との合図で許され、「拭身やめ」で終了する。およそ5分ほどだったか。ところが、拭身時...

ある弁護士の獄中体験記 第108回 懲罰に行く人々(その2)
ページ
トップへ