借金・ローンが払えない

借金、ローンが払えないとどうなる?適切な対処が活路を開く
キャッシングやローンなどを利用していると、順調に返済出来ているときは良いですが、返済がくるしくなって滞納すると、債権者からしつこく督促が来て大変なことになってしまいます。実際に借金返済を滞納し続けると、具体的にはどのようなことが起こるのかを知っておく必要があります。
また、支払いが出来なくなった場合の対処方法も抑えておきましょう。今回は、借金やローンを支払えないとどうなるのかや、その場合の対処方法について、解説します。
借金やローンの支払いができないと、どのようなことになるのか、まずは確認しましょう。
消費者金融やクレジットカードの借金、カードローンや住宅ローンなどのローンを滞納すると、まずは借入先の債権者から支払の督促をされます。督促方法は、当初は電話がかかってくることが多いですが、電話に出ないとハガキや封書などで督促書が送られてきます。
それも無視していると、内容証明郵便で借金の一括請求書が送られてきます。
借金やローンの返済をしているとき、通常は毎月などの分割払いをしていますが、借金を長期滞納すると分割払いをすることが許されなくなって、残金を一括払いしなければならなくなります。このことを、期限の利益喪失と言います。
期限の利益喪失については、通常借金の契約書や契約約款に記載されていますが、だいたい2ヶ月分程度滞納したら期限の利益を喪失すると記載されていることが多いです。住宅ローンの場合には、それより長く、6ヶ月程度滞納したら期限の利益を喪失すると記載されていることもあります。
内容証明郵便による一括請求書内には、「いついつまでに支払をしないと、法的手続をとって差押をします」などと書かれていることが多いです。
内容証明郵便による一括請求書にも応じないで無視していると、今度は債権者から本当に裁判を起こされてしまいます。裁判も無視していると、裁判所で借金の残金と遅延損害金の支払い命令の判決が出てしまいます。すると、債権者はその判決に従って、債務者の財産に強制執行(差し押さえ)してきます。このとき、預貯金や生命保険、不動産などあらゆる債務者の財産が強制執行の対象になります。給料も強制執行の対象になるので、差し押さえが起こると、手取り額の4分の1程度の金額が毎月差し押さえられてしまいます。
このような状態になってしまったら、もはや普通に生活をしていくことすら難しくなってしまいます。
借金を返済出来ずに放置すると、大変な状態になってしまうので、支払いができなくなったときに放置してはいけません。
借金返済ができなくなったとき、放置していると大変なことになるとは言っても、具体的にどのように対処すれば良いのかが問題になります。
そこで、以下では、返済が苦しくなった場合の対処方法をご紹介します。
借金にはいくつかの種類があります。消費者金融やカード・クレジットのローン、住宅ローン、マイカーローンなどです。
これらについて、共通してまずしなければならないのが、滞納前に事前に債権者に連絡を入れることです。事前に連絡をすれば、担当者と協議をして、その後の対応を相談することができます。
たとえば、消費者金融やカード、クレジットローンなどの場合、事前に連絡を入れて相談をすると、返済を待ってくれることがあります。30日くらいまで待ってもらえることが一般的なので、その間に早めに返済する必要があります。
債権者に連絡を入れたら、まず支払いが遅れることと支払い意思があること、いつまでに支払いができるのかを連絡しましょう。そして、入金方法を聞いて、指示に従って入金します。
振込入金が必要なケースもありますし、登録している口座から自動で引き落とされるケースもあります。
住宅ローンなどの場合でも、基本的な対処方法は同じです。滞納する場合には事前に住宅ローン債権者に連絡を入れます。
住宅ローンの場合、滞納金額が3ヶ月~6ヶ月分にならなければ、期限の利益を喪失しないので、そうならないように支払いを継続してほしいと言われるケースなどがあります。
車のローンの場合も基本的に同じで、担当者に連絡をしたら、できるだけ遅延分を早く支払うように言われます。
ただ、住宅ローンや車のローンの場合、滞納期間が長くなって滞納金額が多くなると、住宅を競売にかけられたり、車を回収されてしまったりするので、注意が必要です。
競売の申立や車の回収は、ある日突然行われるものではありません。借金を滞納してしばらくしたら相手から警告通知が届きますので、その時点できちんと遅延分を返済すれば、家や車がなくなることはありません。
家や車を守りたい場合には、住宅ローンや車のローンを滞納しないようにして、滞納したら、早めに遅延状態を解消する必要があります。
違法な取り立てにあった場合の対処借金やローンを返済出来ないとき、債権者から支払の督促を受けることになりますが、この場合の取り立て方法には法律による制限があります。
消費者金融やクレジットカード会社などの貸金業者は、貸金業法という法律に従う義務があります。貸金業法は、債権者による取り立て方法について規制しています。
具体的には、
- 債権者が債務者に深夜や早朝の時間帯に電話すること
- 頻繁に(1日に何度も)電話し続けること
- 理由なく勤務先に連絡して取り立てをすること
- 家族や親族などの義務のない者に対して借金の返済を求めること
- 訪問による取り立てを行った際に債務者が「帰ってほしい」と言ったのに、それを聞かずに居座ること
- 弁護士や司法書士が介入した後に債務者に直接取り立てをすること
などが禁止されます(貸金業法21条1項各号)。
これらの禁止規定に違反した取り立てを行った場合、その貸金業者は、金融庁から行政罰を受けます。たとえば、業務停止になったり、酷い場合には貸金業登録を剥奪されたりするおそれもあります。
貸金業法には罰則もあるので、取り立て規制に違反して取り立てをした場合には、罰金刑などの刑事罰を科される可能性もあります。
そこで、貸金業者による違法な取り立てがあったら、所轄の監督官庁に申立をしましょう。警察にも相談してみると良いでしょう。
なにより、相手業者に対して、「御社の取り立て方法は違法なので、即刻おやめください。続くようであれば、監督官庁に事実報告をした上で刑事告訴を検討します」などと記載した警告書を送ると良いでしょう。そうすると、違法な取り立てが止むことが多いです。
借金の支払いが苦しい場合、多少とも返済を待ってもらったら返済ができるなら、事前に債権者に連絡をして返済を待ってもらったら良いですが、そのような手段をとっても返済が不可能なケースがあります。
このように、どうしても返済ができない場合には、債務整理手続によって解決する必要があります。債務整理とは、借金を整理するための法的な方法のことであり、任意整理、特定調停、個人再生、自己破産の4種類の手続があります。
これらのうち、ケースに応じた適切な手続を選択してすすめたら、たいていの借金問題は解決出来ます。たとえば、多少とも支払いが出来る状況であれば任意整理によって借金返済方法を調整して支払いができるようになりますし、借金額が大きい場合には、個人再生によって借金返済額を大きく減らしてもらうことによって返済出来るようになります。
返済が完全にできないなら、自己破産によって借金を0にしてもらったら問題が解決できます。
借金問題は、解決する方法が必ずあるので、苦しくても諦めないことが大切です。自分で対処方法がわからない場合には、弁護士に相談に行くと良いでしょう。
今回は、借金返済ができなくなった場合の対処方法を解説しました。借金返済を滞納して放置していると、債権者から督促が来て、一括請求が行われ、裁判をされて差押が起こるので、生活にも大きな支障が出ます。そのようなことにならないように、延滞するときには早めに事前に債権者に連絡を入れて相談しましょう。どうしても返済出来ない場合には、債務整理によって解決することができます。今回の記事を参考にして、賢く借金問題を乗り切りましょう。
借金・ローンが払えないを得意としている弁護士
藤田 聖典 弁護士 岐阜県
多治見さかえ法律事務所金川 晋也 弁護士 東京都
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