借用証書の添付書類

Legalus編集部さん 2014年01月07日

 友人からお金を貸してもらうことになりましたが、印鑑証明、住民票、それに戸籍抄本まで求められました。
 「借用証書と印鑑証明、住民票だけでは、法的に効力がないから」と言うのですが、私としては戸籍まで知られたくありません。どうしても添付しなければならないのですか。

(30代:女性)

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Legalus編集部

     お金の貸し借りは、民法上は「金銭消費貸借契約」と呼ばれます。
     一般に、消費貸借契約は、貸す方が「あるもの」を渡し、借りる方が種類、品質が同じものを、同じ数量だけ返すことを約束して成立します(民法587条。金銭消費貸借契約では「あるもの」が金銭であるだけです)。
     したがって、借用証書がなくても契約は成立します。借用証書は金銭の貸し借りがあったことを明らかにするための証拠にすぎません。

     「住所」は、第一義的には、借主を特定するためのものです。同姓同名の人は世間にいくらでもいるからです。住民票や印鑑証明書をつけるのは、記載された住所、押捺された印鑑に間違い・偽りがないこと、すなわち、お金を受け取り、返すことを約束した本人が、証書に正しく住所を書き、押捺したことを補強するためのものです。
     住民票や戸籍関係の書類は、借主が行方知れずになったときの探す手がかり、便宜にはなるかもしれませんが、それらの有無によって契約の効力が左右されるわけではありません。貸主とすれば、いくら書類を揃えさせようとも、逃げられてしまえばそれまでです。たとえ居所がわかっても、返済能力のない場合はどうしようもありません。その意味では、保証人を立ててもらったほうがよほど実効的です。ただ、それらの書類は、精神的に圧迫感を与えて返済を確実にする効果はあります。あなたがお金を借りようとしている人も、その辺を感じているのかもしれませんね。

     結論としては、戸籍抄本がなくても借用証書は有効である以上、貸主はそれを理由に添付を要求することはできません。戸籍はきわめて私的な情報であり、みだりに人に知られたくないという主張は妥当性のあるものです。また、印鑑証明書についても、不用意に渡すと、相手によっては実印の偽造に利用される可能性がないともいえません。

     お金を貸す方の立場が強く、借りる方が弱いのが世の常ですが、法律上は一個の「契約」にすぎません。借主としては、他の方法で確実に返済することを信用してもらうようにすれば、充分なのではないでしょうか。

2014年01月07日

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