2年半前の電子オルガンの修理代金を払いたくない

Legalus編集部さん 2014年10月21日

 2年半前に電子オルガンを修理し、費用が42000円発生しましたが修理会社より一切請求がなく支払いできませんでした。先日、急にその会社から請求が来ましたが時効はありますか?お詫びもない状況で払いたくありません。



(30代:男性)

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Legalus編集部

     債権は、10年間行使しないときは、消滅します(民法167条)。もっとも、10年より短い期間で時効の完成が認められる場合が多々あります(これを「短期消滅時効」といいます。)。



     例えば、いわゆる飲み屋のツケは1年間で消滅時効にかかります(民法174条4号参照)。



     では、今回の電子オルガンの修理代は短期消滅時効にかかる債権でしょうか。



     ここで、民法173条2号には「自己の技能を用い、注文を受けて、物を制作し又は自己の仕事場で他人のために仕事をすることを業とする者の仕事に関する債権」は、2年間で消滅すると規定されています。



     そして、この民法173条2号は、「居職人」の仕事で得た債権を想定しています。

     「居職人」とは、自分の仕事場で他人のために仕事をする仕立屋、理髪屋、洗濯屋、靴屋、建具屋等のいわゆる手職で生計を立てる職人のことをいい、相当高度の技術を駆使し、相当の経営規模を有する者は含まないと解されています(福岡高裁昭和39年3月10日、後述の最高裁昭和40年7月15日判決の原審)。

     現代では、家電の修理も「居職人」の仕事にあたると考えられます。



     電子オルガンの修理会社は、客から注文を受け、自己の技能を用いて修理をする者なので、これにあたると考えられます。



     なぜなら、電子オルガンは、見た目はピアノに近い楽器ですが、その中身は機械から成り立っており家電に近いといえます。

     そして、その修理にはピアノと異なり専門的な知識は必要とは言えず、部品の交換などの処置で済んでしまうことがほとんどであると考えられます。



     したがって、電子オルガンの修理も家電の修理と同様、「居職人」の仕事といえ、その債権は2年で消滅時効(民法173条2号)にかかると考えられます。

     今回は、2年半前に修理をされたということですので、相談者において時効による本件債権の消滅を主張されることによって、修理代金を支払わなくてもよくなる可能性があります。

2014年10月21日

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