彼女から借りたお金の時効について

User image 1 匿名ユーザーさん 2015年11月21日 03時12分

 彼女からの借金の時効ってありますか?借用書はありません。



(40代:男性)

匿名弁護士

 個人間で金銭の貸し借りを行った場合、法律上の契約類型としては金銭消費貸借契約となります(民法587条)。要物不要式契約と言って、契約当事者が合意し、貸すお金さえ相手方に渡せば借用書がなくても成立します。

 そのため、ご相談者様は「借用書がない」としていますが、貸し借りを合意しているのならば契約が成立することになります。ただし、債権者としては、返済する約束があったことを証明しなければなりません。



 ご相談者様がご指摘される「時効」とは、法的に言えば「消滅時効」と言うものです。これは、一定期間権利行使を行わない場合、権利を消滅させる制度です。

 背景には、長期間経過すると、権利が成立した当時の詳しい状況を確認できず、「本当にそうした権利が存在するのか」がわからなくなってしまう、あるいは「権利の上にあぐらをかく者は、その権利を行使しない場合は剥奪されてもやむを得ない」といった考え方があるためです。



 消滅時効は権利の種類によって様々な期間が定められているので注意が必要です。個人間での消費貸借契約における債権の消滅時効については、基本的に10年(民法167条)とされています。



 ご相談内容からは、「いつまでに返す」という約束があったかどうかが不明です。実は、個人間の消費貸借契約における債権の消滅時効を考える場合、この点がやっかいです。



 通常、友人同士の金銭の貸し借りの場合、いわゆる「あるとき払い」が一般的ではないかと思います(以下ではこの前提でご回答さし上げます)。このような返済期限を定めない消費貸借契約の場合、法律の条文上は、金銭を貸してから、相当期間が経過したのちに、「返してくれ」と催告をしたその時点から消滅時効の期間が進行するとされます(民法591条1項)。



 しかし、判例では金銭消費貸借契約が成立した時から消滅時効の期間が進行するとされます(大判昭和5年6月4日)。つまり、法律の条文と実際が一致していない部分となります。

 このような運用がなされているのは、催告をいつ、どのように行ったかを確定させるのが困難であり、であれば、わかりやすい債権成立時を起算日とするためです。

 したがって、基本的にはお金を借りた日から10年間経過したときが消滅時効の成立時となるものとお考えください。



 注意点としては、裁判上や裁判外で支払いの催告を受けたり、債務を一部弁済したり、支払い猶予の申し入れなどを行った場合は、時効の中断が生じ(民法147条149条〜156条参照)、期間の計算は振り出しに戻ってしまうことです。

 まずは、中断が生じていないかを確認する必要があると考えます。

 いざ時効が成立したら内容証明郵便などを活用して時効が成立した旨を相手方に伝える必要があります(時効の援用)。



 このように、個人間の金銭消費貸借契約では、時効の完成まで10年という長期間を要し、中断事由も多くあるため、時効が完成することに過度な期待はしないほうがよいと思います。

 むしろ、交際関係があるなら、支払い可能な金額での分割払いをお願いするなどしてきちんと返済されるのがよいのではないかと考えます。

2015年11月21日 03時12分

投稿時の情報です。適法性については自身で確認のうえ、ご活用ください。

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