内縁の妻が夫の財布を盗んでも罪にならない?
[投稿日] 2014年05月30日 [最終更新日] 2016年10月28日
同棲・内縁・事実婚を得意としている弁護士
野々垣 吉曜 弁護士 京都府
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小原・古川法律特許事務所更新時の情報をもとに執筆しています。適法性については自身で確認のうえ、ご活用ください。
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渡邉 祐介 弁護士 東京都
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Bさんの内縁の妻であるAさんは、Bさんの不在中にBさんの財布を盗みました。
Aさんは、裁判において親族間で窃盗を犯しても刑が免除される(刑法244条1項)のだから、内縁とはいえ妻である自分も刑が免除されるはずだと主張しました。
Aさんのこの主張は認められるでしょうか。
確かに、刑法244条1項は「配偶者、直系血族又は同居の親族との間で第235条の罪(窃盗罪)、第235条の2の罪(不動産略取罪)又はこれらの罪の未遂罪を犯した者は、その刑を免除する。」としています(括弧は筆者。)。
ですが、同様のことが争われた裁判において判例は、「本条1項は、刑の必要的減免を定めるものであり、免除を受けるものの範囲を明確に定める必要があることなどからすると、同項が内縁の配偶者に適用又は類推適用されることはない。」としました。
つまり判例は、親族間窃盗の刑の免除は、法律上妻であるなど親族関係が明確でなければならず、内縁の妻というだけでは適用されないと判断したのです。
ですので、本問でもAさんの主張(刑の免除)は認められません。