夫に連れ去られた子供を取り返すには?

User image 1 匿名ユーザーさん 2014年01月07日 04時09分

 私が寝ている間に、旦那が生後5ヶ月の息子を連れて実家に帰りました。すぐに連れ帰りに行ったものの取り合ってもらえず、義母が息子を連れ去ってしまいました。「10日間は預からせてもらう。承諾しなければ2度と子供は返さない」と言われてしぶしぶ承諾しましたが、結局、子供の所在も教えてもらえず、顔を見ることもできませんでした。もし10日後に返してもらえなかった場合、私が子供を取り返す方法はありますか?

(20代:女性)

匿名弁護士

     相談文には「旦那」とありますが、事件の経緯等から、(1)離婚した、あるいは近々離婚すること、(2)親権はあなたにあり、「旦那」にはないことを前提とさせて頂きます。

     奪われた子を取り戻す方法には、大きく2つの方法があります。
    一つ目は『家事審判法による方法』(家審9条1項乙類4号)です。この方法による場合、離婚手続と併行して子の引渡しを要求できますが、家事事件であるため、まずは調停を行わなければならない点で迅速性に欠けます(家審18条1項)。また、審判前保全処分家審15条の3)として子の引渡を要求することもできますが、相手が自発的に引渡さない限り強制的に連れて来ることができない点で確実性・実行性に欠けます。

     奪われた子を取り戻す場合、その状態が既成事実化する前に、迅速かつ確実に子供の引渡しを受けることが大切です。そのため、奪われた子を取り戻す方法として、『家事審判法による方法』では十分な満足を得ることはできません。そこで、『人身保護法による方法』を採ることが多くあります。では、人身保護法とはどのような法律なのでしょうか?
     人身保護法とは、「現に不当に奪われている人身の自由を、司法裁判によって迅速かつ、容易に回復させること」を目的とする法律です(人身保護法1条)。これに基づく引渡請求は、誰でも、誰に対しても行えます(同法2条)。さらに、これによる請求が裁判所に受理された場合、受訴裁判所は優先的かつ速やかに裁判をする義務を負い(同法6条)、その判決に従わない場合、相手方には2年以下の懲役または5万円以下の罰金が科されます(同法26条)。つまり、この方法による場合、裁判手続は迅速に行われ、引渡判決の確実性・実行性も刑罰によって担保されることになります。
     人身保護法に基づく子の引渡請求の審理対象は「監護・拘束が権限なしにされていることが顕著」(同法規則4条)であるか否かです。したがって、相手が親権などの権限を有している場合には、同請求は認められない可能性もあります。もっとも、子の処遇に関する判断は、子の福祉(その子の幸福)の観点から下されるのが現在の裁判実務の考え方です。そのため、たとえ相手に権限があるとしても、拘束者による子の監護が明らかにその子の福祉に反する場合には、同請求は認められます(最判H5.10.19)。なお、「明らかに子の福祉に反する場合」として、判例において、「父親の子への処遇が親権行使として容認できないような場合」と「父親に対して子の引渡を命じる処分が下されているにも関わらず従わない場合」の2つが確認されていますが(最判H6.7.8)、この2つの場合に限定されるという趣旨ではないと考えられます。

     以上、あなたが子供を取り戻すためには、人身保護法に基づく子の引渡請求を行うことが上策だと思われます。ただし、仮にまだ離婚していない場合には、離婚手続を速やかに行い、子供の親権を確保するべきでしょう。なお、離婚手続を行う場合において、判例では母親による養育が子の福祉に適うと判断する傾向が強いということを付言しておきます(最判S43.7.4、同S46.12.21、同S53.6.29他多数)。

2014年01月07日 04時09分

投稿時の情報です。適法性については自身で確認のうえ、ご活用ください。

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