協議離婚の前に要チェック!後悔しないためのTO DOリスト
[投稿日] 2017年03月28日 [最終更新日] 2017年09月08日
離婚協議書を得意としている弁護士
渡邉 祐介 弁護士 東京都
ワールド法律会計事務所離婚は、1965年頃から急激に増加し、2006年には約26万組に達しています。その後はしばらく横ばいとなり、厚生労働省が発表する人口動態統計のデータによれば2016年の離婚件数は約21万7000組となっています。
最近では、離婚は珍しいものではなくなり、離婚経験があることを示す「バツイチ」という言葉もネガティブに捉えられることも少なくなってきたように思われます。
とはいえ、「離婚」が離婚をする当事者にとって大変な労力を使う出来事であることには間違いありません。離婚後の人生設計をしっかりするためにも、離婚にあたって、しっかり決めておく必要がある事項は何かを理解しておきましょう。
協議離婚とは離婚の方式としては、協議離婚、調停離婚、審判離婚、裁判離婚、の4種類があります。最も利用されているのは、夫婦双方の協議によって行う協議離婚で、全体の約90%を占めると言われています。
協議離婚の要件としては、離婚する意思が双方合致していること、離婚届を提出すること、が必要とされています。それ以外については、特段の定めはありません。
離婚が成立すると、身分上並びに財産上の様々な効果が生じます。
まず、(1)各当事者は再婚できるようになります(女性は前婚解消の日から一定の時期が経過する必要があります。(2)婚姻によって氏を改めた当事者は、婚姻前の氏に戻ります。(3)夫婦の一方は相手方に財産の分与を給付すること等ができるようになります(離婚給付)。
子供がいる場合には、(4)父母は子の親権者、監護者について定める必要があります。
今回は離婚給付について詳しく確認したいと思います。
離婚給付について離婚給付について話し合って取り決めておくべき内容としては、慰謝料・財産分与・養育費・年金の分割、が挙げられます。
慰謝料
慰謝料が請求できる要件は、相手方配偶者が有責行為によって離婚を招いたために、慰謝料を請求できる側に精神的苦痛を与えたことです。有責行為としては、不貞行為、暴力行為等が挙げられます。
近年では、通常の性関係を持たない(持てない)ことも慰謝料請求の原因として認められる傾向にあります。協議離婚を考えた原因としてこれらの要素がある場合には、慰謝料を請求することも検討の余地があります。
離婚慰謝料の相場ですが、裁判では婚姻関係が破綻した経緯、有責行為の態様や程度・双方の経済状態等の要素によって判断されることが多く、100万円から1,500万円と幅のある判断が示されていますが、認められた慰謝料額で一番多いのは200万円前後であり、平均でも370万円前後といわれています。
自分の離婚の原因等に近い裁判の結果を見て、請求する金額の目安をつけてみるのも宜しいかと思います。専門家に相談してみることもお勧めいたします。
財産分与
財産分与について、夫婦の一方が婚姻前から有する財産や、婚姻後に贈与や相続により得た財産については、財産分与の対象にはなりません。対象となるのは、婚姻中夫婦が協力して取得・蓄積した財産(名義にかかわらず)です。
財産分与の対象となる財産がどれかについて、話し合って明確にしておく必要があります。
不動産を購入してローンを返済中である場合については、審判例では不動産の価値からローンの残額を除いたものを財産分与の対象とされたケースもあります。
どちらが不動産を取得し、ローンの扱いをどうすべきかについても取り決めておく必要があります。
また、かわいがっているペットが居る場合にもどちらが引き取るかについては、この財産分与の話し合いの中で行うことになります。
養育費
お子さんがいる場合には、養育費についても取り決めをしておく必要があります。養育費の額の決め方については、裁判においては、最近では裁判所によって養育費の算定基準表の作成が行われ、それに基づいて養育費が決定されています。
協議離婚の話し合いの中で、夫婦間で養育費の金額に差があるような場合には、この表を協議離婚の話し合いにおいても参考資料として使うことも効果的です。裁判所のホームページで「養育費・婚姻費用算定表」という資料が公開されています。
なお、養育費については、履行させるのがなかなか難しいという問題があります。協議離婚の場合には、養育費の支払いが滞ったときは強制執行してもよいという内容の公正証書を作成していないと、裁判を経ずに強制執行をすることができませんので注意が必要です。
年金分割
離婚時の厚生年金の分割については合意分割制度、3号分割制度という制度があります。
合意分割については文字通り双方の合意が必要となります。他方3号分割については、一定の条件を満たす必要がありますが、双方の合意は不要です。
どちらの制度も離婚をした日の翌日から起算して2年以内を経過していないことが分割の要件となっていますので、事前に決めておくことが望ましいでしょう。
更新時の情報をもとに執筆しています。適法性については自身で確認のうえ、ご活用ください。
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