専業主婦も離婚して大丈夫?リスクに備えてやっておくべきこと
[投稿日] 2017年11月22日 [最終更新日] 2018年07月03日
離婚・男女を得意としている弁護士
戎 卓一 弁護士 兵庫県
戎みなとまち法律事務所離婚を考えているのですが、専業主婦が離婚をするのって無謀なのでしょうか・・・?
夫婦のうち3組に1組は離婚をしているとも言われている現代では、離婚という選択も決して珍しいものではなくなってきています。
ただ専業主婦の方の場合は特に、離婚をした後の生活や、子供の親権に不安を覚えがちです。
そこでここでは、専業主婦は離婚に関してどのようなリスクがあるのか、そのリスクに対応するにはどうすればよいのか、離婚後の生活を不安なくおくるにはどのような方法があるのかなど、専業主婦の方の離婚に関する悩みのすべてを解説していきます。
本当に離婚するべきなのか、離婚するとしたらどうしたらいいかなどを見極めるきっかけにしてください。
目次 |
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まずは、専業主婦の離婚には、どのようなリスクがあるのかを見ていきましょう。
1-1 生活費の確保
専業主婦の場合、基本的には生活費の工面は配偶者が行っています。
そのため、離婚後の生活費は大きな不安要素です。
さらに子どもを引き取ることになるとしたら、その不安は増大します。
1-2 再就職の不安
生活費の確保と密接に関係しますが、再就職に対する不安もあるかと思います。
離婚をしてすぐに、満足のいく条件の就職先が見つかるとは限りません。
専業主婦をしている期間は職歴が空いてしまうということもあります。
1-3 住居の確保
離婚をしたとして、これまでの居住していた自宅に住み続けられるとは限りません。
妻が自宅を出ていくというケースは多いもので、どこに住むかということは喫緊の課題となります。
また、住居だけでなく、生活をしていくための最低限の家具などの備品も必要となります。
1-4 親権をとれないこともある
未成年の子供がいる場合、父親か母親かのいずれか一方を親権者と定めなければなりません。
親権者は、子供の福祉にとって、父親と母親のいずれがふさわしいのかという点から決定されます。
専業主婦が離婚をする場合、その経済力を理由に、父親側が自分こそが親権者としてふさわしいと主張することがあり、これを認める裁判例もまったくないわけではありません。
1-5 働きながら子供の面倒を見る
親権をとれた場合、就職先が決まったとしても、働いている間、誰が子供の面倒を見るのかという問題があります。
保育園や児童館が充実していないこともあって、大変な問題となります。
やっぱりいろいろとリスクがあるのですね……。やめておいた方がいいのでしょうか。
リスクはありますが、実際に離婚に踏み切っている方がいないわけではありません。
どれくらいの専業主婦が離婚しているのか、データを紐解いて見てみましょう。
少々古いですが、2010年の離婚率を見てみましょう。(参考:厚生労働省 人口動態調査統計表)
離婚した女性のうち、就業者が139,645人、無職の方は87,386人となっています。
無職となっている方を専業主婦と仮定した場合、離婚が全体に占める割合はおおよそ38.5パーセントとなります。
次に、2010年時点の専業主婦の割合を見てみます。(参照:独立行政法人労働政策研究・研修機構 専業主婦世帯と共働き世帯)
共働き世帯は約1,012万世帯、専業主婦世帯は約797万世帯だったので、専業主婦世帯は約44%だったことになります。
こう見ると、専業主婦の割合と離婚している専業主婦の割合には5.5ポイントほどしか違いがありません。
必ずしも「専業主婦だから離婚をしていない」というわけではないのです。
でも、離婚の話を切り出したら、別居になるのではないでしょうか。
今は収入がないので、別居が長引くと経済的に厳しいです……。
その場合は、夫に対して婚姻費用を請求することを検討しましょう。
3-1 婚姻費用とは
夫婦は、お互いに相手方を扶養する義務を負っています。
その結果、夫婦は、その資産、収入、その他一切の事情を考慮して、婚姻から生じる費用を分担することとされています(民法760条)。
この費用のことを婚姻費用と言います。
「婚姻から生じる費用」と書くとちょっと堅いですが、つまり「夫婦や家族が生活していくうえで当然に発生する費用」ということです。
食費や住居費(家賃、住宅ローンの支払い)、子供の養育費、教育費などをいいます。
この婚姻費用は、離婚をしていない限り発生します。
夫婦が別居をしていても、それは変わりません。
もし不貞行為などをしたうえで別居したとしても、通常は婚姻費用の請求は認められるとされています。
別居をした場合には、なにはともあれ、相手方に対して婚姻費用の分担請求をすることです。
3-2 婚姻費用の算出方法
原則としては、婚姻費用をどのように分担するかは、夫婦の話し合いで決めます。
しかし、夫婦間で具体的な金額を決めることは難しいようです。
お互いに納得して別居しているわけではないケースが多いからです。
そこで現在では、東京と大阪の裁判官が共同研究の結果作成した「養育費・婚姻費用算定表」によって算定されることがほとんどです。
婚姻費用については、表10からです。
(前半は養育費についての表になっています。養育費について話し合うときはそちらを参考にしてください。)
縦軸が支払う側、横軸が受け取る側です。
専業主婦が受け取る側なので、縦軸は夫、横軸はあなたの年収となります。
この場合の「年収」は、次のように算出します。
・給与所得者の場合:源泉徴収票の「支払金額」記載の額
・自営業者の場合:確定申告書の「課税される所得金額」に基礎控除額や青色申告控除額を加算した金額
次に横軸の妻側の年収を求めます。もっとも、専業主婦の場合年収は0となるはずです。
しかし、働こうとすれば働けるにもかかわらず働いていない場合には、「賃金構造基本統計調査」(厚生労働省の出している年齢や性別などによる収入平均値統計)を参考にして算出した年収を当てはめることになります。
もっとも、算定表で出された婚姻費用には幅がありますし、個々の事情に応じて別途決めることも可能です。
ただし調停や裁判では、算定表から大きく離れた婚姻費用が認められることは少ないです。
3-3 婚姻費用の請求方法
原則として婚姻費用の分担額は夫婦の話し合いで決めることになります。
しかし、話し合いがまとまらない場合もあります。
このような場合、支払いについて内容証明郵便で督促するのが、まず採るべき手段でしょう。
次に、何の返答もなかった場合や、返答があっても納得のいく返答でなかったような場合には、家庭裁判所に婚姻費用分担の調停申立をすることになります。
この場合、多くの婚姻費用を受け取るためには、弁護士に依頼をしたほうがスムーズに進みます。
離婚後の生活設計のためにも、相手方から受け取ることのできる金銭などは非常に重要なものとなります。
もらえるものはきっちりと、しかもできるだけ多くの金額を受け取ることができるようにしましょう。
4-1 財産分与・年金分割
離婚をした場合、相手方に対して財産の分与を請求することができます(民法768条1項・民法771条)。
夫婦生活の中で蓄積された財産は、『夫婦の協力によって築き上げられた財産』(共有財産)となります。
これは、夫婦で収入に違いがあっても同じで、妻が専業主婦であっても同様です。
また、不動産や預貯金がどちらか一方の名義だったとしても、夫婦の共有財産であれば、名義とは関係なく分与することになります。
分与の対象は「あらゆる財産」で、現金、預貯金、株券、債権などすべてです。
借金も分与の対象注意をすべき点は、借金(不動産取得ローンなど)も財産分与の対象となるということです。
ただし、あくまで夫婦の共同生活を維持するためのもののみです。
例えば夫が個人的趣味のギャンブルのために借金をしたような場合、財産分与の対象となることはありません。
さて財産を分ける割合ですが、これは「半分ずつ」となります。
専業主婦は直接お金を稼いでいるわけではありません。そのため、夫がそう主張して分与を渋ることもしばしばあります。
しかし、夫婦生活はあくまで2人で営むものです。そのため原則として、専業主婦であっても半々で分与することになります。(ただし財産の内容によっては、寄与率が考慮されるケースはあります。)
ただし、半分を超えて財産分与を受け取ることのできる場合もあります。
財産分与には「離婚後扶養」という性質もあるとされています。
これは、一方が離婚後の生活に困窮し、相手方が扶養をする能力があるときに認められるものです。
具体的には、専業主婦であったために就職に向けた職業訓練が必要であるとか、未成熟子を監護する必要があるとか、高齢・病気であるなど、明らかに自活が難しい場合に必要となります。
裁判例でも、妻が子を養育しながらデザイナーになる通信教育を受けているというケースで、「妻が自活能力を得るまでの期間の生活保障は、夫は、当然負担して然るべき」としています。
このケースでは、夫の月収の3割を3年間支払うべきとされました。
財産分与として、今では年金分割が認められています。
これは、夫婦のいずれかが厚生年金もしくは共済年金に加入している場合、離婚に際して、それぞれの年金記録を分け合って年金を受給できるという制度です。
※国民年金については分割することができません。夫が自営業者である場合には年金分割ができないことに注意をしてください。
年金分割には2種類ありますが、専業主婦の場合は被扶養者となっているため、合意を必要とせずに2分の1分割とする「3号分割」を受けられます。
詳しくは、弁護士や年金事務所に相談するとよいでしょう。
4-2 慰謝料
離婚の際に、慰謝料を請求できることがあります。
これは必ず発生するわけではなく、離婚に際して、相手方に不貞行為やDVなどの不法行為があった場合に請求できるものです。
民法は、相手方の不法行為で精神的損害を被った場合、その賠償を求めることができるとしています(民法710条)。
これが慰謝料といわれるもので、精神的苦痛を慰謝するものです。
不法行為の程度や夫の収入・社会的地位によって金額には相違がありますが、日本では概ね100万円から200万円程度の慰謝料となることが多いようです。
なお、前段の財産分与は慰謝料としての性質を含むことがあります。そのため、財産分与で十分に慰謝料としての金額を受け取っている場合、慰謝料請求はできません。
【「解決金」という名目の金銭には注意】離婚に際して「解決金」という名目でお金が支払われることがよくありますが、これは財産分与と慰謝料の双方を含まれていると解されています。
財産分与および慰謝料として十分な額であるかどうかを検討した上で応じなければ、これですべて解決したとされることがありますので注意が必要です。
4-3 養育費
未成熟子がいる場合、親権者は非親権者から養育費を支払ってもらえます。
この養育費の金額については、婚姻費用の説明でご案内した「養育費・婚姻費用算定表」によって算定されることがほとんどです。
しかし、この表は現実に即していないという批判もあるように、低額であると言わざるを得ません。
納得がいかなければ交渉することをお勧めします。
また、子どもを育てていくうえでは、教育費や医療費などで、当初想定していなかったお金が発生することがあります。
そうした場合の養育費はどうするかなどについて、予め話し合っておくことをお勧めします。
どのように決めておくべきかについては、離婚を得意としている弁護士に相談をしたほうがよいでしょう。
第5章 専業主婦と親権離婚をするとしても、絶対に子供を引き取りたいです。でも、ダンナは「収入がある俺が引き取ることになる」と言っています。
本当でしょうか?
ケースによるので絶対ということはありませんが、専業主婦のほうが親権を獲得しやすい可能性があります。
5-1 離婚時は親権者を決める必要がある
未成年の子供がいる場合は、離婚に際して親権者を決めなければなりません。
離婚自体には合意があっても、子供の奪い合いで大きな争いとなることも多くあります。
5-2 親権者はどのように決まるのか
話し合いで決められない場合は、調停や裁判で親権者を決めることになります。
では、どのような事実を考慮して親権者が決定されるのでしょうか?
親権者は、子供の福祉(社会的・経済的・人間としての成長)にとって、いずれの親がふさわしいかという観点から決定されます。
具体的には次のような内容です。
・監護能力の有無や程度
・経済的能力
・居住教育環境
・婚姻中の監護状況
・愛情の程度
・子供の年齢や発達状態
・親との結びつき
・子供の意思
など
さらに重要なのが次の4つの原則です。
- 現状の変更はできるだけ避けるという「継続性の原則」
- 乳幼児は母親が望ましいという「母親優先の原則」
- より監護をしてきた者が親権者となるとする「主たる監護者優先の原則」
- 一定年齢以上の子供の意思は尊重すべきであるとする「意思尊重の原則」
さらに最近では「フレンドリーペアレントルール」という考え方もあります。
これは、親権者となろうとする者が非親権者と子供の面会交流に積極的であるか、非親権者の悪口を言わないかなどを基準にして親権者を決定しようとするものです。
ただし、まだそれほど重要視されていないとも言われます。
さて上記に照らすと、専業主婦は親権の獲得に有利な要素が揃っています。
子供が乳幼児であれば「母親優先の原則」が妥当しますし、専業主婦であれば子供の養育を多く担ってきたといえますから「主たる監護者優先の原則」も該当するはずです。
ただし、「継続性の原則」がありますので、別居をする際は子供を連れているほうが有利になります。
とはいえ、離婚後に経済的な不安があるのは確かです。
財産分与や養育費などをしっかりと話し合っておくことは必要になるでしょう。
国や地方公共団体は、シングルマザー(一人親)に対して、様々な助成をしています。
積極的に活用しましょう。
児童手当は、シングルマザーに限定された助成ではありませんが、0歳から中学校卒業までの児童を養育している人に支給されます。
平成29年現在では、0歳から3歳未満の子について1万5000円、3歳から小学校修了前の子について、第1子・第2子に1万円、第3子以降に1万5000円、中学生について1万円となっており、所得制限世帯でも5000円が支給されます。
しっかりと受給するようにしましょう。
児童扶養手当一人で子供を育てていかなければならない家庭を対象に、地方自治体から支給されます。
また条件を満たせば、児童手当との併給も可能です。さらに、児童手当と異なって、18歳に達する日以降の最初の3月31日までの児童に支給されます。
この手当には、所得制限があるので、注意しましょう。
児童育成手当これも主に一人親の家庭に支給される手当ですが、国からの助成ではなく、自治体で設けられている制度です。
ですから、お住まいの自治体にそのような制度があるのかを確認してください。
なお、東京都の場合、児童一人について月1万3,500円の手当が支給されます。
一人親に限った制度ではありませんが、精神または身体に障害を有する児童を養育している場合に支給される手当です。
1級で5万1450円、2級で3万4270円が支給されます。
ただし所得制限があるので注意をしてください。
各地方自治体が行っているもので、一人親の家庭を対象に、住宅手当の支給や家賃補助を行っています。
自治体によって支給額や支給条件が異なりますので、お住まいの自治体に確認をしてください。
一人親の家庭を対象に、18歳未満の子供の医療費が無料となる、負担額が軽減されるというものです。
これも各地方自治体が行っているものですが、現在ではほとんどの自治体が設けています。
詳細はお住まいの自治体に確認をしてください。
これは、一人親に限定されるものではありません。
国の補助に各自治体が上乗せをして助成をしていますが、自治体によって支給条件や支給額が異なりますので、お住まいの自治体に確認をしてください。
シングルマザーには、いくつか優遇措置があります。
こちらも活用して、経済的な負担を軽減しましょう。
母子家庭の場合、所得控除がなされることがあります。
離婚後単身で生活をしていて、子供がいてその子供の所得が38万円以下の場合には、所得税27万円、住民税26万円が控除額となります。
また、その場合に母親の所得が500万円以下である場合には「特定の寡婦」として、所得税35万円、住民税30万円が控除額となります。
母子家庭となった場合、交通機関の割引制度があり、児童扶養手当の支給を受けている世帯では、JRの通勤定期乗車券が3割引となります。
また、地方自治体運営のバスについても、料金が割引されることがあります。
利用する交通機関にそのような制度があるのかを確認してみましょう。
上下水道の利用料金は、児童扶養手当の支給を受けている世帯を対象として、水道基本料金などの料金が免除される制度があることがあります。
各自治体によって異なるので、自治体に確認をしましょう。
自治体によっては、保育料の免除や減額の制度を設けているところもあります。
これも自治体に確認してみましょう。
離婚後の生活を支えるために、就職をしようと考えている方が多い事と思います。
シングルマザー向けに就業支援制度がいくつかあるので、活用してみてはいかがでしょうか。
ハローワークは、厚生労働省が無料で行っている就職支援・職業紹介等のための施設です。
このハローワークには、『マザーズハローワーク』というものがあります。
マザーズハローワークであれば、シングルマザーに理解のある企業からの採用情報がメインとして公開されています。
キッズスペースや授乳室の設備を整えているところがほとんどなので気兼ねなく訪問できます。
また、専任予約制度を設けているところもあります。専任の担当者が最後まで対応してくれて、しかも予約制ですから、長い待ち時間がないという点も魅力です。
母子家庭や寡婦を対象として、就職相談、就業支援講習会、就業情報提供が行われています。弁護士による特別相談も実施しています。
自立支援教育訓練給付金講座の修了後に受講費用の2割を最大で10万円まで支給される、国が都道府県や指定都市と共に実施している給付金制度です。
雇用保険に加入していない児童扶養手当受給者や同等の所得水準にある一人親を対象として、指定教育講座を受講することによって、その能力開発を目指すものです。
児童扶養手当受給者または同等の所得水準にある一人親を対象として、指定の資格(看護師・介護福祉士・保育士など)を取得するために2年以上養成学校に通学する場合に、養成期間の生活の負担を軽減し、月額10万円(住民税課税世帯では7万5000円)の助成を受けることができ、支援修了に際しての一時金もあります。
母子自立支援プログラム策定等事業児童扶養手当の受給者を対象として、母子自立支援プログラム策定者が母子自立支援員やハローワークと提携して、個々のケースに応じた就職支援を行っています。
自治体の就業支援自治体によっては、パソコン実務講座、簿記講座などの就業支援講習会を実施しているところがあります。
自治体に問合せをしてみてください。
離婚の前に、あらかじめ準備しておいたほうがよいことはありますか?
そうですね。あらかじめやっておくべきことはいくつかあります。
十分な準備をしておいて、リスクを回避・軽減しましょう。
離婚の前にしっかり準備をして、困ることがないようにしておきましょう。
9-1 離婚に必要な費用を確認する
専業主婦が離婚をためらう最大の理由は、経済的な不安があることです。
この不安を解消するためには、まず、別居や離婚に際して、どのような費用がかかってくるのかという支出面をしっかりと把握し、確認をすることです。
別居を考えている場合には別居のための費用がかかります。
住居を借りるにしても頭金や敷金などがかかりますし、引っ越し費用もかかります。また最低限度の生活用品をそろえる必要があるので、家具の購入代金もかかってきます。
他にも賃貸料、飲食費、光熱費もかかってきますし、子供がいればその養育費も必要となります。
これらにどの程度の費用が必要かを試算しておきましょう。
さらに離婚調停・離婚裁判となったらそのための費用もかかりますし、弁護士に依頼をするのであればその費用も必要になります。
9-2 離婚後の経済的変化をイメージする
専業主婦の場合は特に、離婚後の生活は大きく変化します。
これまでと同様の生活レベルを維持できない可能性が大きいことを覚悟しておかなければなりません。
自分や子供にとって必要な支出を見直しておきましょう。
9-3 収入・就職先・住居の確保
先述のように、就職に当たってさまざまな助成を受けられますが、必ずしもスムーズにいくとは限りません。
あらかじめ技術を習得しておいたり、就職先を検討したりしておくとよいでしょう。
また現在の住居にそのまま住み続けられるのか、出ていくとしたらどこに住むのか…。
離婚後の住居はどうするのかも重要なポイントです。
実家に身を寄せることが可能であれば、それもよいでしょう。子どもを預けられる人がいると、就職活動でも有利に働きます。
そうもいかない場合は、事前に自分に合った物件を探しておくことも重要です。
9-5 親権・子育ての問題
専業主婦は、経済的な不安を除けば親権を獲得しやすいと言えます。
ただし、子供を置いての別居は圧倒的に不利となります。
裁判例では、子供を置いていく母親には子供を任せることはできない、現状が父親に養育されている場合にはその現状を尊重して現状を変更すべきではないとされて、親権者とされないことが多いように思われます。
子供がいて別居を検討している場合には、別居に際して必ず子供を連れていくようにしましょう。
また、再就職先が決まりそうな場合には、住居と職場とができるだけ近い方がよいでしょう。
子育てと仕事の両立がしやすい状況であることは、親権者を決定する重要な要素ともなります。
さらに、働き始めたとしても、子供がまだ小さい場合には、子供の面倒を誰が見るのかという大問題に直面します。
これも親権者の決定にとって重要な要素となります。
現実には、実家で面倒を見てもらう、保育園に預けるというのがほとんどです。
実家に預けるのであれば、その近所に住居を確保することがよいでしょう。また、保育園に預けるのであれば、預かってもらえる保育園の近所を住居とすることになるでしょう。
離婚に際しては、必ず弁護士への相談が必要というわけではありません。
しかし、相手方と争いになった場合は、弁護士への依頼を検討しましょう。
離婚にあたってどのような準備や証拠集めをするべきか、状況に応じて細かく相談できます。
また特に財産分与、養育費、慰謝料など金銭が絡む場合は、弁護士に依頼して少しでも多くの金額を請求できるようにするべきです。
ただ、弁護士に依頼するには費用が必要になります。
依頼を検討するのであれば、離婚問題を取り扱っている最寄りの弁護士を探して、金額も含めて相談してみるとよいでしょう。
相談料が必要になることもありますが、初回相談は無料というケースもあるので、それも事前に確認しておきましょう。
更新時の情報をもとに執筆しています。適法性については自身で確認のうえ、ご活用ください。
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