婚約を破棄した場合、慰謝料請求はされるでしょうか?

User image 1 匿名ユーザーさん 2016年08月09日 21時44分

 会社にも退職届け出して、結婚に向けて準備をしていましたが、私とのゴタゴタで相手の男性が精神的にまいったようでリストカットをしていました。

 私は「リストカットする人とは未来を築けません」と、きっぱりお断りしましたが、相手が慰謝料など請求しても、払わなくて大丈夫ですよね。

 ゴタゴタした時のリストカットをした経緯のラインは証拠として残しています。



(30代:女性)

匿名弁護士

     まずはじめに、婚約を破棄した場合に相手方から慰謝料請求をされるケースはありえます。実際の裁判では、不法行為に基づく損害賠償請求(民法709条)、あるいは婚約を一種の契約ととらえ、その契約を正当な理由なく破棄したため、債務不履行責任の追及として損害賠償請求を行う(民法415条)という法的構成が一般的と言えます(実際の裁判例として最判昭和38年12月20日など)。



     上記のような請求がされるか、また、認められるかは次のようなポイントが挙げられます。




    1. 婚約が成立しているといえる状況かどうか

    2. 婚約の成立を前提として、正当な理由なく婚約を破棄したと判断できるか

    3. 婚約破棄によって損害が生じているか(損害賠償請求は受けた損害を回復させる、いわば原状回復的になされるものであるため、損害が発生していることがポイントになります)



     今回のケースで言えば、ご相談者様は結婚に向けて退職をしているなど準備を進めていることから婚約が(法的に)成立していると判断されると思われます。相手方も婚約に向けて、通常であれば新居の手配や式の準備などの費用が生じるでしょうし、破棄されたことにおる精神的損害があるため慰謝料を請求しえる状況だと思われます。

     したがって、前述のポイント(1)と(3)は満たされると思われます。



     問題なのは、相手方がリストカットしたことが「正当な理由」と言えるかどうか。正当な理由と判断されれば、相手方からの慰謝料請求は否定されます。

     反対に「正当な理由ではない(ため、ご相談者様に婚約破棄の責任がある)」と判断されれば、慰謝料請求が肯定されます。



     正当な理由として認められるものとしては、例えば、不貞行為(要は浮気)があったり、相手から虐待を受けるなどした場合が挙げられます。

     正直に申しあげまして、今回のご相談内容は(仮に訴訟に発展した場合)微妙なラインにある事案と言えます。



     相手が精神的な疾患にかかり、男性能力が不能となるなど「極度」な事例においては正当な理由があると判断されるケースもありますが(千葉地判昭和28年1月23日)、性格的に相容れない部分があったということでは正当な理由が認められません(東京地判昭和37年7月5日)。



     今回のケースでは、精神的にまいってしまってリストカットを行ったという内容ですので、自傷行為の程度や頻度、あるいは相手の精神的な状態にもよりますが、「正当な理由がない」と判断される可能性はあるとお考えください。

     また、リストカットに及んでしまった理由には少なからずご相談者様の対応にも原因があり、この点をとらえて損害賠償責任が肯定される可能性もあります。

     したがって、仮に裁判に発展した場合は損害賠償請求が認められることもありえます。



     現状では、相手から訴訟に発展させようという動きがあるのかは定かではありませんが、そうした動きをされないように、きちんと結婚できそうにないという理由を説明して、円満な破談を目指されることが望まれます。

2016年08月09日 21時44分

投稿時の情報です。適法性については自身で確認のうえ、ご活用ください。

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