大嘘つきの彼に貸していたお金を取り返したい!

User image 1 匿名ユーザーさん 2015年07月18日 03時08分

 結婚を前提に一年近く付き合った彼に、数百万円貸しました.
 「一ヶ月で返済する」という約束だったのに、既に一年近く何かと理由をつけては返済せず、つじつまが合わないことがあまりに多くなったため調査したところ、言っていたことの大半が嘘で,結婚もする気がないことが分かりました.


 ひどい嘘に振り回されていた自分が許せなくなり、資料を揃えて刑事告訴しようと考えています。
 しかし、彼が逮捕されてしまったら、貸したお金はどのように返済されるのでしょうか?内容証明で返済を請求し、婚約破棄に対する慰謝料を取った方が、損害が少ないでしょうか?


 また、貸したお金が全額返ってくれば,詐欺罪で告訴する事は出来なくなるのでしょうか?
 さらに、彼は遠方に在住しているのですが、弁護士に依頼する場合、彼の住所地の弁護士さんに依頼するほうが良いのでしょうか?



 いくつも質問して申し訳ありません。どうかお知恵をお貸し頂けたら幸いです.


(30代:女性)

匿名弁護士

 彼に、何をどのように請求できるか、順に考えて見ましょう。


 まず、民事上は、(1)金銭消費貸借契約に基づく貸金返還請求、(2)婚約(結婚の予約)契約の債務不履行民法415条)、あるいは(3)詐欺行為による不法行為責任民法709条)に基づき、損害賠償を請求することが考えられます。



 (1)については、金銭消費貸借契約の内容である、返済の約束(いつまでに返すという約束)、お金を渡した事実が証明できれば、請求をすること自体は困難ではありません。

 ただ、多くの場合、相手には定収入も資産もないことが多いので、貸金が現実に返ってくるかどうかは、現時点では分かりません。



 次に、(2)(3)について説明します。

 債務不履行責任を問うには、相手方に帰責性がなければなりません。

 この点、「たしかに結婚したいのだが、事情があって遅れているだけだ」と反論されてしまうと、結婚の約束は、その性質上、個人的事情に依存する契約であるということから、帰責性を認定することは困難な場合があると思われます。

 また、金の貸し借りや売買契約のように、履行日を過ぎたことをもって債務不履行責任を問うという処理になじむのか、という問題もあります。



 (3)については、「嘘ばかり言っていた」ということだけでは、「故意・過失によって他人の権利を侵害した」(民法709条)という不法行為責任を追及することは困難なのではないかという問題があります。この点は、刑事告訴をする場合にも問題となります。
 一般に、男女の交際において、自分を良く見せるために多少の嘘をつくことは、ありがちな行為だともいえます。
 それを超えて、故意(過失は、本件では問題にならないでしょう)により不法行為を行ったといえるためには、彼が他にも同様の事件を起こしているとか、結婚を持ちかけることにより経済的利益を得るなど、何らかの意図がなければそのような嘘をいわなかっただろうと思われるような事情を明らかにしなくてはなりません。



 このように説明すると、被害者にばかり厳しいように思えるかもしれません。
 しかし、不法行為責任は、契約関係にない相手、いわば「アカの他人」に対して損害賠償請求権という法的権利を行使するものですから、その権利を行使することが正当であるという証明は、原則として請求者側がしなくてはならず、どうしても要件が厳格になるのです。



 最後に、刑事責任の追及、すなわち告訴についても、同様の問題が考えられます。
 しかし、この方法では、警察などの捜査機関が「犯罪が行なわれた可能性がある」と判断したときは、爾後、捜査し証拠を集め公判廷で責任を追及するのは警察・検察の役目となりますから、あなた個人が自己負担で裁判を闘う負担はありません。


 しかし、心配しておられるように、債権の取立てが困難になるという可能性はあります。
 俗に、「刑務所までは追っかけられない」というように、刑が確定せずとも、身体を拘束されている相手に対して民事上の請求を行なうのは困難が伴います。
 資産がある場合には強制執行をかければいいのですが、給与から返済させようという場合には、逮捕によって相手が定職を失う虞もあります。
 もっとも、被害者に賠償したという事実は、刑事裁判においても被告人に有利な事情として考慮されるのが通常なので、弁済を促すという効果があることは否定できません。家族や親戚が立替払いをすることも考えられます。
 貸金が弁済されても、詐欺が認定されないということはありません。詐欺罪は詐欺行為をした時点で成立しています。したがって、後日返済したからといって、無条件に無罪となるわけではありません。



 これらを総合すると、彼の行為が悪質だと考えられるなら、被害金額も大きいことから、刑事告訴も不相当とはいえはないでしょう。



 最後に、弁護士は彼の住所地の者が良いということはありません。たしかに、その方が便利な点もあります。
 しかし、第一に、依頼者が弁護士と十分な事前の打ち合わせができることが大切です。そのためには、あなたの住所地に近い人に依頼された方が良いと考えます。

2015年07月18日 03時08分

投稿時の情報です。適法性については自身で確認のうえ、ご活用ください。

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