不倫事件パート2
[投稿日] 2015年07月14日 [最終更新日] 2016年10月28日
不倫・不貞・浮気を得意としている弁護士
不倫事件の場合、相手方の女性が、既に夫婦関係が破綻していたと抗弁することは前にも書いた。逆にいえば、それは男女関係のあることについては肯定していることにもなる。
しかし、これも前に書いたがホテルに行きながらも、男女関係を否定する女性もいる。この場合には、まだ離婚が成立しておらず形式的には夫であるはずの男性も女性側につき、男女関係はないと強弁する。その時点では夫婦関係が破綻しているし離婚事件の自分の責任や支払う慰謝料にも影響があるから当然といえば当然なのかもしれないが。
男性のパソコンのインターネット履歴で、主人と女性が高級ホテルを予約して泊まったことを知った奥さんからの依頼事件であったが、この事件は、主人と女性が男女関係の存在を完全否定するものだった。
私の感覚でいえば、ホテルであれば、いわゆるその手のホテルであろうが、一泊数万円する高級ホテルであろうが、男女関係の認定に差異があるとは思えない。高級ホテル宿泊=男女関係なしとの図式は成立しないだろう。
女性と主人の双方が、何かの記念日に高級ホテルに泊まったが、自分はリビング、他方はベッドルームで寝ただけであると主張して男女関係を否定した。
この種の裁判は、双方の主張が出揃えば、証人尋問・本人尋問の前に和解勧告がなされてこれを受諾して終了ということが多いのだが、この事件では、尋問前の和解勧告を女性が蹴飛ばし、主人の両親までもが女性側の証人として登場して、女性と息子との男女関係の有無は分からないが、どうしようもない嫁で、その時には夫婦関係は破綻していたとまで言い出し、裁判は泥沼化した。
裁判所が高級ホテル宿泊=男女関係なしとの図式を肯定するはずもないとは思うが、決定的な証拠を手元にしなかったことを悔いた。というのも、裁判前に、依頼者から、主人の車の中から彼女の裸体を撮影したポラロイド写真が見つかったから私に届けると言ってきたことがあった。そんな写真は見たくもないし、その写真がなければ敗訴するというわけでもないとして、車中に戻しておくように指示をした。
ところが泥沼化したことで、ダメ押し的にその写真があればなと思ったのだ。しかしないものはない。そこで、アンフェアかもしれないが、女性に本人尋問で聞くことにした。「あなたは裸体の写真まで彼に撮ってもらっていますが、それは男女関係にある二人のすることではないですか」と。写真の存在を否定されたらそのときはそのときとの考えであった。
女性は、そのような質問をする以上、私の手元に写真があると思ったのであろう。「それは芸術写真です」と答えた。私の質問にはまったことと芸術写真との返答に、思わず笑ってしまった。
地裁では完全勝訴をしたが、女性は控訴した。高裁ではすぐに和解勧告があり、和解を受諾することとした。その際、裁判官から、「それから、控訴人の希望ですが、写真を返却してくれとのことです。いいですよね」と言われた。
写真を持っていないことを、その経過も含めて裁判官に説明をして裁判官には納得してもらった。裁判官はおそらくそのままを彼女に伝えたと思うが、彼女が納得したかどうかは分からない。普通であれば、そんな写真は依頼者にせよ私にせよ不要なものであるから、持っていれば返すということを理解してくれたかどうか。
更新時の情報をもとに執筆しています。適法性については自身で確認のうえ、ご活用ください。
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