社内不倫が職場や妻にバレそうな人が知っておくべき6つのポイント
[投稿日] 2018年03月29日 [最終更新日] 2018年03月30日
不倫・不貞・浮気に強い弁護士
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彌田 晋介 弁護士 大阪府
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岡 直幸 弁護士 福岡県
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会社で同僚の女性と深い仲になってしまっているのですが、どうも最近、同僚が怪しんでいるような気がします。
それに、妻に気づかれてしまったらと思うと…。
いわゆる社内不倫ということですか。
はい。そうなります…。
では、会社や配偶者に発覚したらどうなるか、またそうなったときにどうするべきか、説明していきましょう。
目次 |
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実際、職場での不倫は少なくないような気がしますね。どうしてでしょうか。
1-1 不倫相手の統計
では実際のところ、社内不倫というのはどれくらい発生しているのでしょうか?
ある探偵事務所の調査結果によれば、不倫の相手は、職場の同僚が21.7%、上司が30.0%、部下が1.7%。
複数回答可ではありますが、単純に合計すると53.4%で、かなりの割合を占めています。
また、相模ゴム工業株式会社の調査結果によれば、不倫のうち、社内不倫は21.4%となっています。
調査対象が異なるせいか、2つの調査結果に差はありますが、不倫の中でも社内不倫が多くを占めるという結果は同じようです。
1-2 社内不倫が多い理由
では、社内不倫が、不倫全体に占める割合が高いのはどうしてなのでしょうか? いくつかの理由が考えられます。
まず、社内で異性と接している時間は、夫婦が共に過ごしている時間よりもはるかに長いという理由が考えられます。
また、仕事帰りや各種の宴会など社員同士で飲食をする機会が多く、お酒の勢いだけとはいいませんが、酒に酔って気持ちが盛り上がってしまうケースも少なくなさそうです。
特に男性上司と女性の部下というケースは少なくないようです。
仕事のこととはいえ、素直に自分の言うことを聞いてくれる女性の部下を可愛いと感じることがあるでしょうし、バリバリ働いて指導もしてくれる上司に男性らしさを感じることもあるのではないでしょうか。
いずれにせよ、1日の大半を過ごす環境内なので、いろいろなことが起きる可能性があるということです。
第2章 会社にばれた場合のデメリット・ペナルティ会社にバレるのは、正直怖いです。バレたら、いったいどうなってしまうのでしょうか?
会社にもよるので一概には言えませんが、やはり周囲の目は気になるかもしれません。
処分が実際に下せるかは難しいところなのですが、異動や降格といった処分や、退職に追い込まれることも実際にはあり得る話です。
では、実際にどんなデメリットやペナルティがあるか、みていきましょう。
■社内での信用を失うかつて不倫(不貞行為)は、姦通罪として刑事事件とされていました。現在は罪とはなりませんが、民法上で離婚原因として定められています。
そんなこともあって、明確な罪ではないものの、不倫は道徳的にしてはいけないこととされています。
そのため、不倫をした人は「道徳的観念がない」というイメージを持たれてしまいます。また、今後も社内の別の異性と同じような関係を結ぶのではないかとの疑いを会社に持たれてしまいます。
さらに、管理者や周囲としては、どうしても「仕事をちゃんとしているのか」「不倫相手をえこひいきするなど、仕事に関係を持ち込んでいるのではないか」などの疑問を持つでしょう。
このような状況や感情が入り混じって、社内での信用を失うことになります。
■昇進などキャリアに影響さて、社内で信用を失うということは、その後の昇進に事実上影響を与えることも否定できません。
コンプライアンスにうるさい業種や職種であれば、尚更です。
少なくとも、そうした行為のない人と比較したら不利になる可能性は低くないでしょう。
■直接的な処分の可能性社内不倫を原因として、会社から解雇や異動といったような直接的な処分が下される可能性があります。
次章で詳しく説明をします。
■家族の耳に入り、家庭トラブルが発生する可能性社内不倫の事実が、何らかの経過で配偶者に発覚することもあるでしょう。
とすると、当然ながら家庭トラブルが発生し、最悪の場合、離婚にまで発展することがあります。
さらに、配偶者が怒りのあまり会社に乗り込んでくるようなこともあります。
もちろん勤務時間内のことですから、企業秩序の維持が害され、このことで会社から処分を受ける可能性を否定することはできません。
また、社員寮に住んでいたものの、社内不倫を他の家族が知ることとなり、寮を出ざるを得なくなってしまったという事例もあります。
第3章 不倫を理由とした解雇や異動、減俸は可能?会社からの具体的な処分ってあり得るのでしょうか?
プライベートなことなのに、処分することは可能なのですか?
状況にもよりますが、本来重い処分は難しいはずです。
3-1 会社が社内不倫を処分したがる理由
そもそも、なぜ会社が社内不倫を処分しようとするのでしょうか?
■内部統制会社における上司と部下という縦の関係、また他部署との連携という横の関係は、企業統治(コーポレーションガナンス)の維持という点で重要視されます。内部統制と言い換えてもよいでしょう。
しかし、社内不倫の事実が発覚した場合、男女間の情に流されて、内部統制の維持を図ることが困難となってしまう可能性があります。
そこで、会社としては、内部統制秩序を維持するために、解雇や異動といった処分をして不倫関係を清算させます。
また社内不倫をしたら厳しい処分を課すとの前例をもって、予防策とします。
不倫しかも社内不倫は、企業内の性的・道徳風紀を乱す行為ですから、業務遂行に支障をきたすおそれがあります。
このことも処分をしたがる理由となります。
社内で不倫をしているとの事実が会社外に知れた場合、「あの会社は風紀が乱れており、それを放置している」との噂が立ち印象が悪化すれば、対外的信用を落としてしまいます。
取引先を失うなどのダメージを受けるおそれがあり、毅然とした処分をしたがることになります。
3-2 社則に明記されていなくても処分できる?
社員になんらかの罰を与える場合には、社則(就業規則や服務規律など)としてルール化されている必要があります。
一般的には、就業規則には懲戒の対象として「社内の秩序、風紀を乱し、または乱すおそれのあったとき」などとは書いてあります。
しかし、「不倫行為をした場合」とまで書いてあることはほとんどありません。
明確に書いていないのに、処分できるものでしょうか?
これは、一概にどちらだと言えない問題ではあります。
ただ、最高裁の平成15年10月10日判例は、「懲戒をするには、あらかじめ就業規則において懲戒の種別及び事由を定めておくことを要する」としていますので、少なくとも、「明記がなければ懲戒処分をすることはできない」と考えてよいのではないかと思われます。
仮に「社内の秩序、風紀を乱し、または乱すおそれのあったとき」という規定に基づいて処分をするとしたら、社内秩序に対する「具体的な侵害」や企業運営への「具体的な影響」がなければ、懲戒処分の対象とすることは難しいといえるでしょう。
3-3 社内不倫に関する過去の判例
では、実際の判決ではどうでしょうか。
社内不倫自体を理由とした懲戒処分は無効とした判例として、旭川地裁平成元年12月27日判例があります。
社内での不倫を理由に解雇されたというこの事件では、「不倫の事実が企業運営に具体的な影響を与えたとする明確な証拠がない」として、解雇は無効とされました。
ただ、不倫行為について「特段の事情がない限りその妻に対する不法行為となる上、社会的に非難される余地のある行為として素行不良に該当する」としており、懲戒解雇が重すぎる処分だとしても、他の懲戒処分の種別であれば有効とされる可能性を残しています。
なお、社内不倫ではなく関係者と不倫を行ったものですが、学校の教師が保護者と不倫を行った事例では、「解雇は有効」とされました(大阪地裁平成9年8月29日判決)。
これは教育者には高度な倫理観が要求されることや、不倫の結果として校長が警察に事情聴取を受けたことなど、複合的な理由があった事例ではあります。
いずれにせよ、企業運営に具体的な影響を与える場合には、懲戒解雇は有効とされる可能性があるということです。
3-4 不倫を理由とした処分で会社が取るべき手続き
社内不倫に限らず、懲戒処分をしようとする場合に会社が取らなければならない手続きは、次の4段階に分かれます。
- 就業規則該当性の判断
- 事実調査
- 弁明の機会の付与
- 処分の決定
それぞれについて詳しく見てみましょう。
■①就業規則該当性の判断まず、社内不倫行為が懲戒処分対象として就業規則に記載されているかどうかの確認調査が必要となります。
先述のように、社内不倫自体を懲戒処分対象行為として規定している会社はほとんどありません。
ですがほとんどの会社は、「社内の秩序、風紀を乱し、または乱すおそれのあったとき」に処分対象とする規定を設けています。
多くの場合、形式的にはこの項目に該当することになるでしょう。
■②事実調査次に、不倫行為が事実なのかどうかという調査が必要となります。
「実際に社内不倫行為があるかどうか」の調査と、社内不倫行為によって「企業運営に具体的な影響があったかどうか」(懲戒解雇とする場合)の事実調査をします。
私生活上の行為ではあるので、どこまで調査できるかは問題となりますが、企業秩序を維持確保するために事実関係の調査をすることは可能だと考えられます。
■③弁明の機会の付与さらに、当事者社員に弁明の機会を与えなければなりません。
憲法31条の適正手続の保障が懲戒処分にも及ぶとされるためです。
弁明の機会を与えずになされた処分は、特段の例外事由に該当しない限り、無効となります。
これは就業規則に「弁明の機会を付与する」などの規定がなくても必要になってきます。
最後に、懲戒処分の決定をすることになります。
基本的には男女関係は私生活上の問題であることや裁判例などを考えると、単純に不倫が発覚したということであれば、口頭での指導や不倫関係清算の警告で終わらせるなどの軽度の処分とすることが妥当なのではないでしょうか。
もちろん、何らかの実害が出ている証拠などが明確にあれば、その実害に見合った処分を検討することも考えられます。
第4章 職場の人に対して不倫の事実を暴露されたら訴えることができる?どうも、同僚たちが知っているようなので聞いてみたら、彼女が相談した同僚が、他の人に言いふらしたようなのです。
事実は事実なのですが、正直腹立たしいです。
こうした場合に何か罪に問えるのか、見ていきましょう。
4-1 不倫を暴露した人が負う可能性のある法的責任
では、例えば不倫を知った同僚などが、社内でその事実を言いふらしたり、掲示したりしたとしたら、何か責任を負うことになるのでしょうか?
具体的に考えられる責任を考えてみましょう。
「名誉毀損」は、次の要件を充たせば、その告知行為に違法性はなく、損害賠償責任を負わないと考えられています。
- 公共の利害に関する事実であること
- 公益を図る目的をもった行為であること
- 当該事実が真実であると証明されたこと
これらに該当するかどうかは非常に難しく、簡単に答えが出るというものではありません。
とくに問題となるのは、「公共の利害に関する事実」といえるかどうかです。
しかし、社内不倫によって企業運営や企業秩序の侵害が具体的に発生するということはあまり考えられないというのが実情です。
とはいえ、将来においての侵害を防止するという観点も考慮される可能性もあります。
このように微妙な問題なので、一概に名誉棄損が発生する、しないとは言い難いのです。
ただし、仮に損害賠償責任が発生するとしても、その賠償額は極めて少額のものにとどまると考えられます。
■名誉毀損などによる刑事罰名誉毀損による賠償責任(民事上の責任)は上記のとおりですが、刑事上の責任を負って、罰せられる可能性はあるのでしょうか?
実際には、社内不倫で形式的に名誉毀損となったとしても、捜査機関が告訴を正式に受理することはないでしょうし、検察が起訴するなどということはほとんど考えられません。
事実上、社内不倫を告知したことを理由に罰せられる可能性は低いと言えます。
ただし、「社内不倫をやめなければ会社に暴露する」などと言った場合には、脅迫罪や強要罪に該当する可能性があります。
4-2 不倫相手本人が暴露した場合は?
では、社内不倫をしていることに辛くなった不倫相手が、会社で暴露した場合はどうでしょうか?
実はこの場合は、名誉毀損となり、賠償責任が生じる可能性は高いのです。
社内不倫による企業運営や企業秩序を守るためであれば、不倫関係を清算することで足りるわけで、わざわざ会社に報告する必要性がないからです。
4-3 会社に相談することは可能?
では、不倫の事実を知った人が、合法的に会社に相談をする方策はないのでしょうか?
名誉棄損は、「不特定多数」に事実を告知することによって成立します。
したがって、上司や人事部長などの特定の者に相談をするのであれば、法的責任を負わないことになります。
逆に言えば、会社内で社内不倫事実を言いふらしたりしたら、法的責任が発生する可能性があるということになります。
第5章 社内の不倫であることは慰謝料に影響する?配偶者が不倫をした場合、不倫相手に対して慰謝料を請求することができます。
この慰謝料額については、あらゆる事情が考慮されて決定されます。
では、「社内不倫であること」はこの金額に影響するのでしょうか?
社内不倫であるということ自体は影響しませんが、その関係性で影響が出る可能性はあります。
社内不倫の特徴は、男性上司と部下の女性という関係が多いことです。
上司から主導的に関係を迫ったというような場合には、不倫の相手方は断りにくい状況だという見方ができます。そのため、男性側の責任が重くなります。
従って、不倫相手の女性(部下)に対する慰謝料額を減額する要素となります。
逆に独身男性の上司が、夫のある部下に関係を迫った場合には、上司に対する慰謝料額の増額要素となります。
とうとう会社にばれてしまいました…。
どうしたらよいのでしょうか?
6-1 不倫関係をやめる
どういう事情があるにせよ、直ちに不倫関係を清算することが第一です。
その上で、会社からの聴き取り調査などに素直に応じ、今後はこのような社内不倫をしないことを誓約してください。
6-2 弁護士に相談をする
弁護士に相談をすることも一つの手段です。
あなたに対する会社の処分を軽くするにはどうすればよいのかなどを適切にアドバイスしてくれるでしょう。
ただ、具体的に重い処分が出ていない段階で、弁護士に依頼をして会社と交渉をしてもらうことは避けた方がよいと思います。
会社としては、あなたの会社に対する誠意などに疑問を持ってしまうからです。
もちろん、具体的な処分が出て、それに不満があるという場合は、弁護士から交渉してもらうことも検討してみるとよいでしょう
いずれにせよ、不倫や離婚の問題は込み入った話です。
まずは離婚・男女問題が得意な弁護士を探し、話を聞いてみるとよいでしょう。
更新時の情報をもとに執筆しています。適法性については自身で確認のうえ、ご活用ください。
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