結婚していない相手へのお金の請求はできますか?

Legalus編集部さん 2015年07月01日

 私の父と母は1度離婚をして、また一緒に暮らすようになって10年以上になります。去年、父は怪我をして右足の膝から下を切断し半年間入院をしていました。母は父と籍を入れる覚悟をしていたのですが(父もそれを望んでいたので)、父が障害者となったのをきっかけに、父はそれを拒否し、別な女性の影がちらつくようになりました。相手の女性も堂々と父に会いに行ったり連絡をしてきます。このような場合、母は父に対してお金の請求は出来るのでしょうか?



(女性)

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Legalus編集部

     1度離婚された後、また一緒に暮らすようになってはいるものの婚姻届を出していない場合、法律上は「内縁関係」と呼ばれる状態になります。内縁とは、夫婦としての共同生活をいとなみ、周囲からも夫婦として認められてはいるものの、婚姻届を提出していないため法律上は夫婦として扱われない男女を指します。



     内縁関係が認められる場合、裁判例では婚姻関係とほぼ同様の権利と義務が認められることになります(参考判例として最判昭和33年4月11日があります。後述する内縁関係が成立する要件の参考としての事例でもあります)。具体的には、同居協力義務(夫婦が相互に協力して生活していく義務。民法752条参照)、貞操義務(肉体関係を伴ういわゆる不倫をしてはならないという義務。直接的な規定はありませんが、民法770条1項1号に離婚原因と規定されているため、認められるものと解釈されています)、婚姻費用の分担(生活費の分担。民法760条参照)、日常家事債務の連帯責任(民法761条参照)などです。

     こうした義務に反し、不当に内縁関係が破棄された場合、相手方への損害賠償請求が可能です(法律上は不法行為に基づく損害賠償請求などです。民法709条を参照)。



     実際に相手方に対して請求を行うためには、「内縁が成立している」「にもかかわらず不当に破棄した」ということを裁判で主張することになります。

     内縁が成立するための要件としては




    1. 婚姻の意思があり(婚姻届をする意思までは不要)

    2. 共同生活の事実

    3. 性的関係の継続性

    4. 妊娠の有無

    5. 家族や第三者への周知

    6. 婚礼などの儀式の有無



    などを総合的に考慮して判断します。今回のご相談では、両者に婚姻の意思があったとご指摘されており、10年以上共同生活を営んでいたこと、周囲もそれを知っていたことなどから、おそらく内縁関係が成立していると判断されるのではないかと思われます。



     一方、詳細な事情はご相談内容からはわかりませんが、公然と別の女性と懇意にしていて、内縁関係を不当に破棄しているものと思われますので損害賠償請求は可能ではなかろうかと考えられます。



     ただ、ご相談のような事例では、法律ではっきりしている婚姻関係とは異なり、「単なる恋人だから別れるのは勝手だ。だから損害賠償には応じない」と言い逃れをされてしまうケースが容易に想像できます。それゆえ、内縁という事実関係があることを裁判で確定させ、その上で損害賠償請求などを行うことが多いといえます。

     上記の内縁関係が成立していることを表すような証拠をできるだけ収集し、それをもとに弁護士などの法律の専門家を頼ることが解決への近道ではないかと考えられます。

2015年07月01日

不倫・不貞・浮気に強い弁護士

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