世界の離婚(4)~インドネシア編~
[投稿日] 2013年08月02日 [最終更新日] 2017年08月31日
国際結婚・国際離婚を得意としている弁護士
「世界の離婚」第4回目は人口世界4位の国、インドネシア編です。インドネシアでは、1974年に宗教や地域、慣習を問わず、すべてのインドネシア人に適用される統一婚姻法が成立しました。もっとも、統一婚姻法の成立にあたって、イスラム勢力に対して譲歩がなされた結果、宗教法に基づく例外が認められています。
婚姻男性は19歳、女性は16歳から結婚できるとされていますが、21歳未満の場合、両親の許可が必要とされています(婚姻法6条、7条)。
近親婚については、当事者が、直系血族、兄弟姉妹、叔父叔母、甥姪、両親または子の(元)配偶者、継親、継子、里親、里子、同じ乳母の授乳を受けた子などとは婚姻できません(同法8条)。
一夫一婦制が原則ですが、一夫多妻を認める宗教の信者が2人以上の女性と婚姻することは禁止されていません。2人以上の妻を持とうとする男性は、裁判所にその旨の申し立てを行わなければなりません。裁判所は、(1)妻が婚姻に同意していること、(2)申立人がすべての妻とその子を扶養できること、(3)申立人がすべての妻とその子を公正に扱うことができること、などの条件を満たした場合に婚姻を認めるとされています(3条~5条)。
また、女性には再婚禁止期間が課されており、夫の死亡により婚姻が解消した場合には130日間、離婚により解消した場合には最低90日間は再婚できません。妊娠中に離婚した女性については、出産後は再婚できるとされています(11条)。
日本にない制度としては、同一の夫婦による再婚回数の制限があり、3回婚姻してはならないとされています(10条)。
手続面では、各々の宗教および信仰に基づく儀式の後に、法規の規定する登録を行うことで婚姻成立となります。
インドネシアでは、協議離婚は認められておらず、必ず裁判所の関与を必要とします。裁判官はまず調停を行い、調停の試みが失敗した場合には離婚の裁判をします(39条)。
離婚原因として挙げられているのは、(1)不貞行為、(2)悪意の遺棄、(3)収監、(4)虐待、(5)夫婦の一方が夫または妻としての義務を果たせない場合、(6)婚姻の破綻、です。
離婚後の子の監護については、離婚した両親の双方に子を保護し、教育する義務を認めています。監護費用については、第一義的には父親が負担し、父親が無資力の場合は、裁判所は母親にこれを負担させることができるとされています。
更新時の情報をもとに執筆しています。適法性については自身で確認のうえ、ご活用ください。
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