世界の離婚(11)~イタリア編~
[投稿日] 2013年08月02日 [最終更新日] 2017年08月31日
国際結婚・国際離婚を得意としている弁護士
「世界の離婚」、第11回目の今回はイタリア編です。
婚姻婚姻年齢は18歳(成年)とされていますが、特別な事情がある場合は、裁判所の許可によって16歳まで引き下げることができるとされています。
近親婚については、直系血族、兄弟姉妹、直系姻族との婚姻は禁止されています。叔父叔母との婚姻、姻族関係終了後の直系姻族間の婚姻、縁組または認知の結果として親族関係が生じた者同士の婚姻も原則として禁止されていますが、裁判所の許可があれば婚姻できます。
また、当事者の一方が他方の配偶者に対する殺人(未遂を含む)で刑に処せられた場合は婚姻できません。
イタリアには再婚禁止期間があり、女性は前婚の解消から300日間は再婚できません。ただし、婚姻の解消前から同居していなかった場合には、裁判所は再婚禁止期間中でも婚姻を許可することができます。また、妊娠の終了によっても再婚禁止期間が終了します。
夫婦となろうとする者は、挙式に先立ち、婚姻する旨を双方の住所地の市町村役場の入口に公告する必要があります。公告期間は最短で8日間ですが、2回の日曜を挟んで掲示しなければなりません。公告期間終了から5日目以降に、役所で承認立会いのもと結婚式を挙げ、婚姻成立となります。
上記の方式(民事婚)のほかに、カトリック教会法に準拠して挙式された婚姻(教会婚)にも、民事婚と同一の効力を認めています。
カトリック教会の影響を強く受けたイタリアでは、従来離婚は認められていませんでしたが、1970年の「婚姻解消の諸場合の規律」(通称「離婚法」)によって、離婚制度が初めて導入されました。
法定の離婚原因は、(1)特定の犯罪(終身刑または15年以上の刑、性犯罪、子の虐待、DVなど)で処刑された場合、(2)裁判別居、裁判所の認可を受けた協議別居が3年以上継続している場合、です。これらの原因がある場合に、裁判によって離婚が認められます。
離婚法による離婚は、民法上の婚姻の効果を解消するのみで、教会婚そのものは有効に存続します。そのため、教会婚の婚姻を完全に解消するには、教会裁判所の判決を受ける必要があります。
離婚後の親権については、原則として単独親権となりますが、未成年者にとって物質的・精神的な利益があると考えた場合には、裁判所は、交互監護(それぞれの親のもとで交互に監護される)や共同監護(監護の内容を両方の親で決定する)を定めることもできるとされています。もっとも、実務上、交互監護や共同監護はほとんど利用されていないそうです。
更新時の情報をもとに執筆しています。適法性については自身で確認のうえ、ご活用ください。
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