騙されて認知をしても取り消せないの?

User image 1 Legalus編集部さん 2014年01月07日

 彼女との間に子供ができました。彼女から結婚することを前提に認知をして欲しいと言われ、籍は入れずに認知だけしました。その後退院の日取りも教えてもらえず、彼女が退院してから子供が生まれたことを知りました。そして急に「あなたとは結婚できない」と言われ、一方的に婚約破棄!なぜ結婚できないか理由すら教えてもらえず、子供にも一度も会っていません。

 今養育費を請求されて調停で協議中です。一度認知してしまったら、例え彼女が婚約を破棄しても養育費は払わなくてはいけないのですか?

 こちらからすれば自分の子供ではないのではないか?と疑ってしまいます。DNA検査も拒否されています。子供が生まれて1年経つ前に取り消しの裁判をしたいのですがDNA検査なしでも取り消しは可能ですか?



(20代:男性)

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Legalus編集部

     一度した認知は取り消すことはできません(民法785条)。もっとも、判例は「取り消す」とは撤回を意味し、認知が詐欺・脅迫による時は、取り消すことができるとしています(大審院大正11年3月27日判決)。

     具体的には、(届出無効確認型)認知無効の訴えを提起することになります。本来、認知無効の訴えは認知を望まない子の側から提起されるものですので、父親側から提起することができるのかについて争いがあるとことです。

     前述の判例は、これを認める趣旨であり下級審判例においても認められた例がありますので、本件でも相談者が認知無効の訴えを提起することは可能でしょう。

     この訴訟の中で、認知の意思表示が詐欺によるものであり取り消されるべきものであることを主張していくことになります。



     仮に、詐欺が成立しない等の理由で認知が有効と判断された場合には、相談者は養育費を支払う必要があります。なぜなら、養育費とは子の監護費用であり、法律上親子関係が認められる限り、親は子にこれを支払う義務があるからです。



     なお、相談者は子供が生まれて1年経つ前に取り消しの裁判をしたいとのことですが、これはおそらく「嫡出否認の訴え」のことを言われていると考えられます(「嫡出否認の訴え」に関しては「生まれた子との親子の関係を否定できる?」を参照してください。)。



     嫡出否認の訴えは、夫婦が婚姻中に妻が懐胎した子が夫の子と推定される場合(民法772条)に、この推定を否定するためのもの(民法774条)です。ですので、この訴えによって認知を否定することはできません。

     認知は詐欺・脅迫による認知でない限り取り消すことはできないのです。なにより、認知無効の訴えには出訴期間の制限は無いと考えられるので、相談者には有利でしょう。

2014年01月07日

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