ストーカーが元交際相手に電話1万6300回!ストーカー規制法の対処は?
[投稿日] 2016年12月13日 [最終更新日] 2016年12月13日
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佐賀県警は2016年10月18日、ストーカー規制法違反の疑いで福岡県に住む女を逮捕しました。容疑者は、2016年4月から9月にかけて元交際相手である男性に対して、拒まれているにもかかわらず携帯電話に1万6300回電話をかけた上に、9月に入ってからは5日間で30回電子メールを送信するというストーカー行為をした疑いが持たれています。
9月27日に名誉毀損の疑いで逮捕されていたところ、ストーカー規制法違反で再逮捕されました。
約半年で1万6300回の電話ということは、1日平均90回電話がかかっていたことになります。尋常な回数ではありません。
このような場合に、ストーカー規制法でどのような対処ができるのでしょうか?
「ストーカー行為等の規制等に関する法律(ストーカー規制法)」という法律があります。これは2000年に施行された法律です。ストーカー規制法の制定の経緯や、詳細な内容についてはこちらをご覧ください。
この「ストーカー行為」の中に、無言電話・連続した電話が挙げられています(法2条1項5号)。
ストーカー行為をされ身体の安全や住居の平穏、行動の自由が著しく害される不安を覚えさせられた(法3条)として、ストーカー行為を受けている人からストーカー行為に係る警告の申出を受けた場合は、警視総監・道府県警察本部長・警察署長(「警察本部長等」と言います。)は、ストーカー行為を行っている者に対して、警告をすることができます。
警告を受けたにもかかわらず、行為を継続する場合には、禁止命令を発することができます(法5条)。この禁止命令に違反してストーカー行為をした者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処される可能性があります。
さらに、2016年5月に音楽活動をしていた女性がファンに襲われた事件を受けて、ストーカー規制法は改正される見込みが高まっています。改正案の主な点は以下のとおりです。
- SNSを使った執拗な書き込みもストーカー行為として規制対象に追加
- ストーカー行為を被害者からの告訴が必要な親告罪から非親告罪に変更
- 禁止命令違反については、2年以下の懲役・罰金200万円以下、と罰則の引き上げ
対応の迅速化、厳罰化を主眼とした改正案といえます。
今回のケースでは、男性は2007年から約25回にわたって警察署に相談していて、容疑者は文書と口頭で3回も警告を受けていたそうです。
女性が男性に4年間つきまとったという別のストーカー事件では、裁判記録によれば、ストーカー行為を行った側に「自分の行為がストーカー行為である」といった自覚症状は全く無かったそうです。
ストーカーを行う側の心理としては、警察に警告をされたとしても「何もしていないのに警察に叱られた」と考えてしまう場合も多いと聞きます。
今回のケースがどうだったかは不明ですが、何度も警告されても行為を繰り返していたということは、本人に自覚症状がなかった可能性が高そうです。
仮に改正ストーカー規制法が成立したとしても、今回のようなケースの抑止に直接結びつくものではないかもしれません。
更新時の情報をもとに執筆しています。適法性については自身で確認のうえ、ご活用ください。
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種村 求 弁護士 神奈川県
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