2ヶ月で辞めた専門学校。前納した学費は一切返還されない?

Legalus編集部さん 2016年03月15日

 私は、今年の4月から2年間の理容・エステの専門学校に入校しました。入学金・授業料・その他の教材費等として140万円くらい支払いました。しかし、入学後2ヶ月で自分には向いてない世界だと感じました。

 そこで、退学を決意し7月に申し出たところ、前納した1年分の授業料等の一切の返還は認められないと学校側から言われました。一切の返還をあきらめなければいけないのでしょうか。

(10代:女性)

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Legalus編集部

     在学2ヶ月で学校をお辞めになり、支払った分の授業料などは返還されないのか、というご相談ですね。まずは、あなたと専門学校との間で結ばれた契約内容を確認しましょう。



     専門学校への入学手続きが完了することで、学生と専門学校との間で在学に関する契約が成立したことになります。あなたと、エステ専門学校は「学生は学校の教育を受け、その対価を払う」契約を結ぶという内容に合意したということです。



     しかし、あなたが何らかの理由で学校への通学をやめ、契約を解除したい意思を伝えたら、この契約は解除されます。いったん契約が解除されれば、同契約は現在に限らず、将来に渡って、その効力を失います。この法的な位置づけは、最高裁判決によって例示されています。



     しかし、ここで考える必要があるのは、いつ退学の意思を示したかです。あなたは入学して2ヶ月後に退学したい旨を学校に伝え、本契約の解除に至りました。

     入学後の在学契約の解除でも、入学金その他、通学にかかる諸々の費用を返還は可能かどうか。この状況について以下、説明します。



     まず、入学金の性質について。学生は、その学校の専門教育を学ぶ目的で入学を果たします。学校は学生に入学を許可する資格を与えます。その対価として支払うのが入学金です。

     学校に入学する地位を与えられ、実際に入学を果たしたあなたに、学校側が入学金を返還する義務は生じないといえます。

     このことより、入学金の返還を求めることは難しいといえるでしょう。



     授業料についてですが、専門学校側があなたと結んだ契約内容に従い、教育を施し、教室等の利用を許可した対価として、学生側が支払うものです。あなたは2ヶ月間、この学校の教育を受け、同校の教室その他の施設の許可を認められ、実際に使用しています。

     したがって、あなたが学校側に退学前の授業料の返還を求めるのは困難といえます。



     問題は、先に納入した退学以降の授業料を返還できるかどうかということです。学校に通っていない分の授業料を不当に利得している学校側に返還を求める不当利得返還請求は、民法上にもきちんと規定されています。



     この規定に従うと、学校側はあなたの退学以降の授業料の返還請求に応じる義務があるようにもみますが、学校側には、いったん支払われた納付金を返還しない「不返還特約」という理由のもと、返還を拒否している可能性があります。



     この不返還特約に法的根拠があるのかどうかが問われます。これについては、消費者契約法を参照にする必要があります。

     消費者契約法9条1号は、消費者契約の解除に伴う損害賠償額の予定、または違約金の定める条項について、同種の消費者契約の解除に伴い事業者に生ずべき「平均的な損害」を超える場合は無効となる、という規定があります。



     つまり、退学以降の授業料相当額が、あなたが退学することで学校側に与える「平均的な損害」を超えるかどうかが、ポイントになるでしょう。そこで、学校側にとっての平均的な損害とはどのようなものかを知る必要があります。



     学校側は、入学者数に応じた予算のもとで運営されています。入学後に学生が退学し、その年の授業料が支払われないとなると、入学者数に応じて決められた予算に狂いが生じ、その年に見込まれるはずだった収入が減ることを意味します。

     これは学校側からすれば平均的な損害といえ、これを超えない範囲においては「不返還特約」は有効と判断されます。



     よって、学校側の不返還特約は有効とみられ、あなたの初年度分の授業料返還は認められない可能性が高いでしょう。

2016年03月15日

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