卒業アルバムへの個人情報掲載は拒否できない?

Legalus編集部さん 2014年04月07日

 公立中学校に勤務する教師です。3年生の5クラス中、2クラスの副担任を担当しています。

 本校では、卒業アルバムに、生徒ひとりひとりの顔写真と氏名のほか、担任と副担任の顔写真と氏名も載せることが慣例となっています。

 私はその中学校の校区に住んでいることもあり、普段からプライバシーが無いに等しいうえ、自分の顔が載ったアルバムが200冊も配布されることに耐えられません。

 管理職は、アルバムというのは、生徒が将来、担任の先生や同級生の顔を見て思い出を振り返り、懐かしむためのもの、その掲載を拒否するというのは許されないというものでした。

 写真撮影の際も、その写真やネガがアルバム以外の目的に使用されることはないという誓約書も説明もなく、自分の情報が自分のあずかり知らないところでどんどん広がっていくことに恐ろしさも感じます。

 いったい、どうすれば、私の写真を掲載されなくて済むでしょうか。

(40代:女性)

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Legalus編集部

     個人情報保護法の施行以来、いままで身近なものであった名簿、アルバム等への個人情報の掲載についても、様々な反応が寄せられているようです。

     なかには、緊急の場合の連絡網などに情報の掲載を拒否する例も報告されています。本人の同意が得られず情報の掲載ができない場合には、そもそもそのシステムが用をなさないものとなってしまう場合において、法の存在に基礎づけられた権利意識と現実の矛盾が、ここでも起きているように感じられます。

     卒業アルバムに掲載される顔写真と氏名の記載が、個人情報保護法により保護されるべき情報であるかということについては別の機会に譲るとします。

     個人情報保護法にいう「個人情報」にあたるとしても、本人の同意があれば掲載されることに問題はなくなるわけなので、ここでは、ある立場にある個人が情報の開示に同意すべきであると考えられる余地はないのか、という問題について考えてみたいと思います。


     一昔前に比べて、私たちの権利意識はずいぶん発達しました。もちろん、国民が公権力から自分の人権を守るためには、権利意識を持つことが第一歩であり、権利意識の発達は喜ぶべきことです。

     しかし、たとえ法律上権利として認められたものであっても、あらゆる権利の行使に限界があることは、憲法(12条、13条ほか)をはじめとする法律が認めることでもあります。

     どういう場合に権利行使が認められないか、その判断基準は、問題となる権利の性質にもより、それ自体個人の人権と抵触するものであるため、大変難しい問題です。

     しかし、他者に害が及ぶ場合や、権利行使の目的・方法が社会通念をはなはだしく逸脱する場合には、たとえ正当な権利行使であっても許されないとされています。こういう制限を、「内在的制約」と呼ぶこともあります。


     今回のご相談で、プライバシー権憲法13条)を主張して、あなたが写真と氏名の掲載を拒否することは、一見正当な権利行使とも思えます。

     では、教師であり副担任を勤める立場にある者が写真と氏名の掲載を拒否することは、そのクラスの生徒たちの権利を何らかの形で侵害することにはならないでしょうか。

     卒業アルバムに担任等の写真と氏名が掲載されることは、現在の日本においては、社会通念上、通常とされていることだろうと思います。生徒たちもそれを当然のものとして(あるいは期待して)受け取っていることでしょう。それにもかかわらず、自分のクラスの担任の先生だけ、写真と名前が抜けているとしたら、どうでしょうか。

     もし生徒の立場なら、写真の掲載を拒否する権利も認められないとはいえないでしょう。

     しかし、教師は、職業上、一定の範囲でプライバシーの放棄をやむなくされると考えられます。たとえば、教師が、自己のプライバシー権を主張して、緊急連絡網に電話番号の掲載を拒否することは、到底許されないでしょう。

     卒業アルバムへの写真と氏名の掲載は、そこまでの必要性・緊急性はないとしても、拒否する権利は認められないと考えます。

     なお、学校が教師に関する情報を必要な場合以外に使用する権利がないのは当然のことで、もしそのような場合には、教師に対し、不法行為責任を負うと考えます。

2014年04月07日

規則・校則に強い弁護士

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