弁護士コラム

遺言制度の見直しー自筆証書遺言の保管制度

[投稿日] 2020年09月15日 [最終更新日] 2020年09月15日
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田中 友一郎 弁護士 天神南法律事務所

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引き続き自筆証書遺言の見直しについてのお話です。

 

今回は、自筆証書遺言について、保管制度が創設されたことをお話しします。

 

遺言を作成しようと考えられる方の多くは、公正証書遺言を利用される方が多いと思いますが、その理由の一つとして、公正証書遺言は公証役場において厳重に保管されるという点があります。

また、公正証書遺言はどこの公証人役場に保管されているか検索することができますので、相続人にとってもメリットが大きいといえます。

 

一方、自筆証書遺言の保管方法は遺言をする方に任されています。

実際、自筆証書遺言で遺言をされた方の多くは、ご本人が身近に保管されているのではないでしょうか。

この場合、遺言者ご本人が遺言書を紛失してしまう危険性があります。

また、遺言者が亡くなられた後、遺言書が発見されないことがあるかもしれません。

さらに、遺言書が発見されても、隠匿されたり、変造されたりするおそれがありました。

 

この点を解消すべく、自筆証書遺言の原本を公的機関(法務局)が保管する制度が創設されました。

 

遺言者は、遺言書保管官(法務局の事務官)に対して、ご自分の遺言書を法務局に保管することを申請できます。

また、遺言者ご本人は、いつでも遺言書の閲覧又は返還の請求ができ、保管の申請の撤回もできます。

遺言者が亡くなられて遺言が効力を生じた後には、相続人、受贈者及び遺言執行人等の相続に関係する方は、法務局に対して遺言書情報証明書の交付を請求することができます。

さらに、本制度により保管された自筆証書遺言については、家庭裁判所による検認手続が不要となります。

※ 検認手続とは、公正証書遺言以外の遺言書について、遺言者が亡くなられた後、家庭裁判所において、相続人立会いの下で遺言書を検認する手続です。

 

この制度により、遺言書の紛失、隠匿及び偽造などを防ぐことができますので、遺言書の有無についての争いが回避できるようになります。

 

今後、保管制度について、どのような審査をするのか、どのような運用になるのかは省令や通達によって明らかになっていくと思われますが、前回お話した自筆証書遺言の方式の緩和とあいまって、自筆証書遺言の活用が促進されることが見込まれます。

 

なお、保管の申請にあたって調査や聞き取りはなされますが、遺言の有効性を確定させるものではありませんので、自筆証書遺言の遺言条項の内容につきましては、専門家の意見を参照することが依然重要であることにご留意ください。

 

田中 友一郎 弁護士

注力分野
相続 借金・債務整理 労働 企業法務
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