弁護士コラム

遺言の形式的効力

[投稿日] 2018年10月05日 [最終更新日] 2018年10月05日

遺言の効力という場合,形式的効力と実質的効力があります。

 

 

形式的効力は主に自筆証書遺言で問題となります。

自筆証書遺言とは,「自筆」つまり,自分で筆記する遺言です。

(この他に公証人が作成する公正証書遺言などがあります。)

 

 

形式的要件というのは,その要件が揃っていなければ,中身に入る前に遺言書全体が無効になるというものです。

 

 

形式的要件は,①全文自筆,②日付,③署名,④押印の4つです。

 

 

①全文自筆について

文字通り,「全文」自筆でなければなりませんので,日付も日付スタンプなどを使わずに自筆する必要があります。

 

 

②日付について

日付は年月日が特定できることが必要です。

「昭和41年7月吉日」と書いて無効となった裁判例があります。

 

 

しかし,たとえば,「平成30年9月末日」は日付が「平成30年9月30日」と特定できるので有効です。

 

 

「平成30年,私の誕生日」でも日付が特定できるので有効です。

 

 

また,明らかな誤記で,誰が見ても分かるような場合は有効とされています。

たとえば,「昭和」を「正和」と謝って書いた事案では裁判で有効とされました。

 

 

「平成二千年一月十日」との日付も,「西暦2000年」つまり平成12年の間違いであることが分かるということで,裁判で有効とされました。

 

 

③署名について

本人が特定できれば有効です。

通称名,芸名,ペンネームなどでも本人を特定できるなら有効です。

 

 

④押印について

法律上,印鑑の種類について指定がありませんので認め印でも有効です。

また,拇印でも有効というのが最高裁の判例です。

 

 

以上,形成的効力についての4要件についてお話ししました。

これらの4要件を満たしていれば形式的要件を満たしますので遺言書として有効に成立します。

 

 

筆記具の指定もありませんので鉛筆でも有効です。紙の指定もありませんので新聞紙に書いても有効です。

 

 

しかし,やはり,通常は,便せんなどに書いて封筒に入れるべきですし,改竄防止のためにもペンなどで書くべきでしょう。

また,後の紛争を防止するためにも,日付も普通に正確に書いて,押印についても実印が望ましいです。

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木野 達夫 弁護士

取扱分野
相続 交通事故 離婚・男女

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