イギリス人の父親の遺産を、日本人の子が相続できる?

User image 1 Legalus編集部さん 2014年01月14日

 かつて日本人であった父親が、イギリスに帰化し日本国籍を喪失しました。父親の財産はすべてイギリスにあります。この父親が死亡した場合、日本国籍を持ち日本に在住する娘(実子)はイギリスにある父親の財産を相続する権利を持っていますか?


(60代:男性)

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Legalus編集部

     イギリスの法律により、父親の財産を相続する権利が判断されます。



     相続問題が、日本と外国双方にまたがるような場合は、被相続人の本国法により判断されます(法の適用に関する通則法36条)。

     ご相談の場合でいえば、イギリス人の父親をもつ日本人の実子は、父親の本国であるイギリス法に基づいて、父親の財産を相続する権利があることになります。



     イギリス法では、相続をめぐり日本と異なる法制度がとられている点があるようです。

     たとえば、イギリスでは、動産については被相続人の属人法を、不動産についてはその所在地法を適用するという「相続分割主義」を採用しています。もっとも、ご相談の場合は父親の財産がすべてイギリスにあるということですから、すべてイギリス法により判断されることになるでしょう。

     また、イギリスでは、「管理清算主義」が採用されており、被相続人(父親)の相続財産のうち、借金などの負の財産は相続人(実子である娘)に移転しないようです。管理清算主義とは、被相続人の財産が、相続開始の時点でいったん被相続人の人格代表者である遺産管理人または遺言執行人に帰属し、遺産という一種の財団が形成され、彼らによる債権債務関係の清算を経た後、残余の積極財産のみ相続人に分配されるという相続法制度です。



     なお、ご相談の場合のように、被相続人(父親)の住所が外国であり、外国法に基づいて相続をする場合でも、相続人(娘)の住所が日本であり、国籍が日本である場合は、相続人が取得した全財産に対して、日本法に基づき相続税が課されます(相続税法1条の3第1項)。

     ただ、イギリスで日本の相続税に相当する税が課された場合は、外国税額控除の方法により二重課税を調整します(相続税法21条)。

2014年01月14日

相続人に強い弁護士

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