共同相続人の内1人による預金払戻請求書の開示請求は可能か?

User image 1 匿名ユーザーさん 2014年06月25日 19時35分

 被相続人が死亡した後、相続財産の調査のため、銀行に預金取引履歴書を取り寄せたところ、使途不明金1000万円があることが判明しました。そこで誰が窓口で預金を引き出したのかを知るために、その使途不明金についての、預金払戻請求書、委任状、本人確認書の提出を書面で請求しました。
 ところが、被相続人の預金払戻請求書、委任状については相続人全員の同意がないと提出できない、と言われました。時期が来れば弁護士を通じて請求しようと考えておりますが、現時点で銀行に対して預金払戻請求書などの依頼書類を提出させる方法があれば教えてください。



(60代:男性)

匿名弁護士

     相談者の方は、相続財産を確認するため銀行に対して預金取引履歴書の開示請求を行い、それについては取得されている状態ですね。補足になりますが、最高裁判所の判例で、遺産分割協議前において共同相続人の1人からの請求であっても「預金取引履歴書は」開示義務があることが示されています(最高裁平成21年1月22日民集63巻1号228頁)。

     通常、弁護士を通じた被相続人の銀行預金の調査については、



    1. 預金の有無の確認

    2. 預金取引履歴書の開示請求を行い、預金の出入りに不審点がないかを確認する

    3. 不審点があれば、預金払戻請求書(預金払戻を行う際に、銀行窓口で記入する書面。これを取得することで誰がいつどの程度の金額を引き出したかがわかる)の開示請求を行う。



    という流れで進めるのが一般的です。

     相談者の方は、(2)の段階まで進められている状態と思われます。

     しかしながら、銀行実務においては他の相続人との間におけるトラブル回避などの観点から、上述のような判例があっても、相続人全員の同意がない限り、預金取引履歴書の開示すら断るケースもあり、慎重な態度をとることがあります。裁判例が確立されていない預金払戻請求書などの開示については、金融機関側もさらに慎重な態度を示すことも想定されます。

     相談者の方が望むように、独力で交渉を行うことは相当大変ではないかと考えられます。

     むしろ、早期に弁護士に依頼し、金融機関との交渉をお願いする方がスムーズな解決がなされるものと考えます。例えば、弁護士に依頼することで、交渉を代行してもらうことの他に、遺産分割調停における調査嘱託という手続きで銀行に対して開示を求める方法など、手法の幅も広がります。あまり考えたくはありませんが、使途不明金があるとの事情から、最終的に遺産分割で争う可能性もありえますので、やはり、早期に弁護士に依頼することがよいかと思われます。

2014年06月25日 19時35分

投稿時の情報です。適法性については自身で確認のうえ、ご活用ください。

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