遺産分割の審判は、法定相続分どおりに決められる?

Legalus編集部さん 2014年01月14日

 私は、長男として両親と同居し、生活費等は一切もらっていませんでした。相続発生後、兄弟の1人と感情的なしこりがあったこともあり、遺産分割の調停がまとまりません。このままだと調停が不調になることが強く予想されます。今後、審判や裁判になった場合、どのように分割されるのでしょうか。民法906条には「各相続人の年齢、職業、心身の状況および生活の状況その他の事情を考慮してこれをする」とありますが、東京高裁昭和42年1月11日判決には「法廷相続分に従わなければならず、これを無視した分割審判はできない」とあります。これをどう解釈すればいいのですか。私には寄与分(扶養型)もあり、何ら面倒をみなかった相手方に、相続分が均等にいくことには到底納得できません。



(50代:男性)

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Legalus編集部

     基本的には法定相続分による分割がなされますが、寄与分も考慮されますし、現実にどう分割するかにあたっては、民法906条の様々な事情が考慮されます。



     遺産分割には、遺言による指定分割のほか、協議分割調停分割審判分割があります。

     被相続人の「遺言」がない場合は、相続人の協議によりますが、協議さえまとまれば、それが共同相続人の自由な意思に基づく限り、法定相続分に従わない分割も有効です。

     しかし、審判分割による場合は、基本的に法定相続分にしたがって分割がなされるべきであると考えられています。

     民法906条は、「遺産の分割は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする。」と規定していますが、これは、遺産の分割を「実行」する際の指針を定めたものと考えるのが一般的です。

     つまり、遺産の「分割」は法定相続分にしたがってなされなければなりませんが、その分割の「実行」、たとえば遺産の中に土地や建物、預金などがある場合に、土地や建物は現在居住している者に取得させ、預金は他の物に取得させ、両者の間に不均衡があれば、預金などで均衡をとって分割すべきであることを定めた規定と考えられているのです。

     ご相談の場合も、審判分割では、基本的に法定相続分に従って分割割合が決められます。この法定相続分の算定には、寄与分も当然考慮されます。寄与分は、被相続人の財産の維持・増加のために、「特別の寄与」があったと認められる必要があります。単に同居していたことにとどまらず、親子関係として通常期待されるような程度を超える貢献があったことを主張しましょう。あなたが自分の家や土地を提供したり、両親に生活費を渡したりして生活を援助し、両親の支出を減少させた結果として相続財産の維持に寄与したといえる事情があれば、寄与分が認められるでしょう。

2014年01月14日

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