賃借人が死んだら部屋の処分は法的には誰がするの?

Legalus編集部さん 2016年03月23日

 ほとんど面識の無い叔父が一人暮らしで亡くなりました。保証人は叔父の姉だったのですが、叔父よりも早く、一年前に亡くなっています。

 不動産屋さんからは、部屋の処理を早急にしてほしいと連絡がありましたが、こちらの親族は、お互いに折り合いが悪く、話しが進みません。

 法律的には、どのようにしなければならないのでしょうか?



(不明:男性)

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Legalus編集部

     まず、賃借人の死亡によっても賃貸借契約は消滅せず、賃借権は相続財産として相続人に当然に承継されることになります。相続人が複数であればその全員が共同相続し、全員が使用収益権を有することになります(民法264条)。

     次に、賃貸人は賃借人との賃貸借契約を終了させるには、相続人全員に対して解除の意思表示をする必要があります(民法544条1項最判昭和36年12月22日)。これに対し、相続人全員が承諾した場合に当該賃貸借契約は合意解除された事になります。

     そして、賃借人死亡後に賃貸借契約が解除された場合、賃借人の地位を承継している相続人は、賃貸人に対し当該物件の明渡義務を負う事になります。この義務には賃借人の家財道具等の動産を処分することも含まれます。



     しかし、相続人が相続放棄をすればこれらの義務を負う事はありません。

     もし叔父さんに財産が無いのであれば、相続人が相続放棄することをおすすめします。なお、相続放棄は単独でする事ができますが、のちのちの親戚間でのトラブルを避けるためにも相続人全員が相続放棄をされるのがよいでしょう。



     他方、叔父さんにある程度財産がある場合には、相続人が相続放棄をせずに、当該賃貸借契約解除に応じる事になるでしょう。解除に応じると、賃貸人に物件を明け渡さなければならなくなります(解除に応じない場合には賃料支払い義務を負う事になります)。

     この場合に相続人のうちの誰か一人が勝手に処分をする事はトラブルのもとですので、誰か代表者を決めて処分にかかった費用を相続人全員で折半することを事前に決めておかれた方がよいでしょう。



     なお、叔父さんが亡くなった場合に甥である相談者が相続人となるのは、叔父さんに子がなく、直系尊属(相談者の祖父母)も全員死亡していて、かつ相談者の親(叔父さんと兄弟姉妹関係にある人)が亡くなっている場合です。

2016年03月23日

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