父親から相続できなかった家を時効取得できないものか・・・

User image 1 匿名ユーザーさん 2014年01月14日 05時27分

 25年近く前に父が、私が結婚するにあたり家を建ててくれました。土地は父名義でその上に家を建てました。建物(家)は父と私の半々の名義だと思っていました。五年前に父が亡くなり、公正証書遺言に共有物件(建物)は母に全部相続させると書かれてあり、証書の存在を知らず四年半過ぎてやっと半分の権利を失ったと知りました。土地だけは相続しましたが、建物も時効により取得しているのではと思います。このような事情のもと土地と建物について登記をしても違法ではないですか?まだ土地も建物も未登記です。ご回答を御願いします。



(50代:男性)

匿名弁護士

 まず、土地に関してはその全部について相談者所有ということですので、その通りの登記をすることができます。
次に、本件建物が共有名義であるのであれば、相談者の父親は自己の持分しか母親に相続させることはできません。したがって、建物については、相談者と母親がそれぞれ2分の1の割合で共有することになり、その持分に従った登記をすることができます。
そして、母親に父親の共有持分権が相続されたとしても、相談者は共有物の全部を従来どおり使用することができます。相談者と相談者の父親との間に本件建物に関して、黙示の使用貸借契約が存在していたと考えられ、その貸主たる地位を相続によって母親が受け継いだと考えられるからです。また、母親から出て行くように求められても出て行く必要もありません(最判昭和41年5月19日参照)。

もっとも、母親が相続した共有持分について、現時点で時効取得することはできませんし、今後も時効取得の可能性は低いといっていいでしょう。

まず、時効取得するためには自主占有であることが必要です。自主占有とは、自ら所有する意思をもって占有することですが、父親が存命の時は共有であることを認識していたのですから、自主占有が認められるとしても、相続開始後ということになります。そして、時効による権利の取得には、最短でも10年かかりますので(民法163条)、少なくとも現時点では時効取得していないことになります。

また、共有物の全体を使用しているというだけでは、他人の共有持分について自主占有していたとはいえないため、自主占有の主張そのものが難しいといえます(民法249条参照)。

ですので、建物について相談者の単独所有とする登記をすることはできません。もし、虚偽の申立てをして不実の登記を作出した場合には公正証書原本不実記載罪(刑法157条)に問われる可能性があります。

2014年01月14日 05時27分

投稿時の情報です。適法性については自身で確認のうえ、ご活用ください。

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