相続放棄で思わぬ勘違い!取消はできない?

Legalus編集部さん 2016年05月26日

 昨年12月、父が他界しました。生前、父から、兄弟三人が財産放棄をして母に全ての財産を渡すように言われていました。兄弟三人、反対する者も無く、財産放棄の手続きを終え、これで約束通り父の全ての財産が母にいくと安心していました。ところが、預貯金の名義変更の手続きをしようとしたところ、父の親兄弟の財産放棄か遺産分割協議書が必要と言われました。母のために財産放棄したことで、かえって難しくしてしまったようです。

 父の両親は他界しておりますが、兄弟は人数も多く各地に居住しているため、全員から同意をもらうのは簡単ではありません。裁判所に電話で問い合わせたところ、原則、相続放棄の取り消しはできないといわれました。

 たいした額ではありませんが母の老後にとっては大事な預貯金と不動産です。どうか良い方法がございましたら教えて下さい。



(40代:女性)

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Legalus編集部

     夫が死亡した場合、相続人となるのは妻と子供です(民法887条890条)。そこで、亡きお父様の子供3人全員が相続の放棄をすれば、全財産はお母様が相続することになると思われたのですね。ところが、相続を放棄すると、放棄した者は、初めから相続人にならなかったものとみなされます(民法939条)。

     その結果、妻であるお母様のほかに、お父様の兄弟が相続人となったわけです(民法889条)。



     相続の放棄については撤回することはできませんが、取消しがまったくできないわけではありません。民法919条2項によると、詐欺脅迫によって相続放棄をしてしまった場合には、取消しが可能です。ただし、6ヶ月という期間制限があります(同条3項)。裁判所に問い合わせをされたときに、「原則」取消しはできないといわれたのは、この意味だと思われます。



     本件では、錯誤(民法95条)の主張が考えられます。判例は、相続放棄について、民法95条の適用自体は認めていますが、放棄をした動機に錯誤があるにすぎない場合には、主張が認められなかった事例があります。



     裁判所は事情を総合して判断するとのことですので、まずは、手続きとして相続放棄の取消し申請をすることです。お父様が、生前に、全ての財産をお母様に相続させるため、兄弟3人は相続放棄をするようにと言われていたことを証明できるものがあったら、用意しておきます。遺言書のように正式なものでなくとも、錯誤におちいって相続を放棄したことの証明にはなりえます。



     相続放棄が取り消されると、相続人はお母様と子供3人の状態にもどります。そのうえで、全ての財産をお母様が相続する旨の遺産分割協議をし、預貯金の名義変更手続きをします。金融機関・預金の種類によって若干異なりますが、遺産分割協議書の他、相続人の印鑑証明、戸籍謄本等が必要になります。


     不動産についても、登記名義がお父様になっているようでしたら、相続による所有権移転登記手続きについて、同様の問題が生じます。



     お父様の兄弟全員による相続放棄や遺産分割の手続きを考えますと、再度、裁判所で事情を説明されたうえで、相続放棄の取消し申請をすることを考えてみてください。

2016年05月26日

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