相続人の私に黙って遺言書の執行は出来るの?

Legalus編集部さん 2014年01月14日

 亡き父が兄にすべてを相続させる旨の公正証書遺言書を残し、兄が家や土地、預貯金、生命保険等全部独り占めしました。 一周忌のときなにも説明なく、後になって公正証書遺言書があることを知りました。私たちに遺言がある事等を知らせないで、生命保険や銀行のお金を独り占めできますか。

 兄弟なので、全部独り占めは 出来ないと思いますので、遺留分の請求をしたいと思います。



(60代:女性)

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Legalus編集部

     公正証書遺言遺言執行人が付されている場合には、遺言執行人が単独で銀行預金を引き出せる場合があります。

     遺言執行者は、相続人を代理して遺言を執行する事を職務とします。つまり、遺言者本人の財産を遺言書の記載どおりに受遺者(遺言によって財産をもらう人)に分配します。具体的には、銀行預金を払い戻したり不動産の所有権移転手続を行ったりします。

     銀行によっては、遺言執行者が行う場合であっても相続人全員の印鑑証明の提出を求めるところもありますが、それを求めない銀行もあります。ですので、今回被相続人が預金をされていた銀行が遺言執行者による預金を引き出す場合に相続人全員の印鑑証明を求めない取り扱いをしていたことによって、相談者の与り知らないところで預金が引き出されたのでしょう。

     土地や建物の所有権の移転登記手続に関しては、受遺者であるお兄さんが単独で所有権移転登記をする事が可能です。



     次に、遺留分に関してですが、遺留分減殺請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び減殺すべき贈与または遺贈があったことを知った時から、1年間行使しないときは、時効によって消滅します(民法1042条前段)。この「減殺すべき贈与があったことを知った時」とは、贈与・遺贈があったことを知り、かつ、それが遺留分を侵害して減殺できるものであることを知った時をいいます(大判明治38年4月26日)。ですので、相談者の場合お兄さんにすべてを相続させる旨の遺言があった事を知ったときから1年以内に遺留分減殺請求をする必要があります。

     なお遺留分に関しては当サイトの「遺留分減殺請求の流れ」もご覧下さい。

2014年01月14日

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