いきなり示された信託譲渡契約書って何?

User image 1 匿名ユーザーさん 2016年02月10日 21時15分

 ある独居老人が亡くなりました。その老人は生前付き合いのあった女性の紹介で弁護士さんに遺言の相談をしたそうです。

 そして、その方の死後その弁護士が遺族に提示したのは信託譲渡契約書。遺産のあらかたが弁護士に信託譲渡されていたといいます。

 そんなのアリですか?遺留分は認められますか?



(60代:女性)

匿名弁護士

     まず、大きな誤解がありそうなのであらかじめお答えいたします。

     信託という制度は、簡単に言えば「頼む側が使い道を指定して財産を託すものであって、譲り渡すものではない」というものです。



     したがって、「財産が弁護士に取られる」ということはないのでご安心ください。

     信託法において、受託者は委託者との間で交わされた契約等に基づき、信託財産の管理や処分のみを行う権限を有し(信託法26条)、善管注意義務という厳しい義務が課せられています(信託法29条2項)。

     また、信託財産に損失が生じたときは、そのてん補をしなければならないという責任を負っています(信託法40条1項)。



     ご相談内容から察するに、亡くなられた方が採用された方式はいわゆる「遺言代用信託」であると考えられます(法律上の名称ではありません。一般的な名称としてご理解ください)。

     これは、委託者(亡くなられた方)が受託者(今回のケースでは弁護士)に対して、自分の死後に、自らの財産を自分が指定した人に自分が指定した方法で引き出させるように手配できるものです。



     弁護士が受託者となるケースもあれば、信託銀行などの企業がこの役目を負うケースもあります。

     後者の場合、金融機関の商品として展開されている場合が一般的と言えます(いずれの手法であっても、受託者には報酬の支払いが生じます)。



     遺言代用信託のメリットは、通常の遺産相続のように相続人全員の同意がなければ預金が引き出せないという煩雑さがない点などがあげられます。

     生前の委託者が決めたルールで、毎月いくらを分配する、あるいは、財産を処分して誰にいくらを渡すということがスムーズに行えるという具合です。



     ご心配されている「遺留分」とは、民法で定められている一定範囲の相続人が最低限相続できる財産を意味します(民法1028条)。

     これについては、信託に置いて、遺留分が侵害されるような分配方法となった場合は、遺留分減債請求が行えます。つまり、「遺留分は信託を用いても保護されている」のでご安心ください。



     これまで述べたように、信託は決して財産を根こそぎ受託者が奪うものではありません。

     そのため、まずは受託者となった弁護士の方に、どのような財産があって、それがどのように分配されるのかなどの詳細を問い合わせる必要があると考えます。

2016年02月10日 21時15分

投稿時の情報です。適法性については自身で確認のうえ、ご活用ください。

関連Q&A

本家に貢献していない長男の代襲相続人に遺留分をしはらうべきなのか

遺留分 2017年07月04日

数か月前母が他界しました。公証役場にて遺言書を作成していました。 内容が30年間本家に入り同居し、母を介護してきた長女に全て相続させるという 内容のものでした。 相続人は受遺者の長女を含め6人。兄弟は遺言の内容で納得したのですが、 3...

遺産相続で困っています。

遺留分 2017年07月01日

遺産相続で困っています。 祖父が亡くなりました。祖母は既に亡くなっているため、子供4人が相続します。4人のうち長男(私の父)が亡くなっているため、孫である私が父の分を相続することになりました。 そこに、遺言状が見つかりました。全財産を...

問題は解決しましたか?

弁護士を検索して問い合わせる

弁護士Q&Aに質問を投稿する

投稿する

遺留分に強い弁護士

身の回りの法律トラブルの解決に積極的に取り組んでおります

お話をじっくり聞き、より良い解決策をご提案します。

【初回法律相談無料】一人で悩まずご相談ください。全力で向き合い解決に導きます。

《初回相談無料》お客さまの身近なパートナーとして、徹底サポートいたします。

【初回相談無料】依頼者様の満足とご納得を最大の価値として全力でサポートいたします。

【初回相談は1時間無料です】お客様にとっての最善策を追求します

ページ
トップへ