口頭での相続放棄は有効?

Legalus編集部さん 2014年01月13日

 父が亡くなり、遺言書には私に全ての財産を相続させるとありました。後妻である継母は、「その遺言書は父と相談し、私も納得して書いてもらったので、何もいらない。」と私に言っていましたが、7ヶ月ほどたってから、内容証明で遺留分減殺請求をしてきました。遺留分を渡さないといけないのでしょうか?

(40代:女性)

関連Q&A

いきなり示された信託譲渡契約書って何?

遺留分 2016年02月10日

ある独居老人が亡くなりました。その老人は生前付き合いのあった女性の紹介で弁護士さんに遺言の相談をしたそうです。 そして、その方の死後その弁護士が遺族に提示したのは信託譲渡契約書。遺産のあらかたが弁護士に信託譲渡されていたといいます。 ...

5年前に死んだ父の預金通帳が出てきた!相続人であれば引き出せる?

遺留分 2016年01月27日

5年前に死んだ父親の残金の有る信用金庫の通帳が出て来てきました。預金額は1万少々なんですが、相続人である私は受け取ることが出来ますか?受け取りには戸籍抄本か戸籍謄本のどちらが必要になりますか? (40代:女性)

解決してない質問があれば、新しく質問を登録しましょう!

新しく質問する

Legalus編集部

     あなたがお知りになりたいのは、「一度は『何もいらない』と言っておきながら、『やっぱり遺留分は渡してくれ』という継母の言い分が通るのか?」だと思われますが、残念ながら、本件の場合、あなたは継母に遺留分を渡さなければならないと考えられます。以下、その理由をご説明します。

     まず、継母は、配偶者として、お父様の相続人としての地位にあります(890条)。そして、相続人が相続を放棄した場合、その相続人は最初から相続人とはならなかったものとして取り扱われます(939条)。では、「何もいらない」と言ったが相続の放棄をしたことになるのでしょうか?
     単に「何もいらない」と口頭であなたに伝えたことは、民法上の相続放棄(939条)にはあたりません。それは、民法上の相続放棄が要式行為であり、家庭裁判所に対する申述としてなされなければならないものだからです(938条)。申述がなされれば、家庭裁判所は本人の意思確認を行います。そして、本人の意思によるものであることが確認できた時、相続放棄は効果を生じることになります(通常は本人宛の照会書が届けられ、それに対して回答書を返送するという手続で行われます)。つまり、相続放棄がその者の真摯な意思によるものであるかどうかを審査するため、法は相続放棄に一定の手続きを要求しているのです。したがって、継母はお父様の相続人のままであることになります。

     もっとも、お父様はあなたに全財産を相続させる旨の遺言を残しています。この遺言が有効であるとした場合、これにより、あなたはお父様の全財産を相続することになります。しかし、ここで継母が遺留分減殺請求をした場合、事態はどのように変化するのでしょうか?
     遺留分制度は、被相続人(お父様)の財産処分の自由と遺留分権者(継母)の生活の安定を調整する制度です。そのため、遺言の効力に直接影響を与えるものではありません。ただ、あなたに帰属した相続財産総額のうちの遺留分相当額(継母は配偶者なので1/4)は、遺留分減殺請求がなされることによって、遺留分権者(継母)に当然に帰属することになります(1028条、1034条)。継母が内容証明郵便で遺留分減殺請求をしたのは、これによって減殺請求をしたという証拠を残す趣旨であったと思われます。

    以上のように、継母が減殺請求をした内容証明郵便の到達により、あなたが相続した総財産のうちの1/4の価格は継母の所有に帰属したことになりますから、この部分は継母に渡さなければなりません。

2014年01月13日

遺留分に強い弁護士

【交通事故案件多数】【複数弁護士対応可】 栃木県北の頼れる弁護士

お客様一人一人に会った解決方法をご提案します

解決してない質問があれば、新しく質問を登録しましょう!

新しく質問する
ページ
トップへ