家事審判の既判力について

Legalus編集部さん 2015年07月15日

 家事審判に既判力はあるのでしょうか?



(10代:男性)

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Legalus編集部

     既判力とは、確定判決が有する後訴(控訴や上告での裁判など)での通用力、あるいは基準性のことを意味します。

     例えば、AさんとBさんとの間で、特定の土地の所有権の確認をする裁判(簡単に言えば、誰がその土地の所有者であるかを争う裁判)を行い、その確定判決が出てAさんの所有であるとされたとします。そうすると、AさんとBさんとの間で、同じ土地について判決内容と異なる当事者の主張や裁判所の判断が許されなくなるものです。したがって、裁判所が「やっぱりBさんの所有である」と判断したり、Bさんが「やはり私に所有権がある」との主張ができなくなります。

     この既判力が生じる理由は、大きくは2つあるとされます。1つは、判決によって確定された権利・法律関係を明確に決めることで、再度争わせる煩雑さを回避する事です。要は、蒸し返しを防ぎ、きちんと決着をつけるために与えられた制度的な効力です。もう1つは、裁判という形式で、両方の当事者が主張を尽くして、それに対して裁判所が客観的に権利関係を審理するという手続的保障がなされたのであるから、蒸し返すべきではないという点です。

     したがって、この2つの理由を背景に、「蒸し返しを防がせるため」かつ「手続的保障が十分にある」



    1. 確定終局判決

    2. 訴訟費用に関する決定(民事訴訟法69条)

    3. 支払督促に対する異議却下決定(民事訴訟法394条)


    などには既判力が生じるとされます。

     他方、家事審判については、基本的に既判力が認められないという考え方が一般的です。これは、家事審判は一般的な民事訴訟とは異なり、当事者の感情的な対立などをも解消し合意を形成していこうとする側面が強く、「当事者が主張を尽くし、裁判所が客観的に権利関係を確定させる」という手続的保障が充足されにくい制度であるためとされているからです。

     ただ、手続的保障が制度的に充足されていて、実質的に一般的な裁判と変わらない「調停に代わる審判」(家事事件手続法284条など)には既判力が生じるとされています。

2015年07月15日

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