和解の比率や相場ってどうなっているのでしょうか?

Legalus編集部さん 2015年10月09日

 通常、民事裁判に於いて和解が多いのですがその時の金額はどうして決まるのでしょうか?民事の場合喧嘩両成敗の方針が根底に有るのか、和解が多いと聞きます。当事者同士は感情面が有り和解したくない面があったとしても最終的に和解で多少なりとも金額提示されればなびく当事者も多いとは思いますが。どうしても白黒はっきりつけて貰いたい時は、判決にいくのでしょうか?



(60代:男性)

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Legalus編集部

     ご質問における「和解」は、法律上で申し上げると「訴訟上の和解」になります。当事者が訴訟上の請求に関連して、主張しあう内容を踏まえ、互譲をもって口頭弁論期日などにおいて、権利関係に関する合意と訴訟終了について合意することをいいます。

     裁判所は、訴訟がどのような段階であっても和解を試みることができます(民事訴訟法89条)。当事者双方から「和解をしたい」という打診をする場合もあれば、「ここらへんが落とし所だろう」と考えて裁判官から「和解をしてはどうか?」と打診する場合もあります。

     民事訴訟は、単に金銭の請求だけではなく、労働裁判において職場における地位の確認や、離婚訴訟で親権者を誰にするかなども扱うため、こうした条項を和解に盛り込むこともあります。したがって、和解の相場=金額の相場、というように直接はリンクしない点はご理解ください。



     これらの前提にご質問にお答えすると、金銭の請求を伴う裁判上の和解の金額は「千差万別」決まり方も「千差万別」です。争っている事案のジャンル、訴訟額などさまざまな要素を考慮して決められます。

     例えば、解雇が無効であるとして、身分の保全と、在職していると仮定して賃金相当額の損害賠償金の請求をしている事案であれば、勝訴の見込み、どこまでお金を回収できるか(会社の財務状況)、これまでの在職年数や給与額などを考慮して、和解するときの妥当な金額を考えることになります。

     一方、例えば車同士がぶつかった交通事故の損害賠償を行う事案なら、修理代や過失の割合、怪我の重症度、相手方の懐事情などを考慮して和解するときの金額を考えると思われます。



     和解をするメリットは多々あります。まず、紛争が早期に解決されるという点。これは、訴訟費用の低減にも役立ちます。そして、判決において全面的に敗訴するリスクを避けられるという点。また、当事者間で複数の条項について合意し、後の争いを未然に防げるという点などがあげられます(判決の場合、裁判所が限定的で紛争の根本的解決に役立たず、新たな訴訟を必要とする場合もありえます)。

     加えて、金銭の請求を伴う和解の場合、履行可能性が高まるという点もメリットです。というのも、和解で金額を決めるということは「相手の懐事情を踏まえて支払える金額で合意する」ということですから、和解後に「それは払えない」ということは考えにくくなるためです。



     実際、裁判に発展した場合、訴訟件数に対する判決と和解の割合は、地方裁判所の第一審通常訴訟でそれぞれ44%と35%となっています(平成26年司法統計より。残りは訴えの取下げなどです)。現在の訴訟において和解という仕組みが非常に重視されていることがうかがえます。

     「それでも判決を」と望む場合というのは、やはり当事者が勝ち負けを度外視して、裁判所から「判決」というカタチで決着をつけたいという考えがあったり、「判例」として後の同じような事案の参考例を残したいという考えが働いたりという理由は挙げられると思います。

2015年10月09日

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