「請求可能」の意味とは?

User image 1 匿名ユーザーさん 2014年01月07日 04時12分

 法律相談の回答で、よく「あなたは請求することができます」とか「請求することが可能です」という言い回しを耳にしますが、意味が曖昧で、よく分かりません。
 相手側に「支払う義務がある」という意味なのですか? 普通は、請求したぐらいでは素直に支払ってはくれないでしょう。そういう場合に相手に支払う義務があれば、裁判所に訴えることもできそうです。
 それとも、「請求する権利がある」というだけで、相手に支払う義務はないということなのでしょうか。

(50代:男性)

匿名弁護士

 ご意見のとおり、法律相談の回答文には何やら奥歯に物が挟まったような言い回しがありますね。相談する側としては「金が取れるのか取れないのか、はっきりしてくれ!」と言いたくなるのももっともだと思います。

 ご質問で想定されているのは、民事に関することだと思います。刑事事件でも「告訴することができる」という言い方はなされます。が、被害者にできるのは、告訴(犯罪の被害者等が、捜査機関に対して犯罪事実を申告し、処罰してほしいと求めること)をするかしないかを決めることまでです。被害者自身が刑事裁判を起こすことは認められていません。告訴を受けて事件処理する(事件として取り上げ、検察へのルートに乗せるよう捜査活動などを進めていくこと)、送検後、起訴不起訴を決定する、これらは警察や検察官に委ねられています。つまり、被害者の言い分を聞いたあとは、代わりに国家が加害者(犯人)に公訴を提起する(裁判を起こす)わけです。ですから、息子を殺された親が「犯人は反省しているようだから許してあげる」といって、死刑を無罪にすることはできません。

 これに対して民事では、裁判にするかしないかを含め、一切の処理は当事者に任されています。これを処分権主義といいます。民法の大原則に「私的自治の原則」というのがあります。「近代社会においては個人は自由かつ平等とされている以上、そのような個人の権利義務関係を拘束できるのは当事者本人らの意思でしかない」という原則なのですが、処分権主義はこの思想が したがって、裁判が始まっても、原告(訴えを提起した人)は、原則としていつでも訴えを取り下げることができますし、お互いに和解して一件落着にすることもできるというわけです。

 ですから、「請求することが可能」というのは、あなたに権利があり相手には義務があることを認めた上で、あなたはその権利を「請求」という形で「処分」できるんですよ、という意味だと考えてください。そして「請求」とは、回答文に特別の限定がない限りは、「裁判上で請求できること」つまり「裁判で訴えられる」ということです。

 ただし、相手には相手の言い分があり、それなりの主張をしてくることが予想されますから、何の障害もなく勝てるという保障があるわけではありません。「可能」という言葉はそんなニュアンスも含んでいます。また、勝訴しても、相手が無資力であれば満足を受けられないこともよくあります。

2014年01月07日 04時12分

投稿時の情報です。適法性については自身で確認のうえ、ご活用ください。

関連Q&A

5日たっても、高等裁判所より判決が届かないことがあるか、理由は何か。

民事裁判 2019年04月16日

損害賠償請求控訴事件の原告・控訴人です。 (質問)1、一般的なこととして、5日たっても、高等裁判所より判決が届かないことがあるか。 (質問)2、また、理由はどのようなものが考えられるか。

離婚裁判 相手に送達が行われる前に離婚届を出した場合、裁判はどうなるのでしょうか

民事裁判 2019年03月28日

地方裁判所で離婚の裁判を始めることになり受理はされましたが、送達はされていません。 その間、離婚に関して合意ができ、相手に早く提出してほしいといわれたので離婚届を出しました。 裁判所へは訴訟変更届をだせば、そのまま、財産分与に関しての...

取引先業者が弊社の請求の支払いに応じてくれません。どうしたらよいですか?アドバイス頂けたらと思います。

民事裁判 2019年03月04日

取り引き先の社員が普通に注文してきてその中の材料を何点か自分の知り合いの下請け業者に 渡して工事をさせて 集金したお金は会社に入れずに横領したようです。 材料代は会社の請求にしていたためその社員は材料代も払わず工事代金をごっそり着服。...

民事で訴額を超える判決

民事裁判 2019年02月13日

掲示県では休憩を超える景気の判決がたまに出ます。 民事で訴額を超える判決が出ることの有無を。

弁護士Q&Aを検索

問題は解決しましたか?

弁護士を検索して問い合わせる

弁護士Q&Aに質問を投稿する

ページ
トップへ