債務不存在確認訴訟に対する反訴の提起の有効性について

User image 9 shigeさん 2017年02月28日 23時42分

会社の同僚らより暴行を受け、現在も労災保険により通院中です。形式的な謝罪は受けたのですが納得がいかない為、メールにて納得いかない旨伝えました。すると、弁護士を立てる旨のメールが来ました。そこで当方は、精神的慰謝料、通院慰謝料(赤い本ベース)、物損、休業中の生活費借入の利息年利5%、労災休業補償60%を除く休業補償分、インク、コピー用紙、役所への電話、手間賃などの諸雑費などを合算して、500万円超の損害賠償請求を加害者2名に内容証明送達しました。その後、加害者らの代理人より、証拠の提示依頼と、加害者らに直接接触しないようにとの内容証明郵便が届きました。当方は加害者代理人との接触を留保していたところ、先方代理人より、請求の趣旨に「原告らの被告に対する平成28年●月●日発生の不法行為による500万●●●●円の債務は存在しないことを確認する」との債務不存在の確認訴訟の訴状が東京地裁より送達されました。
 このことに対して、まず答弁書を作成。請求したこと金額は認め、暴行を働いていないとの主張には全て否認郵送予定です。今後の方針としては、反訴の提起をする方向で考えています。
 そこで、反訴についてですが、①反訴を行うことについてのデメリット、問題点などがあればご教授いただきたいのですが。②反訴の一番適切な時期を理由も含めご教授いただきたいのですが。③反訴の印紙金額の金額について、裁判所の表を見たのですがいまいちわかりずらいため、ご教授いただけますでしょうか。④現在症状固定には至っておりません。そのため、通院慰謝料、その他の諸経費等が増額していきます。また、少額ですが、今回損害賠償請求した時以降に発生した経費、損害賠償請求郵送時に漏れていた経費が多少あります。それらの金員の請求についてのやり方をご教授いただきたいのですが。何卒よろしくお願いいたします。

 ① ④とも関連しますが、症状固定に至っていないということですと、症状固定に至った後の後遺障害逸失利益や後遺障害慰謝料、その他等は現在未請求という事かと思います。この場合、最も大事なことは、上記500万円の請求は全損害の一部であることを明示する必要があります。損害総額が確定できない場合には、訴状にその旨記載しておく必要がります。

 ②一般論としては、症状固定後損害が確定した段階で行なうのが原則です。そのため、まずは債務不存在確認訴訟の中で実質的な審理を行なった上で、症状固定段階までに確定した損害並びにご自身が想定される後遺障害等級を前提とした後遺障害逸失利益及び後遺障害慰謝料を加算した金額を反訴額とするのが望ましいです。
 ご指摘のように、早期に500万円分につき反訴をご希望されるのであれば、上記の通り一部請求であることを明示する必要があります。
 ただ、何度も拡張するとなると裁判進行の見通しが立たなくなるおそれがあります。そのため、500万円で反訴を提起される場合には、上記の通り症状固定後に残額を一括して加算する形にされた方がよいのではないかと思います。

 ③おそらく、訴えの提起ですので訴額500万円であれば印紙代は3万円になると思いますが、念のため裁判所の書記官の方にご確認頂いた方がよいでしょう。

2017年03月01日 00時07分
補足質問
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shige - 2017年03月01日 16時59分

小川 智史先生 早速のレスありがとうございます。感謝申し上げます。そこで、今一つ下記ご教示いただきたいのですが、手順としては、①応訴として、答弁書を提出するということがまず初めに行うことだと思いますがそれでよろしいのでしょうか。なお、現在答弁書を準備中です。私が請求した500万円の損害賠償の項目を原告代理人列記してきたので、それは精査して認めるつもりです。しかし、既送付済みの内容証明郵便に記載した、今後の入通院慰謝料、未来の後遺障害逸失利益及び後遺障害慰謝料、諸雑費等には触れられておらず、記載されていないため、被告の主張が不完全な状況になっております。そのため、そこは違うということを主張しようと思っております。②反訴の訴状と重複するとは思いますが、また、先ほどの回答で非常に参考になったのですが、症状固定の着地が見えずらい為と杖で痛みを伴いますがゆっくりの近距離歩行や腰かけての移動は可能なので、手術をしない保存療法であれば、大きな後遺障害は残らないのではないかと思っています。先生に「一部請求であることを明示する必要」とご教授いただいているのですが、そこの記述のし方に悩んでいます。更にどのような書き方が良いのかご教授いただけると幸甚です。④また、反訴の訴状と重なることは問題ないでしょうか。そして、原告らは、被告に対して、「強制的に部屋から退去させてことは社会人としてふさわしくなかった。」との謝罪文を提示しているのですが、原告らが自ら行った暴力を否認する、被告の体を拘束し強引に引きずった事実はないと主張しているので、被告としては、原告のそれらの主張を全て否認すると答弁書に記載の予定です。よって書については争うと記載する予定です。被告の主張は後述するとした上で、【被告の主張】を裁判所の答弁書とは別紙で、【案】「原告A、Bらは,共謀して,平成28年●月●●日午前●時●●分過ぎごろ,事件現場である株式会社C内で,二人がかりで被告を引きずり出したため,被告はその時腰を痛め,今だに治癒せず通院治療を続けている。従って,被告は今般の傷害事件の被害者として,加害者A,Bらに対して,被害に対する,相応の損害賠償請求を求める。」としようと思っています。答弁書提出期限が近づいております。⑤答弁書内容、手順はこの様な感じでよろしいでしょうか。⑥事件当時の、傷の日付入り写真、血が付いたワイシャツ、医師の診断書、DVD画像、その他、事件当日、当時に記載したメモ等の証拠についての提示時期は、答弁書提出時に証拠説明書と共にダ出したほうがよろしいでしょうか。それとも、反訴状にて反訴の提起をするときのほうがよろしいでしょうか。ご教授いただけますと幸甚です。よろしくお願いいたします。
補足回答
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小川 智史 弁護士 - 2017年03月01日 21時23分

1.答弁書を提出しないと敗訴判決が言い渡されてしまうため、答弁書は必ず提出する必要があります。

2.被告の主張については「別紙のとおり」として添付する場合には、割印が必要ではないかと思いますが、裁判所書記官に確認頂いた方がよいです。裁判所から送付される定型用書式ではなく、全体を新たな書式で提出することも可能です(弁護士の答弁書の場合は通常そのようにします)。
ただ、反訴の内容と重複するのであれば二度手間になってしまいますし、きちんと整理して主張された方がよいのではないかと思います。この場合、「被告の主張については追って述べる。」として、先送り頂くのも一つの手ではないかと思います。

3.「相応の損害賠償請求を求める」ですと請求金額が特定されていないため、ご自身で妥当と思われる金額を可能な範囲で算定して記載する必要があります。
 一部請求については、総額が判明している場合には、請求原因最後に「よって書き」といって、「よって、被告らに対し、連帯して、不法行為に基づく損害賠償請求権として金〇万円のうち金500万円及びこれに対する平成×年×月×日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払いを求める。」という書き方をします。
 ただ、本件のように総額が不明な場合、手元に資料が見当たらないため、不正確なご回答は申し上げられません。反訴請求原因において、症状固定前のため総額が算定困難な旨記載して反訴状を提出した上、その後の期日で裁判官の見解を伺う必要があるでしょう。

4.書証及び証拠説明書については、原告の主張を否認するという意味では、裁判官の心証形成との関係で早期に提出するに越したことはありません。
ただ、こちらの主張内容との関連性を明らかにする必要があるため、主張内容がまだ整理できていない場合には、何か不利になる証拠はないか精査頂いた上、慎重に検討頂く必要があるでしょう。
お礼メッセージ

小川 智史先生、このたびは早期にとても丁寧な、そして素人にもわかりやすいご教授をいただき、本当にありがとうございました。再度、自分なりに主張を整理し、証拠も

取扱分野
交通事故 離婚・男女 不動産・建築

①反訴のデメリット
 基本的にありません。弁護士に委任するのであれば弁護士費用の負担、本人訴訟であれば、訴状を書き、証拠を整理する手間暇くらいでしょうか。判決まで至った場合のことですが、反訴がなく債務不存在の判決だけでは、相手方が任意に支払わない場合に強制執行により回収することが出来なくなります。
②反訴の時期
 待つ意味はありません。
③反訴の印紙
 反訴で請求する金額を前提とした印紙代マイナス本訴で納められた印紙代です。難しければ、反訴状に印紙を貼らず、「印紙額を御指示下さい。」と付箋を付けて提出して、裁判所からの指示を待つという進め方でも良いです。
④治療中
 反訴状に特定の日までの治療を前提とした一部請求であることを明示して下さい。
⑤訴訟前の請求額との相違
 訴訟前は訴訟前、訴訟は訴訟なので、請求額が変わることに問題はありません。裁判官が和解案を出すときに斟酌されることはあるかもしれません。
⑥その他
 損害額の多寡だけでなく、そもそも暴行の有無まで争われると意外に大変な裁判になるかもしれません。

2017年03月01日 11時34分
補足質問
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shige - 2017年03月01日 17時53分

村上 昌弘先生早速のご回答ありがとうございました。また、非常にわかりやすいご回答、感謝申し上げます。さて、いくつか質問をさせていただきたいのですが、まずご回答①についてなのですが「反訴がなく債務不存在の判決だけでは、相手方が任意に支払わない場合に強制執行により回収することが出来なくなります。」ということは、反訴状を裁判所に提出し、反訴の提起を行えば、勝訴もしくは、相応の賠償金を原告が支払うことで、和解が成立すれば債務名義が得られるという解釈でよろしいでしょうか。ご回答の②についてですが、また、まずは、答弁書で認否を行いすぐ後に反訴の提起をしようと予定していますが、そのような進め方でよろしいでしょうか?ご回答④についてですが、ここでいう「特定の日までの治療を前提とした」というところですが、症状固定の時期が明確ならよいのですが、椎間板ヘルニアを罹患しており、保存療法で手術は受けたくないので、整形外科で薬剤の服用とリハビリを行っているのですが、医師がいつまでに治ると簡単に診断を出してくれません。つまり症状固定の着地が簡単には見えないのです。不幸中の幸いで、第三者傷害として労災認定されており、医療費は労災保険でおりています。この場合、「一部請求であることを明示」は重要な一文だと思うのですが、ここで悩んでおり、ここの反訴状の記述のし方をご教授いただけると幸甚です。「例えば、反訴状の訴訟額を500万円として、これは、一部請求であると明示。そして、今後症状固定するまでの、入通院慰謝料(赤い本ベース)、文書、郵送、交通費等の諸雑費、怪我に際しての親族からの生活費借入の利息年利5%等は、未来の後遺障害逸失利益及び後遺障害慰謝料は、症状固定した際に●●●万円支払えとの判決を求める。」のような書き方はできるのでしょうか?いやもっとスマートな記述があるのでしょうか。ご教授のほどよろしくお願いいたします。手術しない限り大きな後遺障害は残らないと思うのですが。ご回答⑥についてですが、事件当時の、腕の傷、摑まれた上腕の圧迫痕等の日付入り写真、血が付いたワイシャツ、2つの病院の医師の診断書、病院にて撮影したDVD画像、その他、事件当日事件すぐ後、翌日に記載した手書きメモ等、第三者傷害にて申請を認定された労働基準局の書類等の証拠は所有しています。また、原告らは私宛に「強制的に退出させた。申し訳ない。」との内容の謝罪文を出し、会社にて陳述もしています。しかし、暴行はしてはいないと否認しているのです。ただ、何メートルも両側から拘束されて運ばれて腰椎を損傷したのです。これを否定はできないと思います。最後に、証拠の裁判所への提出はいつが最良なのでしょうか、答弁書の提出時、それとも反訴の時、ご教授いただけると幸いです。
補足回答
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村上 昌弘 弁護士 - 2017年03月02日 15時27分

1 反訴を提起しなくとも債務不存在確認請求訴訟の手続きの中で和解をし、給付条項(「被告は原告にいついつ限り支払う。」という条項)のある調書を作ってもらえば、強制執行をすることが出来ます。反訴を提起しておかないと強制執行できないというのは、判決まで行った場合のことです。
2 債務不存在確認請求訴訟に対する答弁書を提出した後すぐに反訴状を提出するという進め方でよいです。
3 「請求の趣旨」については、通常の書式例どおりで、「請求原因」の中で、例えば訴訟提起の1週間前の日までの治療を前提とした一部請求であると付記しておけばよいです。形式について、裁判所はそれほどうるさいこを言いません。
4 有形力の行使と受傷との因果関係の立証については、有形力の行使があった直後に病院を受診していれば一応は因果関係が認められる方向の心証を持たれると思いますが、実際のところどのような有形力の行使がなされたのかについて、原告・被告双方の具体的な言い分(反訴状・準備書面、陳述書、本人尋問)を聞いてからでないときちんとした心証は持てないと思います。
お礼メッセージ

村上先生、このたびは、非常にわかりやすいコメントをいただきありがとうございました。今一度、主張、証拠などを整理して、対策を練りたいと思っております。そのうえでまた何かございましたら、ご教授等よろしくお願いいたします。

投稿時の情報です。適法性については自身で確認のうえ、ご活用ください。

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