弁護士コラム

【死亡事故】示談交渉と被害者参加

[投稿日] 2020年05月22日 [最終更新日] 2020年05月22日

交通事故は、本当に突然やってきます。

朝、元気に学校に行ったのに。昼間、一緒に楽しくランチをしたのに。

なのに、一瞬の事故で尊い命が奪われてしまう。

職業柄、交通事故で大切な家族を亡くした方と幾度かお会いしてきました。

突然家族を失った遺族は、いろいろな想いに囚われます。

 

買い物を頼まなければ事故に遭うことはなかったのではないだろうか。

何で朝早く起こして仕事に行かせてしまったのだろうか。あの時、寝坊させていれば事故には巻き込まれなかった…

高齢な夫は、人に危害を与えてはいけないと思って免許を返納したのに、より高齢な加害者にひき殺された。何の因果なのか…

来月の娘の結婚式を楽しみにしていたのに、なぜ今命が奪われなければならなかったのか。

今までの家事は一切妻がやっていた。3歳と1歳の子ども達を遺されて、自分はこれからどうやって生活をしていけば良いのか。

一家の大黒柱を失った。これから子ども達の進学費用はどうなるのか。生命保険にも必要最低限しか入っていない…

加害者が赤信号無視で突っ込んできた。だけど、息子もシートベルトをしていなかったらしい。でも加害者が赤信号を無視しなければ息子は絶対に死ななかった。なぜ、息子の過失を指摘されなければならないのか…

 

突然の理不尽な死に打ちのめされ、また今後の生活に不安を覚える。当然の事です。

たまに、示談交渉に弁護士を入れると、故人の死を悼んでいるのではなくお金目当てだと思われないか不安だとおっしゃるクライアントの方がいます。

しかし、そのようなことは決してありません。

そもそも、残された遺族がこれから生きていくために、賠償金を受け取ることは当然です。

そして、その賠償金の額は多いに越したことはありません。それだけ、故人が家族を支えてきたという現れなのですから。

特に死亡事故の場合、もう故人は帰ってきません。そして、故人が主張をすることも出来ません。

まずは弁護士特約が付いている場合は、亡くなったご家族のためにも、必ず代理人をつけることをお勧めします。

また弁護士特約が付いていない場合は、まずは法律相談で、弁護士を就けた場合はどれくらい賠償金が上がるか算出してもらうと良いでしょう。

その上で、弁護士費用を支払ってもメリットがある場合には、代理人をつけることをおススメします。

弁護士費用を支払った場合に、元の賠償金を下回るのであれば、もう一度、ゆっくり検討してください。

賠償金は、これからご遺族が生活していくための、故人が遺した大切なお金です。弁護士費用で多く目減りすることはおススメできません。

 

次に、加害者が被告人として刑事裁判にかけられた場合に、被害者参加をするか、検討しましょう。

死亡事故であれば被害者のご遺族が被害者参加人として、刑事裁判に参加することが出来ます。

被害者参加人として、刑事裁判期日に出席し、加害者本人に直接質問をすることも出来ますし、意見を述べることも出来ます。

資産が200万円未満の場合、国選被害者参加弁護士といって、国の費用で代理人弁護士を就けることも出来ます。もちろん、ご自身の負担で私選の弁護士を就けることも可能です。

なお刑事事件の被告人の国選弁護人と異なるのは、国選被害者参加弁護士は、被害者参加人から指名することが出来る点です。

国選弁護人の場合、誰が弁護人となるか分からないという賭けがありますが、国選被害者参加弁護士の場合は、今まで自分が相談していた弁護士や民事の代理人弁護士をそのまま、国選被害者参加弁護士として指名することが出来るのです。

被害者参加をしようか悩んでいる場合、直ちにご相談ください。

被告人が交通事故について責任を認めている場合、刑事裁判は通常1回で結審してしまいます。きちんと刑事裁判に参加するためにも、第1回裁判期日の相当期間前に、刑事裁判への参加の申出をしましょう。

 

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寺田 玲子 弁護士

取扱分野
離婚・男女 交通事故 犯罪・刑事事件

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