弁護士コラム

【養育費】養育費ってあがったの?

[投稿日] 2020年05月24日 [最終更新日] 2020年06月03日

結婚して子どもを授かり、生活をしていたものの、残念ながら別居へ。

別居をした場合、収入の低い一方は、収入の高い一方に対して生活費(婚姻費用)の請求をすることが出来ます。

その後離婚をした場合、夫婦は他人となりますので、自分自身の生活費の請求をすることは出来ません。

しかし、子どもにとっては、親が離婚をして親権者でなくなったとしても、親であることに変わりはありません。

このため、子どもの生活費(養育費)を請求することはできるのです。

 

養育費は、当事者間の話し合いで決まれば特段問題はありませんが、当事者間の話し合いで決まらない場合、調停や審判、若しくは離婚訴訟の際に裁判所で決まります。

そして裁判所では、標準算定方式・算定表にしたがって養育費を算出していました。

因みに、協議離婚の場合も標準算定方式・算定表を利用して養育費の金額を算出することが多いのが実情です。

しかし、同標準算定方式・算定表にしたがって算出された養育費の金額は、低額であるとの批判がなされていました。

確かに、子どもを1人育て上げるには様々なお金がかかります。

学習塾などに行くようになれば、その費用も掛かります。部活をするにも、ユニフォーム代やバス代など、いろいろな支出があるでしょう。

親が離婚をしたからといって、子ども達にそのしわ寄せがいかないように、養育費はもっと実情を反映した金額とされるべきである、という声が大きくなり、2019年12月に改定標準算定表が最高裁判所より発表されました。

そして、同改定標準算定表によれば、大多数のケースで養育費の金額は上がることとなりました。

 

標準算定表が改定されたことは、これから教育を受ける子ども達にとっては、非常に望ましいことでしょう。

しかしながら、そもそも今までの算定表に基づいた養育費でも、滞納したり不払となったりするケースはたくさんありました。

養育費の算定式が改定されて養育費の基準が上がったとしても、滞納や不払が多くなってしまうのでは、意味がありません。

もちろん、調停や裁判で養育費の金額が決まっているケースでは強制執行をして、給与や財産の差押えをすることは出来ます。

しかし、仕事がコロコロと変わっているケースや財産がないケースでは、差押え自体が困難であることが少なくないのです。

兵庫県明石市では、養育費を支払っていない人に対して支払うよう通知し、従わない場合には氏名を公表するという対応が検討されているようです。

私達親が、子ども達の未来を一番に考える、皆がそうなれば、養育費の不払等無くなるのでしょうが、残念ながら、なかなか難しいのかもしれませんね。

親が離婚をした日本の子ども達全員が、養育費を受け取ることが出来るにはどうしたら良いのか、これからも考えていきたいです。

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寺田 玲子 弁護士

取扱分野
離婚・男女 交通事故 犯罪・刑事事件

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